主人公の名前
19
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煙草の臭いが充満する部屋には、静かにベッドの軋む音、それからシーツの擦れる音が響く。男は女の手首を彼女の頭上で器用に縛り、跨っていた。女はこれから始まる男女の営みに期待を寄せやや興奮気味に早く…と求める。男はそれに応えるように、顔を女の方へと近づけるが、唇が触れるその数ミリ手前で止まった。
「はぁ……ディ・モールト残念だよ、君はかなりいい母親になれたかもしれないのにな」
「……え?何を…、」
「あぁ仕方が無いのは分かっているさ…君は今回のターゲットだからね。情報、馬鹿みたいに教えてくれてありがとう」
男、メローネはそう女に冷たくに言い放ち、ベイビィ・フェイスで彼女の腹部、両目さらには喉をくり抜くと、ターゲットであった女は苦しくもがくも、遂に生き絶えた。メローネはくり抜いたそれらを手に取り、まるでボールのように上へ投げては落ちてきたそれをキャッチするように遊び始める。
今回の彼の任務は、ターゲットから必要な情報を聞き出す、それが終われば始末するという単純な任務。しかし全てを吐かせるにはある程度の“距離”が必要だった為に、メローネは手っ取り早く、しかしながら不本意にも彼女と何度か身体を重ねていた。女に気のある男を演じていたのだ。とは言え、彼にとっては女性などただのスタンドに必要な母体か性欲処理でしかなく、都合がいいと言えば良かったのかもしれない。何もこのような身体を使った任務は今回が初めてではないのだから。
「…プロント。あ、リーダー?任務終わった……あぁ、大丈夫大丈夫…」
メローネは任務を終えた事をリゾットへ連絡していた。しかし彼が電話をしている横にはターゲットの死体が無残にも残っており、しかもくり抜いたそれらも転がっている為、とても異様ではある。
「今から帰るよ……でもちょっと寄りたい所あるからそこ寄ってから……うん、海莉の所。今日バイトだろ?あぁ、じゃあまた」
電話を切るや否や、メローネはベイビィ・フェイスを解除して、急ぎ足で部屋を後にする。その時の彼の顔に微かな笑顔が浮かんでいた。
ーーーーーーーーーーーー
バイト先でのあの出来事があった以来、海莉に好意を寄せていたジョットはバイトを辞めていた。職場では1番話す子であったために海莉にとってはちょっぴり寂しい、なんて思うが彼の気持ちを考えると確かにここではもう働き辛いかもしれない。辞める直前に彼からも挨拶があったし、まぁいつかまたどこかで会えるだろう、なんて期待も少しはしている。
さて、海莉はと言うとお客も少なくなって暇していた。とりあえずケーキの補充でもしておこうかとキッチンへ向かおうとすると、カラン…とドアの鈴が鳴る。
「いらっしゃいま……め、メローネ!?」
「チャオ。って、何だよその反応は〜」
「だって、にん……仕事じゃ…」
「終わったからここに来たんだろ?」
メローネはエスプレッソを1つだけ頼むとさっさと席に着いた。ここのところ、彼は任務に出ずっぱりであまりアジトでも見かけなかったのだ。正直久し振りにまともに会ったといっても過言ではない程である。チラリと彼を見れば、なんだか少し窶れているような、そうでもないような。それから任務続きで疲れているのか、ボーッとしている。今回彼が一体どんな任務を請け負ったのかは知らないが、良いものではないのだけは海莉にもはっきりわかる。
「はい、エスプレッソです」
「グラッツェ…何だこれ、頼んでないけど?」
エスプレッソと、なぜかそこには可愛らしいイチゴのケーキも一緒に添えられていた。メローネは頼み覚えのないそれを見て首を傾げる。
「サービスでーす」
「ふぅーん…優しいね海莉。ありがたくいただくよ」
「……メローネ、疲れてるでしょ…。早くアジトに帰って休んだ方がいいんじゃあない?」
よく見ると顔色も優れない。目元が特に酷かった。それでも顔の良さは崩れていないのが不思議でならない。メローネはエスプレッソを口に含み、ため息をひとつ零し頬杖をつく。
「俺は君に会いにここへ来たのに、帰れなんて…酷すぎる」
「…うっ。会いに来てくれたのは嬉しいけどさ…倒れられても私が嫌なの!」
「自分の体調くらい自分が分かってるよ。それに海莉、もうすぐ上がりだろ?なら一緒に帰ろう」
その時間までここでゆっくりさせてもらう。そう言って、メローネはまた一口、エスプレッソを飲み、イチゴのケーキにフォークを刺した。本人がそう言うのであれば、海莉はこれ以上何も言うことが出来なかったので、とにかくバイトが終わる時間まで待ってもらう事にした。キッチンに戻れば、またも女性スタッフに囲まれて質問攻めに合う。貴女の本命はこっちの金髪の人なのかとか、何の仕事してる人なのとか、どうしてあんなイケメンと友達のままでいられるのよとか。そんな質問に、適当に…しかし嘘をつかない程度に返す。ここへ来た事のないメンバーがあと数人。もし来る事があれば毎回こうして質問攻めにされるのかと思うと、海莉にとっては憂鬱でしかなった。
「はぁ……ディ・モールト残念だよ、君はかなりいい母親になれたかもしれないのにな」
「……え?何を…、」
「あぁ仕方が無いのは分かっているさ…君は今回のターゲットだからね。情報、馬鹿みたいに教えてくれてありがとう」
男、メローネはそう女に冷たくに言い放ち、ベイビィ・フェイスで彼女の腹部、両目さらには喉をくり抜くと、ターゲットであった女は苦しくもがくも、遂に生き絶えた。メローネはくり抜いたそれらを手に取り、まるでボールのように上へ投げては落ちてきたそれをキャッチするように遊び始める。
今回の彼の任務は、ターゲットから必要な情報を聞き出す、それが終われば始末するという単純な任務。しかし全てを吐かせるにはある程度の“距離”が必要だった為に、メローネは手っ取り早く、しかしながら不本意にも彼女と何度か身体を重ねていた。女に気のある男を演じていたのだ。とは言え、彼にとっては女性などただのスタンドに必要な母体か性欲処理でしかなく、都合がいいと言えば良かったのかもしれない。何もこのような身体を使った任務は今回が初めてではないのだから。
「…プロント。あ、リーダー?任務終わった……あぁ、大丈夫大丈夫…」
メローネは任務を終えた事をリゾットへ連絡していた。しかし彼が電話をしている横にはターゲットの死体が無残にも残っており、しかもくり抜いたそれらも転がっている為、とても異様ではある。
「今から帰るよ……でもちょっと寄りたい所あるからそこ寄ってから……うん、海莉の所。今日バイトだろ?あぁ、じゃあまた」
電話を切るや否や、メローネはベイビィ・フェイスを解除して、急ぎ足で部屋を後にする。その時の彼の顔に微かな笑顔が浮かんでいた。
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バイト先でのあの出来事があった以来、海莉に好意を寄せていたジョットはバイトを辞めていた。職場では1番話す子であったために海莉にとってはちょっぴり寂しい、なんて思うが彼の気持ちを考えると確かにここではもう働き辛いかもしれない。辞める直前に彼からも挨拶があったし、まぁいつかまたどこかで会えるだろう、なんて期待も少しはしている。
さて、海莉はと言うとお客も少なくなって暇していた。とりあえずケーキの補充でもしておこうかとキッチンへ向かおうとすると、カラン…とドアの鈴が鳴る。
「いらっしゃいま……め、メローネ!?」
「チャオ。って、何だよその反応は〜」
「だって、にん……仕事じゃ…」
「終わったからここに来たんだろ?」
メローネはエスプレッソを1つだけ頼むとさっさと席に着いた。ここのところ、彼は任務に出ずっぱりであまりアジトでも見かけなかったのだ。正直久し振りにまともに会ったといっても過言ではない程である。チラリと彼を見れば、なんだか少し窶れているような、そうでもないような。それから任務続きで疲れているのか、ボーッとしている。今回彼が一体どんな任務を請け負ったのかは知らないが、良いものではないのだけは海莉にもはっきりわかる。
「はい、エスプレッソです」
「グラッツェ…何だこれ、頼んでないけど?」
エスプレッソと、なぜかそこには可愛らしいイチゴのケーキも一緒に添えられていた。メローネは頼み覚えのないそれを見て首を傾げる。
「サービスでーす」
「ふぅーん…優しいね海莉。ありがたくいただくよ」
「……メローネ、疲れてるでしょ…。早くアジトに帰って休んだ方がいいんじゃあない?」
よく見ると顔色も優れない。目元が特に酷かった。それでも顔の良さは崩れていないのが不思議でならない。メローネはエスプレッソを口に含み、ため息をひとつ零し頬杖をつく。
「俺は君に会いにここへ来たのに、帰れなんて…酷すぎる」
「…うっ。会いに来てくれたのは嬉しいけどさ…倒れられても私が嫌なの!」
「自分の体調くらい自分が分かってるよ。それに海莉、もうすぐ上がりだろ?なら一緒に帰ろう」
その時間までここでゆっくりさせてもらう。そう言って、メローネはまた一口、エスプレッソを飲み、イチゴのケーキにフォークを刺した。本人がそう言うのであれば、海莉はこれ以上何も言うことが出来なかったので、とにかくバイトが終わる時間まで待ってもらう事にした。キッチンに戻れば、またも女性スタッフに囲まれて質問攻めに合う。貴女の本命はこっちの金髪の人なのかとか、何の仕事してる人なのとか、どうしてあんなイケメンと友達のままでいられるのよとか。そんな質問に、適当に…しかし嘘をつかない程度に返す。ここへ来た事のないメンバーがあと数人。もし来る事があれば毎回こうして質問攻めにされるのかと思うと、海莉にとっては憂鬱でしかなった。