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「……今まで、今まで全く連絡せず何してたんだよ!母さんもずっと心配してたんだぞ!」
名前を呼べば、金縛りが解けたように口が動いた。思わず責めるような言葉を投げつける。
今更レイを責めても意味がないことは分っているはずなのに、これまでの不安と安堵が押し寄せて止まらない。
そんなツナの様子に、レイは苦笑いを溢しながら頭を下げた。
「ごめん、ボクに連絡する勇気がなかったんだ」
「勇気ってなんだよ……。『元気です。』の一言で十分だったんだぞ……。でも、本当に良かった。もしかしたらもう会えないかもって……」
「うん、ボクもそう思ってた。……会えて本当によかった」
ツナは込み上げそうになる涙を抑えるために深呼吸をした。そして一歩近付こうとしたその瞬間、ドンッと足元に何かがぶつかりそのまま膝から崩れ落ちた。
「んがっ!」
「えっ、い、犬?」
戸惑うようなレイの声、後ろを見ると若い秋田犬が嬉しそうにツナを見ながらフンフンと鼻を鳴らしている。
「次郎!?」
「この子……」
じっと次郎を見つめるレイの姿を見て、必死に言い訳を考える
「えっと、友達の飼い犬っていうかなんていうか」
言葉を選んでいると、道の向こうから二人分の足音が聞こえた。
「10代目ぇー!!」
「おっ、いたいた。大丈夫か!?」
「獄寺君!山本!」
「本当に!本っ当にご無事で何よりです!そのチンピラ共、オレが今からぶっ殺してやります!!」
「いいって!でも心配かけてごめん。山本もごめん」
「いやー、全然帰ってこないし電話も通じないしでさすがに焦ったぜ」
「うん、充電切れてて……、次郎もありがとうな」
獄寺をなだめ、次郎を撫でる。ツナから未だ寝ているランボを受け取りながら、山本はツナの後ろに目をやる。
「で、あいつが助けてくれたのか?」
つられて振り向くと、レイは落としたキャップを拾っているところだった。視線に気付き顔が上がる。手招きすると素直にこちらに近寄ってくる。
レイは初対面の二人に見つめられているからか、少し緊張した面持ちで口を開いた。
「初めまして、ボクは瀬切レイ」
「オレは山本武ってんだ、よろしくな!で、こいつが獄寺」
笑顔で自己紹介と他者紹介を済ませる山本と、じっとりとレイを睨みつける獄寺。寒暖差のある二人の表情にやや戸惑いながら、よろしく、とレイも返しながらキャップを被ろうとする。
すると山本は「あ、帽子待ってくれ」と止める。
山本はツナとレイの顔を交互に見て、少し首をかしげる。
「なんかツナと瀬切って似てね?雰囲気っつうか、顔の感じっつうか」
「なっ!?てめえ10代目になんて失礼なことを……!」
「ご、獄寺君待って!」
山本に掴みかかろうとする獄寺を慌てて制する。
「似てるのも当たり前だよ、オレとレイは母方の従妹なんだ」
「じゅっ、10代目のいとこ!?」
「なるほどな、だから似てんのか」
仰天する獄寺と、納得気味の山本。居心地が悪いのか、レイはキャップを目深に被ってしまった。
4人でたわいもない話をしながら路地裏を歩く。特に山本は随分とレイに興味を惹かれたようで、いつまで日本にいたのか、この近くに住んでいるのか、野球は好きかなど、話しかけている。
「日本には4歳の時まで住んでたよ、ツナの家の近所に。今住んでるのは…うん、もう少し歩いたところに住んでる。野球は…少し見たことはあるけどルールはあまりわからないな」
「なら今度教えてやるからやろーぜ!」
「あ、ああ。ありがとう……?」
前から聞こえてくる会話に少し笑ってしまう。
ツナも人のことは言えないが、レイも昔から変わらずにやや人見知りの気があるようだ。初対面から気楽に話しかけてくる山本の対応にやや戸惑っているのが分かる。
ふと、レイは「そういえば、」とツナに話しかけた。
「行きたい場所があるんだよね?せっかくだしボクも行っていいかな?観光地なら案内できるし」
「えっ……。」
ギクリとして、ツナは立ち止まる。
ツナの目的地はキャバッローネの本部、つまりマフィアの本部だ。しかも地元民との関係は良好なファミリーらしいので、レイがこの辺りに住んでいるのであればディーノのことも、キャバッローネのことも知っている可能性は十分にある。
自分がマフィアに関わりがあることは、やはりあまり言いたくはない。下手に深い関わりを持てば巻き込んでしまうことを、この2年で十分思い知らされた。
心配そうに見てくる獄寺に何とか笑いかけて、レイをごまかす言葉を考える。
10秒ほど膠着状態が続き、そろそろ冷汗が垂れそうになった頃。
「ごめん、わざと聞いたんだ」
「え?」
そう言って、レイはツナの腕を引いて路地裏を抜けた。たった5歩歩いただけで急に視界が開け、日差しとともに海が目に飛び込んできた。
そして、ボンゴレの本部ほどではないが、立派な豪邸も、立ちそびえている。
呆然とするツナ達を前の前に立つレイは帽子を取り、頭を垂れた。
「えっ!?な、何やってるんだよ!」
慌てるツナを意に介さず、レイは恭しく言葉を紡いだ。
「ボクは今日、キャバッローネ10代目ボスの命により、あなた方をお迎えに上がったのです」
ボンゴレ10代目。いえ、ネオ・ボンゴレ初代、そしてその守護者の皆様。
「ようこそ、キャバッローネへ。ボスがお待ちです」
ポカンとしたまま何も話せなくなるツナ達。それを見て、眉尻を下げてレイが笑う。
「ツナ、驚かせてごめん。実はボク、ここに住んでるんだ」
なるほど、どおりで自分達の前をすたすた迷いなく歩いていたのか。
ツナ達の目的地も、そこまでの道のりも知っていたからなのか。
ふむふむと納得し、それから。
「って、えええええええええええ!!??」
絶叫した。
名前を呼べば、金縛りが解けたように口が動いた。思わず責めるような言葉を投げつける。
今更レイを責めても意味がないことは分っているはずなのに、これまでの不安と安堵が押し寄せて止まらない。
そんなツナの様子に、レイは苦笑いを溢しながら頭を下げた。
「ごめん、ボクに連絡する勇気がなかったんだ」
「勇気ってなんだよ……。『元気です。』の一言で十分だったんだぞ……。でも、本当に良かった。もしかしたらもう会えないかもって……」
「うん、ボクもそう思ってた。……会えて本当によかった」
ツナは込み上げそうになる涙を抑えるために深呼吸をした。そして一歩近付こうとしたその瞬間、ドンッと足元に何かがぶつかりそのまま膝から崩れ落ちた。
「んがっ!」
「えっ、い、犬?」
戸惑うようなレイの声、後ろを見ると若い秋田犬が嬉しそうにツナを見ながらフンフンと鼻を鳴らしている。
「次郎!?」
「この子……」
じっと次郎を見つめるレイの姿を見て、必死に言い訳を考える
「えっと、友達の飼い犬っていうかなんていうか」
言葉を選んでいると、道の向こうから二人分の足音が聞こえた。
「10代目ぇー!!」
「おっ、いたいた。大丈夫か!?」
「獄寺君!山本!」
「本当に!本っ当にご無事で何よりです!そのチンピラ共、オレが今からぶっ殺してやります!!」
「いいって!でも心配かけてごめん。山本もごめん」
「いやー、全然帰ってこないし電話も通じないしでさすがに焦ったぜ」
「うん、充電切れてて……、次郎もありがとうな」
獄寺をなだめ、次郎を撫でる。ツナから未だ寝ているランボを受け取りながら、山本はツナの後ろに目をやる。
「で、あいつが助けてくれたのか?」
つられて振り向くと、レイは落としたキャップを拾っているところだった。視線に気付き顔が上がる。手招きすると素直にこちらに近寄ってくる。
レイは初対面の二人に見つめられているからか、少し緊張した面持ちで口を開いた。
「初めまして、ボクは瀬切レイ」
「オレは山本武ってんだ、よろしくな!で、こいつが獄寺」
笑顔で自己紹介と他者紹介を済ませる山本と、じっとりとレイを睨みつける獄寺。寒暖差のある二人の表情にやや戸惑いながら、よろしく、とレイも返しながらキャップを被ろうとする。
すると山本は「あ、帽子待ってくれ」と止める。
山本はツナとレイの顔を交互に見て、少し首をかしげる。
「なんかツナと瀬切って似てね?雰囲気っつうか、顔の感じっつうか」
「なっ!?てめえ10代目になんて失礼なことを……!」
「ご、獄寺君待って!」
山本に掴みかかろうとする獄寺を慌てて制する。
「似てるのも当たり前だよ、オレとレイは母方の従妹なんだ」
「じゅっ、10代目のいとこ!?」
「なるほどな、だから似てんのか」
仰天する獄寺と、納得気味の山本。居心地が悪いのか、レイはキャップを目深に被ってしまった。
4人でたわいもない話をしながら路地裏を歩く。特に山本は随分とレイに興味を惹かれたようで、いつまで日本にいたのか、この近くに住んでいるのか、野球は好きかなど、話しかけている。
「日本には4歳の時まで住んでたよ、ツナの家の近所に。今住んでるのは…うん、もう少し歩いたところに住んでる。野球は…少し見たことはあるけどルールはあまりわからないな」
「なら今度教えてやるからやろーぜ!」
「あ、ああ。ありがとう……?」
前から聞こえてくる会話に少し笑ってしまう。
ツナも人のことは言えないが、レイも昔から変わらずにやや人見知りの気があるようだ。初対面から気楽に話しかけてくる山本の対応にやや戸惑っているのが分かる。
ふと、レイは「そういえば、」とツナに話しかけた。
「行きたい場所があるんだよね?せっかくだしボクも行っていいかな?観光地なら案内できるし」
「えっ……。」
ギクリとして、ツナは立ち止まる。
ツナの目的地はキャバッローネの本部、つまりマフィアの本部だ。しかも地元民との関係は良好なファミリーらしいので、レイがこの辺りに住んでいるのであればディーノのことも、キャバッローネのことも知っている可能性は十分にある。
自分がマフィアに関わりがあることは、やはりあまり言いたくはない。下手に深い関わりを持てば巻き込んでしまうことを、この2年で十分思い知らされた。
心配そうに見てくる獄寺に何とか笑いかけて、レイをごまかす言葉を考える。
10秒ほど膠着状態が続き、そろそろ冷汗が垂れそうになった頃。
「ごめん、わざと聞いたんだ」
「え?」
そう言って、レイはツナの腕を引いて路地裏を抜けた。たった5歩歩いただけで急に視界が開け、日差しとともに海が目に飛び込んできた。
そして、ボンゴレの本部ほどではないが、立派な豪邸も、立ちそびえている。
呆然とするツナ達を前の前に立つレイは帽子を取り、頭を垂れた。
「えっ!?な、何やってるんだよ!」
慌てるツナを意に介さず、レイは恭しく言葉を紡いだ。
「ボクは今日、キャバッローネ10代目ボスの命により、あなた方をお迎えに上がったのです」
ボンゴレ10代目。いえ、ネオ・ボンゴレ初代、そしてその守護者の皆様。
「ようこそ、キャバッローネへ。ボスがお待ちです」
ポカンとしたまま何も話せなくなるツナ達。それを見て、眉尻を下げてレイが笑う。
「ツナ、驚かせてごめん。実はボク、ここに住んでるんだ」
なるほど、どおりで自分達の前をすたすた迷いなく歩いていたのか。
ツナ達の目的地も、そこまでの道のりも知っていたからなのか。
ふむふむと納得し、それから。
「って、えええええええええええ!!??」
絶叫した。