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ビルダーと雨とダンス
サンドロックには珍しい雨の日だった。
あわてて倉庫に眠らせていた露コレクターを引っ張り出す。普段はワークショップが狭くなるからと置いていないが、こういった雨の日のために残してあった。
空いた場所に置けるだけ置いて、残りのスペースには桶を置いた。貴重な水を余すことなく回収する。
ザアザアと、降る雨の中、一人でそうしていた。
きっと街のみんなも大騒ぎしていることだろう。
雨なんて、ハイウィンドの頃はむしろ憂鬱なものだったのに、すっかりサンドロックに染まった自分に気づく。
体を冷たく濡らす水が、とても心地よかった。
服が水を吸って重たく肌に張り付く。
サンドロックにきてからは満足にシャワーも浴びていなかったことを思い出して、いっそ全身洗い流してしまおうと、踊るように回ってみる。
視界の悪い今だからこその大胆さだった。
ダンスのステップは忘れていなかった。
サンドロックで開催されたダンス大会を思い出す。音楽に合わせてみんなでステージの上を踊り明かす時間を再現するように、思うがまま体を動かす。
雨の音にリズムを合わせて、重たい体を置き去りにして、世界の中心になったような気分だった。
もう当分雨は降らないだろう。
だから今だけは、すべてを忘れてこの雨に溺れていよう。
「……」
そうして、一人の観客の存在に気付かないまま、雨が止むまでダンスを続けた。
そんな雨の日の、ちょっと恥ずかしい話だ。
終わり
サンドロックには珍しい雨の日だった。
あわてて倉庫に眠らせていた露コレクターを引っ張り出す。普段はワークショップが狭くなるからと置いていないが、こういった雨の日のために残してあった。
空いた場所に置けるだけ置いて、残りのスペースには桶を置いた。貴重な水を余すことなく回収する。
ザアザアと、降る雨の中、一人でそうしていた。
きっと街のみんなも大騒ぎしていることだろう。
雨なんて、ハイウィンドの頃はむしろ憂鬱なものだったのに、すっかりサンドロックに染まった自分に気づく。
体を冷たく濡らす水が、とても心地よかった。
服が水を吸って重たく肌に張り付く。
サンドロックにきてからは満足にシャワーも浴びていなかったことを思い出して、いっそ全身洗い流してしまおうと、踊るように回ってみる。
視界の悪い今だからこその大胆さだった。
ダンスのステップは忘れていなかった。
サンドロックで開催されたダンス大会を思い出す。音楽に合わせてみんなでステージの上を踊り明かす時間を再現するように、思うがまま体を動かす。
雨の音にリズムを合わせて、重たい体を置き去りにして、世界の中心になったような気分だった。
もう当分雨は降らないだろう。
だから今だけは、すべてを忘れてこの雨に溺れていよう。
「……」
そうして、一人の観客の存在に気付かないまま、雨が止むまでダンスを続けた。
そんな雨の日の、ちょっと恥ずかしい話だ。
終わり
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