白線(10月その1)
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おまけ
「おまけ1」のディーノ視点。
「ボス、少し休め」
険しい顔をしたロマーリオに詰め寄られ、ディーノは笑いながら目線を逸らした。
「休んでるって。オレのスケジュール知ってるだろ?」
「ああ、もちろんだ。その休みにヒロヤの手掛かりを探し回ってることもな」
ぐっと喉の奥が詰まる。
「……休日は、何をしても自由なはずだ」
「少しは体を休めろって言ってんだ。まだ若いとはいえ、無理は禁物だぞ」
「無理はしてねぇよ」
「右腕の進言すら受け入れられねぇようなら、ボス失格だぞ」
幼子のように高く、しかしどすの利いた声に無意識に背筋が伸びる。
「リボーン……」
スーツに身を包んだ赤ん坊が、足元からディーノを睨み付けていた。
「アイツのことはオレもボンゴレも追っているが、情報が追いきれねぇ。お前ひとりで対応できるもんじゃねぇんだ」
「でも、オレはアイツのオーナーだ。もしかしたら、オレだけが」
「オーナーは万能じゃねぇ。それにオーナーであるお前自身が健康だからこそ、ヒロヤの自我が保たれてる可能性があるんだぞ。易々希望の糸を手放すんじゃねぇ」
昔のように正面から叱責を受け、ディーノは拳を握った。
親友を、唯一無二の存在を失った。自分に温かい居場所をくれた瀬切家、その入り口となったヒロヤの失踪は、ディーノの中で大きな傷になっている。
あの時、自分でディーノに向かって振り下ろした剣を、自身の腕で止めたヒロヤの、あの悲痛な顔を忘れられない。
ヒロヤが消えたことを伝えた時の、レイの絶望に満ちた目を忘れられない。あの子はちゃんと、泣くことができただろうか。
何かを言い返そうとした時、また別の部下が左耳を抑えてよろけながら執務室に入ってきた。
「ボス、お電話です……」
「どこからだ?」
「恐らく、ヴァリアーです……」
おそらくってなんだ、と思いながら電話の子機を受け取る。その瞬間、耳を当てるまでもない声量の怒号がスピーカーから飛び出してきた。
「ゔお゙ぉい!!」
これは間違いなくヴァリアー、さらに言えばスクアーロである。随分とおかんむりのようだが、ディーノには全く心当たりがない。
まさか。
「ヒロヤか!?」
「ちげぇ!あのバカだったら殺すに決まってんだろぉ!!」
「じゃあ一体」
「ガキだぁ!!テメェ、ガキの手綱くらい握っとけぇ!!」
「は?ガキ?」
希望は即座に打ち砕かれ、代わりに予想だにしなかった単語が鼓膜を打つ。
「てめぇんとこのガキだ!あのカスを裏社会に置くならこっちのルール仕込んどけぇ!!」
「ま、待てよ!ガキって……、まさか、レイのことか?」
「他にいんのか!?」
どういうことだ。一体何をした。何に巻き込まれた。
電話越しにディーノの動揺が伝わったのだろうか、スクアーロが「知らねぇのか」と舌打ちをした。
「そっちのカスガキが、うちのカスガキに戦い方を教えろだなんだとか言いやがった!」
「『うちの』って」
「ベル。ベルフェゴールだ」
息が止まる。
レイが、あの殺人鬼に、戦い方の教えを請うた。
「嘘だ」
「嘘なわけあるかぁ!!」
思わず口から出た現実逃避は、即座に斬り落とされる。
スクアーロの話では、偶然街中でベルを見つけたレイの方から接触を図ったらしい。そして、何がよかったのか、ベルはレイの願いを聞き入れたのだという。
呼吸が浅くなるのを実感した。
レイがキャバッローネの内部ではなく、外部の、それも暗殺部隊の人間に指導を願った。それはつまり、ここでは教えてやれないことを教わろうとしているということだ。
殺しの技術だ。そこに思い至るのに、20秒も必要なかった。
とんでもないことになっている。電話越しに頭を抱えているスクアーロが見えるようだった。
「こっちのカスガキはオレがシメとくから、そっちは」
「待ってくれ」
咄嗟にディーノはスクアーロの言葉を遮る。
この話が全てなかったことになる、それは駄目だと、ディーノの直感が叫んでいた。
「一旦、保留にしてくれ」
「ゔお゙ぉい!!気でも狂ったかぁ!?」
「気は狂いそうだけど正気だ。頼む、まだ完全になかったことにしないでくれ。今日中に必ず回答するから」
ディーノの真剣な声に、今度はスクアーロが口を閉ざす。しばらく待てば、露骨に大きなため息と共に「日付変わった瞬間に切るからなぁ!」と吐き捨てて電話が切れた。
顔を上げて、ロマーリオとリボーンを見る。2人にも当然、このやり取りは聞こえている。ロマーリオは顔色を少し悪くして、唖然とした顔でディーノを見ている。
「おい、何で保留にしたんだ。ファミリーを超えての勝手な師事は」
「分かってる」
ロマーリオに手のひらを向けて言葉を止めさせる。
彼の言う通り、仮に同盟ファミリー間のことであっても、上の人間が承知しないままに他ファミリーの人間と師弟の関係になることは許されない。
情報漏洩のリスク、歪な関係性による支配のリスク、事故による負傷や死亡による不和のリスクなど、リスクを挙げればキリがない。
いくらその肉体の在り方が人間と違うといっても、死の危険はある。精神面だって、なんやかんや年相応のものだ。強い恐怖を引きずることもあるだろうし、下手をすればトラウマを抱えて私生活すら満足に送れなくなる可能性もある。
それにレイは、本人にその意識が薄かったとしても、血筋の外側であっても、ボンゴレファミリーNo.2の姪である。万が一があってはいけない。
しかし、あの子はやめろと言われて素直にやめるだろうか。
ディーノが己の師を見れば、真意の読めない真っ黒な瞳で見返された。
「なあ、リボーン」
「なんだ」
「オレは今から、9代目と家光さんに連絡を取る」
口から飛び出そうな心臓を、必死で飲み込む。
「『オレがすべて責任を取るから、ヴァリアーのベルフェゴールがレイを鍛えることを許してくれ』と、頼む」
「ボス!あんた意味わかってんのか!?」
「分かってる!」
ロマーリオに言い返す声が、電話の子機を握る手が震える。
分かっている。
まだボンゴレの本部にとって、ヴァリアーは警戒対象であること。
家光が義姉夫婦の忘れ形見であるレイを、ひどく気にかけていること。
無傷で済むことは確実になく、ひどい怪我をして帰ってくるであろうこと。
下手をしたら、鍛錬の名目の中で死んでしまうかもしれないこと。
殺しの技術を学ぶということは、殺しそのものとの距離が一気に近付くということ。
まだ堅気であるはずのあの子の行く先が、血塗られた道になるかもしれないこと。
全部分かっている。
「それでも、今オレらが思ってる以上に、レイは追い詰められてる。あいつは絶対、抑え込んだ分だけ反動がでかい」
もしもここで強く叱って行動を制限したとして、大人しくしているたまではない。むしろ、より素性のしれない殺し屋に接触する可能性だってある。
であれば、まだ同世代であり、ヴァリアーという少なくとも現時点では最低限の信頼のおける組織に属しており、技術は確かなベルフェゴールに任せる方が、まだ。
「ディーノ」
リボーンは静かな目でこちらを見ている。
「相手が相手だ。初回から遠慮なくレイをボコすだろうな。血を見ることは覚悟しとけよ」
「……ああ。もしもそれでアイツの心が折れたら、それまでだ」
その時は、あの子が戦いの場に身を置かなくて済むように、穏やかな場所で生きていけるように、できる限りのことをしてやる。
「万が一にも耐え抜いたらどうする?」
もし、もしも、耐え抜いてしまったら。
「その時は……、アイツの覚悟を信じる」
4歳の頃から知っている。親や兄に甘えていた姿も、抱っこをせがんでいた声も、転んで擦りむいた膝に流した涙も知っている。
そんな子が、擦り傷、打撲、切り傷、骨折、裂傷、刺し傷……、あらゆる傷を負う姿を想像する。
人間より丈夫でも、治癒が早くても、まだ10歳そこらだ。ベソをかいてる日もあるかもしれない。痛みに呻く日もあるかもしれない。
それでも、立つと決めたなら。終わりの見えない痛みと向き合うというのなら。
ディーノも腹を括るしかない。
何よりも。
「レイまで全く分からないところに居なくなっちまうことの方が、オレは耐えらんねぇんだよ……」
本当なら自分の手の届く範囲で、温めるように守ってやりたい。親友がそうしようとしたように、ディーノだってそうしてやりたかった。そうさせてくれるような子だったら話は早かった。
でもそうではない。
あれは自力で立ち上がり、重石を投げ飛ばす子だ。守ってやりたいこちらの腕を振り払って、荒れ地の中だろうが己の選択で走り抜ける子だ。
その時、あの子が真に自分の力で禍を跳ねのけられるだけの力を付けていなければ、道半ばで力尽きてしまう。
こちらが選択肢を取り上げたせいで、あの温かい一家の最後の1人まで失いたくない。
この手で守り切れなかったときに、それでもなんとか生き抜いてほしい。例え、誰かの命を奪ったとしても。
ボクに何かあったら、妹を頼むよ。
親友の声が脳裏でリフレインする。
恨むなよ、お前が消えたのが悪いんだからな。
そう心の中で言い訳しながら、ディーノは電話のボタンに指を置いた。
「おまけ1」のディーノ視点。
「ボス、少し休め」
険しい顔をしたロマーリオに詰め寄られ、ディーノは笑いながら目線を逸らした。
「休んでるって。オレのスケジュール知ってるだろ?」
「ああ、もちろんだ。その休みにヒロヤの手掛かりを探し回ってることもな」
ぐっと喉の奥が詰まる。
「……休日は、何をしても自由なはずだ」
「少しは体を休めろって言ってんだ。まだ若いとはいえ、無理は禁物だぞ」
「無理はしてねぇよ」
「右腕の進言すら受け入れられねぇようなら、ボス失格だぞ」
幼子のように高く、しかしどすの利いた声に無意識に背筋が伸びる。
「リボーン……」
スーツに身を包んだ赤ん坊が、足元からディーノを睨み付けていた。
「アイツのことはオレもボンゴレも追っているが、情報が追いきれねぇ。お前ひとりで対応できるもんじゃねぇんだ」
「でも、オレはアイツのオーナーだ。もしかしたら、オレだけが」
「オーナーは万能じゃねぇ。それにオーナーであるお前自身が健康だからこそ、ヒロヤの自我が保たれてる可能性があるんだぞ。易々希望の糸を手放すんじゃねぇ」
昔のように正面から叱責を受け、ディーノは拳を握った。
親友を、唯一無二の存在を失った。自分に温かい居場所をくれた瀬切家、その入り口となったヒロヤの失踪は、ディーノの中で大きな傷になっている。
あの時、自分でディーノに向かって振り下ろした剣を、自身の腕で止めたヒロヤの、あの悲痛な顔を忘れられない。
ヒロヤが消えたことを伝えた時の、レイの絶望に満ちた目を忘れられない。あの子はちゃんと、泣くことができただろうか。
何かを言い返そうとした時、また別の部下が左耳を抑えてよろけながら執務室に入ってきた。
「ボス、お電話です……」
「どこからだ?」
「恐らく、ヴァリアーです……」
おそらくってなんだ、と思いながら電話の子機を受け取る。その瞬間、耳を当てるまでもない声量の怒号がスピーカーから飛び出してきた。
「ゔお゙ぉい!!」
これは間違いなくヴァリアー、さらに言えばスクアーロである。随分とおかんむりのようだが、ディーノには全く心当たりがない。
まさか。
「ヒロヤか!?」
「ちげぇ!あのバカだったら殺すに決まってんだろぉ!!」
「じゃあ一体」
「ガキだぁ!!テメェ、ガキの手綱くらい握っとけぇ!!」
「は?ガキ?」
希望は即座に打ち砕かれ、代わりに予想だにしなかった単語が鼓膜を打つ。
「てめぇんとこのガキだ!あのカスを裏社会に置くならこっちのルール仕込んどけぇ!!」
「ま、待てよ!ガキって……、まさか、レイのことか?」
「他にいんのか!?」
どういうことだ。一体何をした。何に巻き込まれた。
電話越しにディーノの動揺が伝わったのだろうか、スクアーロが「知らねぇのか」と舌打ちをした。
「そっちのカスガキが、うちのカスガキに戦い方を教えろだなんだとか言いやがった!」
「『うちの』って」
「ベル。ベルフェゴールだ」
息が止まる。
レイが、あの殺人鬼に、戦い方の教えを請うた。
「嘘だ」
「嘘なわけあるかぁ!!」
思わず口から出た現実逃避は、即座に斬り落とされる。
スクアーロの話では、偶然街中でベルを見つけたレイの方から接触を図ったらしい。そして、何がよかったのか、ベルはレイの願いを聞き入れたのだという。
呼吸が浅くなるのを実感した。
レイがキャバッローネの内部ではなく、外部の、それも暗殺部隊の人間に指導を願った。それはつまり、ここでは教えてやれないことを教わろうとしているということだ。
殺しの技術だ。そこに思い至るのに、20秒も必要なかった。
とんでもないことになっている。電話越しに頭を抱えているスクアーロが見えるようだった。
「こっちのカスガキはオレがシメとくから、そっちは」
「待ってくれ」
咄嗟にディーノはスクアーロの言葉を遮る。
この話が全てなかったことになる、それは駄目だと、ディーノの直感が叫んでいた。
「一旦、保留にしてくれ」
「ゔお゙ぉい!!気でも狂ったかぁ!?」
「気は狂いそうだけど正気だ。頼む、まだ完全になかったことにしないでくれ。今日中に必ず回答するから」
ディーノの真剣な声に、今度はスクアーロが口を閉ざす。しばらく待てば、露骨に大きなため息と共に「日付変わった瞬間に切るからなぁ!」と吐き捨てて電話が切れた。
顔を上げて、ロマーリオとリボーンを見る。2人にも当然、このやり取りは聞こえている。ロマーリオは顔色を少し悪くして、唖然とした顔でディーノを見ている。
「おい、何で保留にしたんだ。ファミリーを超えての勝手な師事は」
「分かってる」
ロマーリオに手のひらを向けて言葉を止めさせる。
彼の言う通り、仮に同盟ファミリー間のことであっても、上の人間が承知しないままに他ファミリーの人間と師弟の関係になることは許されない。
情報漏洩のリスク、歪な関係性による支配のリスク、事故による負傷や死亡による不和のリスクなど、リスクを挙げればキリがない。
いくらその肉体の在り方が人間と違うといっても、死の危険はある。精神面だって、なんやかんや年相応のものだ。強い恐怖を引きずることもあるだろうし、下手をすればトラウマを抱えて私生活すら満足に送れなくなる可能性もある。
それにレイは、本人にその意識が薄かったとしても、血筋の外側であっても、ボンゴレファミリーNo.2の姪である。万が一があってはいけない。
しかし、あの子はやめろと言われて素直にやめるだろうか。
ディーノが己の師を見れば、真意の読めない真っ黒な瞳で見返された。
「なあ、リボーン」
「なんだ」
「オレは今から、9代目と家光さんに連絡を取る」
口から飛び出そうな心臓を、必死で飲み込む。
「『オレがすべて責任を取るから、ヴァリアーのベルフェゴールがレイを鍛えることを許してくれ』と、頼む」
「ボス!あんた意味わかってんのか!?」
「分かってる!」
ロマーリオに言い返す声が、電話の子機を握る手が震える。
分かっている。
まだボンゴレの本部にとって、ヴァリアーは警戒対象であること。
家光が義姉夫婦の忘れ形見であるレイを、ひどく気にかけていること。
無傷で済むことは確実になく、ひどい怪我をして帰ってくるであろうこと。
下手をしたら、鍛錬の名目の中で死んでしまうかもしれないこと。
殺しの技術を学ぶということは、殺しそのものとの距離が一気に近付くということ。
まだ堅気であるはずのあの子の行く先が、血塗られた道になるかもしれないこと。
全部分かっている。
「それでも、今オレらが思ってる以上に、レイは追い詰められてる。あいつは絶対、抑え込んだ分だけ反動がでかい」
もしもここで強く叱って行動を制限したとして、大人しくしているたまではない。むしろ、より素性のしれない殺し屋に接触する可能性だってある。
であれば、まだ同世代であり、ヴァリアーという少なくとも現時点では最低限の信頼のおける組織に属しており、技術は確かなベルフェゴールに任せる方が、まだ。
「ディーノ」
リボーンは静かな目でこちらを見ている。
「相手が相手だ。初回から遠慮なくレイをボコすだろうな。血を見ることは覚悟しとけよ」
「……ああ。もしもそれでアイツの心が折れたら、それまでだ」
その時は、あの子が戦いの場に身を置かなくて済むように、穏やかな場所で生きていけるように、できる限りのことをしてやる。
「万が一にも耐え抜いたらどうする?」
もし、もしも、耐え抜いてしまったら。
「その時は……、アイツの覚悟を信じる」
4歳の頃から知っている。親や兄に甘えていた姿も、抱っこをせがんでいた声も、転んで擦りむいた膝に流した涙も知っている。
そんな子が、擦り傷、打撲、切り傷、骨折、裂傷、刺し傷……、あらゆる傷を負う姿を想像する。
人間より丈夫でも、治癒が早くても、まだ10歳そこらだ。ベソをかいてる日もあるかもしれない。痛みに呻く日もあるかもしれない。
それでも、立つと決めたなら。終わりの見えない痛みと向き合うというのなら。
ディーノも腹を括るしかない。
何よりも。
「レイまで全く分からないところに居なくなっちまうことの方が、オレは耐えらんねぇんだよ……」
本当なら自分の手の届く範囲で、温めるように守ってやりたい。親友がそうしようとしたように、ディーノだってそうしてやりたかった。そうさせてくれるような子だったら話は早かった。
でもそうではない。
あれは自力で立ち上がり、重石を投げ飛ばす子だ。守ってやりたいこちらの腕を振り払って、荒れ地の中だろうが己の選択で走り抜ける子だ。
その時、あの子が真に自分の力で禍を跳ねのけられるだけの力を付けていなければ、道半ばで力尽きてしまう。
こちらが選択肢を取り上げたせいで、あの温かい一家の最後の1人まで失いたくない。
この手で守り切れなかったときに、それでもなんとか生き抜いてほしい。例え、誰かの命を奪ったとしても。
ボクに何かあったら、妹を頼むよ。
親友の声が脳裏でリフレインする。
恨むなよ、お前が消えたのが悪いんだからな。
そう心の中で言い訳しながら、ディーノは電話のボタンに指を置いた。