エルデナ王国物語
のあさんとうりに回復魔法をかけたところで完全に意識を失った私は
雪山に遭難したかのように体は芯から冷たくなっていき追い打ちをかけるように全身に痛みを感じていた。
血の気が引いていき、私の思いとは裏腹に瞼を開けることができなかった。
――私、このまま死んじゃうのかな…。
走馬灯のように、幼いころの記憶がよみがえってきた。
そのころ私は浮遊魔法の練習をしていて早く上達したいと師匠のもふくんの目を盗んで練習していた。
浮遊魔法は失敗すると大きな怪我をするかもしれないからと必ず師匠(もふくん)が見ているところでしか使ってはいけない
と言われていたのに、じゃぱぱ王に呼びだされたもふ君とのあさんを待っているときにこっそりとエルデナ城の裏庭で練習をしていたのだ。
そのときはじめてオークの木の背丈ほどまでの浮遊できたことに喜びを感じていた。
着陸してまた浮遊の練習をしようと思い地に視線を向けたとき当時、じゃぱぱ王に剣術の弟子入りをしていた少年ゆあんくんが声をかけてきた。
「魔法ってすっげー!!空も飛べるんだな!」
「うん!すごいっしょ」
赤眼をキラキラと輝かせながら空を飛ぶ私に向かって言ってくるゆあんくんに私は得意げに答えた。
けれどその油断が良くなかった。
浮遊魔法で重要な微妙な魔力の制御が効かなくなり地面に向かって落下していったのだ。
「きゃぁ」
「あぶない!!」
5,6メートル下の地上に叩きつけられる痛みを覚悟した私は強く目を瞑りその時を待っていた。
でも私を待っていたのは地面に打ちつけらえる痛みではなく
少しの衝撃と柔らかいクッションに飛び込んだ時のような感覚だった。
「いっ…て――」
固く閉じた瞳をあけるとそこには少年ゆあんくんが私を地上で受け止め
私を抱き留めたまま地面に座り込んでいたのだ。
ゆあんくんの頬には私が落下した拍子で折れてしまったオークの枝でできてしまった切り傷とそこから血が流れていた。
「ゆあんくん!血が!」
私は思わず叫んだ。
ゆあんくんはエルデナ大国にとって大事な人だ。
この国の住人だったら幼い子供でも知っている未来の『勇者』。
そんな人を私のせいで怪我をさせてしまったことへの申し訳なさと、自分の未熟さが招いた情けなさで目頭が熱くなってきた。
「俺は大丈夫だよ」
「でも……」
私は血を流しているゆあんくんの頬に手を当てて治癒魔法をかけた。かすり傷程度ならすでに治せるまで習得していたからだ。
治癒をしながら涙が次から次へと流れてくる。
「俺は大丈夫だよ。ほら、いまえとさんが魔法をかけてくれたしね」
「私のせいでごめんなさい……」
「大丈夫だって。それよりもえとさんのは痛いところない?
えとさんは頑張りすぎて、辛いのも、痛いのも我慢するところあるから
俺はそっちのほうが心配だよ……。自分も大事にしてね。」
ゆあんくんは泣いている私を安心させようと満面の笑みで笑いかける。
幼いころ私の家族は村のはやり病で幼い私を残してこの世を去ってしまった。
それを救ってくれたじゃぱぱ王、師匠のもふくん、のあさん、たっつんには早く成長して恩返しをしたいと強く思っている。
そんな人たちが大事にしているこの国にとって大事な存在であるゆあんくんや
同じような悲しみを背負い、同じ目の色をしている兄妹のようなうりを支えられる存在になるためには
自分はもっともっとつらい修行も我慢して、もっと頑張らなければならないと思っていた。
でも、ゆあんくんのやさしい言葉をかけられて緊張がほどけてしまい
思わず漏れてしまった本音――――。
「本当は落ちるときにオークの木に腕をぶつけて痛かったの――。」
目から、はらはらと涙がこぼれた。
「そっか……。俺は魔法が使えないから、怪我した時に母さんがしてくれたおまじないを……」
そう言って少年ゆあんくんは、私の髪をやさしく撫でると頬にできた涙の跡に『チュッ』とリップ音をたててキスをした。
そしてコツン..と私のおでこと自分のおでこを合わせて目を閉じて
「痛いのが飛んでいきます様に...」
おまじないの言葉唱えてくれたのだ。
私はゆあんくんの行動に驚き、言葉を発することもできず
目を見開いて彼の真っ黒な長いまつ毛を見ていたのを覚えている。
少しの沈黙の後、少年ゆあんくんはハッとした表情をしたかと思ったらみるみるうちに顔を真っ赤にして、私を背負いじゃぱぱ王ともふくんとのあさんがいるところまで走ってくれたのだ。
そのあと・・・
約束を破って浮遊魔法を練習したことをもふくんから叱られ・でもオークの木の高さまで飛べたことを抱きかかえて褒めてもらい。
落下したことと、腕の怪我をとても心配したのあさんが私よりも子供のように泣きじゃくって強く抱きしめヒールで治療をしてもらい。
心配させて申し訳ない気持ちと 心配してくれる喜びを同時にかみしめることになった。
もふくんに抱きかかえられたまま、じゃぱぱ王に「よく、えとさんを守ったな!」と褒められ照れくさそうにしているゆあんくんと目が合うと
心の奥のほうでトクン…と脈打つものを感じた。
先ほどのゆあんくんの笑顔とおまじないを思い出し、じわじわと頬が熱くなっていくのを感じるので私は思わずもふくんの首に手を回し、ぎゅっと顔をうずめたのだった。
雪山に遭難したかのように体は芯から冷たくなっていき追い打ちをかけるように全身に痛みを感じていた。
血の気が引いていき、私の思いとは裏腹に瞼を開けることができなかった。
――私、このまま死んじゃうのかな…。
走馬灯のように、幼いころの記憶がよみがえってきた。
そのころ私は浮遊魔法の練習をしていて早く上達したいと師匠のもふくんの目を盗んで練習していた。
浮遊魔法は失敗すると大きな怪我をするかもしれないからと必ず師匠(もふくん)が見ているところでしか使ってはいけない
と言われていたのに、じゃぱぱ王に呼びだされたもふ君とのあさんを待っているときにこっそりとエルデナ城の裏庭で練習をしていたのだ。
そのときはじめてオークの木の背丈ほどまでの浮遊できたことに喜びを感じていた。
着陸してまた浮遊の練習をしようと思い地に視線を向けたとき当時、じゃぱぱ王に剣術の弟子入りをしていた少年ゆあんくんが声をかけてきた。
「魔法ってすっげー!!空も飛べるんだな!」
「うん!すごいっしょ」
赤眼をキラキラと輝かせながら空を飛ぶ私に向かって言ってくるゆあんくんに私は得意げに答えた。
けれどその油断が良くなかった。
浮遊魔法で重要な微妙な魔力の制御が効かなくなり地面に向かって落下していったのだ。
「きゃぁ」
「あぶない!!」
5,6メートル下の地上に叩きつけられる痛みを覚悟した私は強く目を瞑りその時を待っていた。
でも私を待っていたのは地面に打ちつけらえる痛みではなく
少しの衝撃と柔らかいクッションに飛び込んだ時のような感覚だった。
「いっ…て――」
固く閉じた瞳をあけるとそこには少年ゆあんくんが私を地上で受け止め
私を抱き留めたまま地面に座り込んでいたのだ。
ゆあんくんの頬には私が落下した拍子で折れてしまったオークの枝でできてしまった切り傷とそこから血が流れていた。
「ゆあんくん!血が!」
私は思わず叫んだ。
ゆあんくんはエルデナ大国にとって大事な人だ。
この国の住人だったら幼い子供でも知っている未来の『勇者』。
そんな人を私のせいで怪我をさせてしまったことへの申し訳なさと、自分の未熟さが招いた情けなさで目頭が熱くなってきた。
「俺は大丈夫だよ」
「でも……」
私は血を流しているゆあんくんの頬に手を当てて治癒魔法をかけた。かすり傷程度ならすでに治せるまで習得していたからだ。
治癒をしながら涙が次から次へと流れてくる。
「俺は大丈夫だよ。ほら、いまえとさんが魔法をかけてくれたしね」
「私のせいでごめんなさい……」
「大丈夫だって。それよりもえとさんのは痛いところない?
えとさんは頑張りすぎて、辛いのも、痛いのも我慢するところあるから
俺はそっちのほうが心配だよ……。自分も大事にしてね。」
ゆあんくんは泣いている私を安心させようと満面の笑みで笑いかける。
幼いころ私の家族は村のはやり病で幼い私を残してこの世を去ってしまった。
それを救ってくれたじゃぱぱ王、師匠のもふくん、のあさん、たっつんには早く成長して恩返しをしたいと強く思っている。
そんな人たちが大事にしているこの国にとって大事な存在であるゆあんくんや
同じような悲しみを背負い、同じ目の色をしている兄妹のようなうりを支えられる存在になるためには
自分はもっともっとつらい修行も我慢して、もっと頑張らなければならないと思っていた。
でも、ゆあんくんのやさしい言葉をかけられて緊張がほどけてしまい
思わず漏れてしまった本音――――。
「本当は落ちるときにオークの木に腕をぶつけて痛かったの――。」
目から、はらはらと涙がこぼれた。
「そっか……。俺は魔法が使えないから、怪我した時に母さんがしてくれたおまじないを……」
そう言って少年ゆあんくんは、私の髪をやさしく撫でると頬にできた涙の跡に『チュッ』とリップ音をたててキスをした。
そしてコツン..と私のおでこと自分のおでこを合わせて目を閉じて
「痛いのが飛んでいきます様に...」
おまじないの言葉唱えてくれたのだ。
私はゆあんくんの行動に驚き、言葉を発することもできず
目を見開いて彼の真っ黒な長いまつ毛を見ていたのを覚えている。
少しの沈黙の後、少年ゆあんくんはハッとした表情をしたかと思ったらみるみるうちに顔を真っ赤にして、私を背負いじゃぱぱ王ともふくんとのあさんがいるところまで走ってくれたのだ。
そのあと・・・
約束を破って浮遊魔法を練習したことをもふくんから叱られ・でもオークの木の高さまで飛べたことを抱きかかえて褒めてもらい。
落下したことと、腕の怪我をとても心配したのあさんが私よりも子供のように泣きじゃくって強く抱きしめヒールで治療をしてもらい。
心配させて申し訳ない気持ちと 心配してくれる喜びを同時にかみしめることになった。
もふくんに抱きかかえられたまま、じゃぱぱ王に「よく、えとさんを守ったな!」と褒められ照れくさそうにしているゆあんくんと目が合うと
心の奥のほうでトクン…と脈打つものを感じた。
先ほどのゆあんくんの笑顔とおまじないを思い出し、じわじわと頬が熱くなっていくのを感じるので私は思わずもふくんの首に手を回し、ぎゅっと顔をうずめたのだった。