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「ただいま!」
「おう、おかえり!」
「お邪魔します」
「っす」
「ツナ君達もいらっしゃい!」
準備中の札を気にせず店内に入ると、明るい声に出迎えられた。剛は板場で作業に勤しんでいる。
「今日はありがとうございます」
頭を下げると、息子とよく似た笑顔を向けられる。
「こちらこそ『団体様のご予約ありがとうございます』、ってな!それにツナ君のいとこの歓迎会だろ?任せときな」
居住スペースに荷物を置かせてもらい、手を洗う。山本は手伝いのために板場に入って行った。
「オヤジ、予約何人?」
「20人前後だな」
予想よりも多い人数に、ツナは慌てて手伝いを申し出た。
「そういえば20人って、誰呼んだんだよ」
獄寺と手分けしてテーブル拭きと取り皿等の配膳をしながらリボーンに問う。
「ボンゴレの守護者及び関係者、そんでシモンだな」
「関係者って……」
「女子供含むぞ。黒川花は用事があるから来れないらしいな、さっき京子から返信があったところだ」
「結構な大所帯ですね。雲雀と骸は来なさそうですが」
「オレも骸はともかく雲雀さんは絶対来ないと思う。でもエンマ達も来るなら、それは楽しみだなぁ」
一通り机の準備を終えたところで「お邪魔します」と声がして戸が開いた。
「あ、ツナさん!こんにちは!」
「リボーン君、お誘いありがとう」
入ってきたのは制服のままの京子とハルだった。そしてそんな2人に手を引かれて、これまた制服のままのクロームとレイも店内に足を踏み入れる。
「お、お邪魔します」
「お邪魔します。本当に寿司屋だ……」
やや遠慮がちに挨拶するクローム、内装を興味深そうに眺めるレイという新顔2人も含め、剛は威勢のいい声で迎え入れた。
「おう、お嬢ちゃん達、いらっしゃい!」
高校生のグループは距離の関係で少し遅れるようで、先に中学生の面々、そして沢田家居候組を合わせて歓迎会は始まった。
「現時点でレイはボンゴレファミリーではない」というリボーンの判断で、幸いにもボンゴレ式歓迎会は発生せず、にぎやかな会食という普通の形に落ち着いている。
「獄寺君、大丈夫?」
「うーん、これだけ見事にひっくり返ったのは久しぶりかも」
ビアンキの強襲で意識を失った獄寺が座敷席に転がされている。その傍に炎真と並んで座り、ツナは茶を啜った。炎真は醤油のついた服の袖を「アーデルに怒られる……」とぼやきながら薫に渡されたお絞りで抑えている。
「そういえば瀬切君はキャバッローネなんだよね?ボンゴレに引き入れないの?」
「いや、そもそもオレはまだ継ぐと決めたわけじゃあ……」
「相変わらずだね」と炎真が笑う。
「ツナ君がどっちを選ぶかは自由だけど、それでもきっと瀬切君は
マフィアとして生きていくのかな」
子供のころからそこで生きてきたならなおのこと、と炎真は遠い目をする。過程や環境こそ大きく異なるが、家族を奪われてから『そう』生きる選択をしたという点で、レイは単にいとこである自分より炎真と境遇が似ているのではないか、と考えてしまう。
うつむくツナの肩を炎真が軽く叩く。
「でも僕みたいに何かを大きく間違ったわけでもないし、ああやって明るく笑えてる。キャバッローネのボスならファミリーを抜けても上手く生きていけるようにしてくれる人なんでしょ?だったら大丈夫だよ」
炎真の言葉に少し肩が楽になる。顔を上げて店内を見れば、レイは「ちょっとヒンヤリする不思議なUMA」とSHITT・P!に頬をつつかれたり、ビアンキがあの毒サソリと知って驚いたりと、主に女性陣と交流していた。
「にしても瀬切君すごいなぁ……、しとぴっちゃんに抱き着かれても顔色変わらないなんて」
「エンマ、レイは女子だよ」
尊敬するように呟く炎真に、もしやと思い伝える予想が的中したようで、炎真は「え」だの「ああ」だの言葉にならない音を漏らし始めた。
「失礼なことしちゃった……瀬切く……瀬切さん……」
「本人全然気にしてないし、もう『君』でいいと思うよ。獄寺君も山本もずっと間違えてたし」
先ほどとは打って変わって、うつむく炎真の肩をツナが笑いながら叩く。
表が少し騒がしくなり、戸が開いた。入ってきたのは並盛北高校の制服に身を包んだアーデルハイトとジュリー、そしてらうじだった。アーデルハイトは丁寧に剛に頭を下げながら、女性陣の中に飛び込もうとするジュリーを器用に抑えている。
足元をうろつくランボを抱え上げたらうじが店内に一歩入ると、その後ろからさらに人影が2つ増えた。騒がしさからすぐにわかる、了平と紅葉だ。
「バカめ!」「何を!」といつも通り言い合う2人の姿に、いち早く京子が反応する。
「あ、お兄ちゃん!」
駆け寄ってくる妹を見て、了平が言い合いにブレーキをかける。女性には紳士的な態度を崩さない紅葉も、同様に口を閉ざす。
入り口付近で笹川兄妹が会話をしている。そんな様子をどこか憧れるような、羨むような目で、レイは眺めていた。
レイの兄であるヒロヤと了平は見た目も性格も異なるタイプだ。それでも兄を失ったレイにとって、仲良く笑いあう兄妹の姿がどう映るか。
声を掛けようか思案しているうちに、了平が京子に腕を引かれてレイに近付く。さっそくボクシングに興味がないか質問してくる了平の勢いに押されながら、レイは苦笑いで対応をしている。その頃にはもうレイの表情から先ほどの暗い色は消えていた。
「おう、おかえり!」
「お邪魔します」
「っす」
「ツナ君達もいらっしゃい!」
準備中の札を気にせず店内に入ると、明るい声に出迎えられた。剛は板場で作業に勤しんでいる。
「今日はありがとうございます」
頭を下げると、息子とよく似た笑顔を向けられる。
「こちらこそ『団体様のご予約ありがとうございます』、ってな!それにツナ君のいとこの歓迎会だろ?任せときな」
居住スペースに荷物を置かせてもらい、手を洗う。山本は手伝いのために板場に入って行った。
「オヤジ、予約何人?」
「20人前後だな」
予想よりも多い人数に、ツナは慌てて手伝いを申し出た。
「そういえば20人って、誰呼んだんだよ」
獄寺と手分けしてテーブル拭きと取り皿等の配膳をしながらリボーンに問う。
「ボンゴレの守護者及び関係者、そんでシモンだな」
「関係者って……」
「女子供含むぞ。黒川花は用事があるから来れないらしいな、さっき京子から返信があったところだ」
「結構な大所帯ですね。雲雀と骸は来なさそうですが」
「オレも骸はともかく雲雀さんは絶対来ないと思う。でもエンマ達も来るなら、それは楽しみだなぁ」
一通り机の準備を終えたところで「お邪魔します」と声がして戸が開いた。
「あ、ツナさん!こんにちは!」
「リボーン君、お誘いありがとう」
入ってきたのは制服のままの京子とハルだった。そしてそんな2人に手を引かれて、これまた制服のままのクロームとレイも店内に足を踏み入れる。
「お、お邪魔します」
「お邪魔します。本当に寿司屋だ……」
やや遠慮がちに挨拶するクローム、内装を興味深そうに眺めるレイという新顔2人も含め、剛は威勢のいい声で迎え入れた。
「おう、お嬢ちゃん達、いらっしゃい!」
高校生のグループは距離の関係で少し遅れるようで、先に中学生の面々、そして沢田家居候組を合わせて歓迎会は始まった。
「現時点でレイはボンゴレファミリーではない」というリボーンの判断で、幸いにもボンゴレ式歓迎会は発生せず、にぎやかな会食という普通の形に落ち着いている。
「獄寺君、大丈夫?」
「うーん、これだけ見事にひっくり返ったのは久しぶりかも」
ビアンキの強襲で意識を失った獄寺が座敷席に転がされている。その傍に炎真と並んで座り、ツナは茶を啜った。炎真は醤油のついた服の袖を「アーデルに怒られる……」とぼやきながら薫に渡されたお絞りで抑えている。
「そういえば瀬切君はキャバッローネなんだよね?ボンゴレに引き入れないの?」
「いや、そもそもオレはまだ継ぐと決めたわけじゃあ……」
「相変わらずだね」と炎真が笑う。
「ツナ君がどっちを選ぶかは自由だけど、それでもきっと瀬切君は
マフィアとして生きていくのかな」
子供のころからそこで生きてきたならなおのこと、と炎真は遠い目をする。過程や環境こそ大きく異なるが、家族を奪われてから『そう』生きる選択をしたという点で、レイは単にいとこである自分より炎真と境遇が似ているのではないか、と考えてしまう。
うつむくツナの肩を炎真が軽く叩く。
「でも僕みたいに何かを大きく間違ったわけでもないし、ああやって明るく笑えてる。キャバッローネのボスならファミリーを抜けても上手く生きていけるようにしてくれる人なんでしょ?だったら大丈夫だよ」
炎真の言葉に少し肩が楽になる。顔を上げて店内を見れば、レイは「ちょっとヒンヤリする不思議なUMA」とSHITT・P!に頬をつつかれたり、ビアンキがあの毒サソリと知って驚いたりと、主に女性陣と交流していた。
「にしても瀬切君すごいなぁ……、しとぴっちゃんに抱き着かれても顔色変わらないなんて」
「エンマ、レイは女子だよ」
尊敬するように呟く炎真に、もしやと思い伝える予想が的中したようで、炎真は「え」だの「ああ」だの言葉にならない音を漏らし始めた。
「失礼なことしちゃった……瀬切く……瀬切さん……」
「本人全然気にしてないし、もう『君』でいいと思うよ。獄寺君も山本もずっと間違えてたし」
先ほどとは打って変わって、うつむく炎真の肩をツナが笑いながら叩く。
表が少し騒がしくなり、戸が開いた。入ってきたのは並盛北高校の制服に身を包んだアーデルハイトとジュリー、そしてらうじだった。アーデルハイトは丁寧に剛に頭を下げながら、女性陣の中に飛び込もうとするジュリーを器用に抑えている。
足元をうろつくランボを抱え上げたらうじが店内に一歩入ると、その後ろからさらに人影が2つ増えた。騒がしさからすぐにわかる、了平と紅葉だ。
「バカめ!」「何を!」といつも通り言い合う2人の姿に、いち早く京子が反応する。
「あ、お兄ちゃん!」
駆け寄ってくる妹を見て、了平が言い合いにブレーキをかける。女性には紳士的な態度を崩さない紅葉も、同様に口を閉ざす。
入り口付近で笹川兄妹が会話をしている。そんな様子をどこか憧れるような、羨むような目で、レイは眺めていた。
レイの兄であるヒロヤと了平は見た目も性格も異なるタイプだ。それでも兄を失ったレイにとって、仲良く笑いあう兄妹の姿がどう映るか。
声を掛けようか思案しているうちに、了平が京子に腕を引かれてレイに近付く。さっそくボクシングに興味がないか質問してくる了平の勢いに押されながら、レイは苦笑いで対応をしている。その頃にはもうレイの表情から先ほどの暗い色は消えていた。