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学級活動を終え、クラスメイトは各々のスピードで帰宅準備を進めていく。始業式で午前のみ、更に今日は部活もないため急ぐ者はいない。いつもは早々に部活に向かう山本も、レイと話しながら帰り支度をしている。
イタリアで出会った当初から山本がよく話し掛けているからか、山本に対するレイの表情は初対面の頃に比べてかなり和らいでいる。本当にもったいないくらいのいい友人だよな、とツナの中の山本評価がまた上がった。
スクールバッグのファスナーを閉めていたら、ふと疑問が沸き上がる。レイはどこに住むのだろうか。そもそも何故突然日本に来たのか。
思い出されるのは虹の代理戦争が起きる直前のクロームだ。
まさかあの兄貴分に限って骸のように理由も説明せずに庇護下に置いていた存在を追い出すとは思えない。しかしマフィアの世界のあれこれで追い出さざるを得なかった、などという事情はないだろうか。『あれこれ』が何なのかはわからないが。
一人頭を悩ませているうちに視線も落ちて行った。
「ツナ?」
「ご気分が優れないですか?」
いつの間にか近くに立っていた山本と獄寺が心配そうに顔を覗き込んでいた。
「い、いや、何でもないよ!」
慌てて顔を上げると、教室にいとこの姿が見えないことに気付いた。それどころか生徒は自分達しかいない。
「あれ、レイは?」
「瀬切ならさっき笹川達に連れられてったぜ。ハルにも会わせるとかなんとか言ってたな」
「な、なるほど」
かわいらしい見た目ながらも意外と行動派な彼女達だ。レイは同世代の同性に慣れていないようだが、そんなことお構いなしに連れ去られていったのだろう。
本人がいないなら、と2人にさっき浮かんだ不安について話す。
「実はさ、レイはこっちでどこに住むんだろうって思って」
「ツナは何も聞いてねえの?」
「うん、そもそも日本に来ることも知らなかったよ」
「跳ね馬からも10代目に何の連絡もなしとは……」
獄寺の言葉に頷く。
「一人暮らしになるのかな……」
「んなわけあるか、当然お前んちだ」
「わっ!!」
背中側から聞こえた声にびくりと体を跳ねる。真後ろのロッカーの上に置かれていた誰のものとも知れない体操着入れがムクムクと立ち上がった。
「ちゃおっす」
「リ、リボーン!!お前またそんなとこに…」
呪いが解けて体がやや成長してからも、リボーンはこうして変装をして教室に紛れ込むことがあった。これは彼が大人の体になるまで続くのだろうか、気が休まらないから勘弁してもらいたい。
しかし今はそんなことよりも気になる言葉が耳に入った。
「あの、『お前んち』って」
「沢田家に人が増えるぞ」
大きな黒い目をパチリと瞬かせてリボーンは言う。
「ママンにはディーノが既に報告してるはずだ。家光の部屋が空いてるし、アイツは帰ってきても酒飲んでリビングか客間でひっくり返るか、ママンの部屋で寝るかだからな。家光本人がOKしたから問題ないぞ」
「ええ……うーん……」
思春期の女子が叔父の部屋を使うと言うのもどうかとは思うが、そうでなければリビングか、先客との相部屋になる。当人達が良ければそれで良いのだろう、多分。
首を傾げているうちにリボーンは変装を解いて山本の肩に乗った。去年より体が大きくなっているが、まだ人の肩には乗れるサイズのようだ。
「そんでだ。昼飯も兼ねて、今日は竹寿司でレイの歓迎会をするぞ」
「いつの間に!?」
「一昨日には予約してたぞ」
「だから昨日の夜から親父バタバタしてたのか」
なるほどなー、と山本がのんきな声で言った。
イタリアで出会った当初から山本がよく話し掛けているからか、山本に対するレイの表情は初対面の頃に比べてかなり和らいでいる。本当にもったいないくらいのいい友人だよな、とツナの中の山本評価がまた上がった。
スクールバッグのファスナーを閉めていたら、ふと疑問が沸き上がる。レイはどこに住むのだろうか。そもそも何故突然日本に来たのか。
思い出されるのは虹の代理戦争が起きる直前のクロームだ。
まさかあの兄貴分に限って骸のように理由も説明せずに庇護下に置いていた存在を追い出すとは思えない。しかしマフィアの世界のあれこれで追い出さざるを得なかった、などという事情はないだろうか。『あれこれ』が何なのかはわからないが。
一人頭を悩ませているうちに視線も落ちて行った。
「ツナ?」
「ご気分が優れないですか?」
いつの間にか近くに立っていた山本と獄寺が心配そうに顔を覗き込んでいた。
「い、いや、何でもないよ!」
慌てて顔を上げると、教室にいとこの姿が見えないことに気付いた。それどころか生徒は自分達しかいない。
「あれ、レイは?」
「瀬切ならさっき笹川達に連れられてったぜ。ハルにも会わせるとかなんとか言ってたな」
「な、なるほど」
かわいらしい見た目ながらも意外と行動派な彼女達だ。レイは同世代の同性に慣れていないようだが、そんなことお構いなしに連れ去られていったのだろう。
本人がいないなら、と2人にさっき浮かんだ不安について話す。
「実はさ、レイはこっちでどこに住むんだろうって思って」
「ツナは何も聞いてねえの?」
「うん、そもそも日本に来ることも知らなかったよ」
「跳ね馬からも10代目に何の連絡もなしとは……」
獄寺の言葉に頷く。
「一人暮らしになるのかな……」
「んなわけあるか、当然お前んちだ」
「わっ!!」
背中側から聞こえた声にびくりと体を跳ねる。真後ろのロッカーの上に置かれていた誰のものとも知れない体操着入れがムクムクと立ち上がった。
「ちゃおっす」
「リ、リボーン!!お前またそんなとこに…」
呪いが解けて体がやや成長してからも、リボーンはこうして変装をして教室に紛れ込むことがあった。これは彼が大人の体になるまで続くのだろうか、気が休まらないから勘弁してもらいたい。
しかし今はそんなことよりも気になる言葉が耳に入った。
「あの、『お前んち』って」
「沢田家に人が増えるぞ」
大きな黒い目をパチリと瞬かせてリボーンは言う。
「ママンにはディーノが既に報告してるはずだ。家光の部屋が空いてるし、アイツは帰ってきても酒飲んでリビングか客間でひっくり返るか、ママンの部屋で寝るかだからな。家光本人がOKしたから問題ないぞ」
「ええ……うーん……」
思春期の女子が叔父の部屋を使うと言うのもどうかとは思うが、そうでなければリビングか、先客との相部屋になる。当人達が良ければそれで良いのだろう、多分。
首を傾げているうちにリボーンは変装を解いて山本の肩に乗った。去年より体が大きくなっているが、まだ人の肩には乗れるサイズのようだ。
「そんでだ。昼飯も兼ねて、今日は竹寿司でレイの歓迎会をするぞ」
「いつの間に!?」
「一昨日には予約してたぞ」
「だから昨日の夜から親父バタバタしてたのか」
なるほどなー、と山本がのんきな声で言った。