主人公の名前
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「えっと…改めて…ご迷惑をおかけしました…」
騒動も落ち着いた所で、アジトに戻るとリゾットとギアッチョは任務を終わらせて既に戻っていた。それからソルベとジェラートもリビングで寛いでいる。
「海莉、今回色々とお前の異変に気付いて発言したのはペッシだ。礼を言ってやれ」
「そうなんですか?ペッシくんありがとう」
「あ、いや、俺は別に…。とにかく海莉が元に戻ってよかったよ。おかえり」
にこーっと屈託無く笑ってペッシが言うものだから、海莉の心はきゅん…と静かに音を立てて彼をぎゅーっと抱きしめた。ペッシは予想外の出来事に顔を茹でダコのように赤くさせ固まった。そんなペッシを見兼ねてリゾットはペッシを離すように彼女に言う。
「今後のバイトの事だが…」
「リゾットさん!!今回の件に関しては本当にご迷惑と心配をおかけしてすみませんでした!!人と極力関わらないという約束も守れなくて…でも…でもやっぱり私はまたバイトは続けたくて…その、」
最初に約束した事も守れずギャング絡みではないとは言え、騒動を起こしてしまった。だからバイトはもうやめろと言われると彼女は思ったのだろう。深く頭をさげて、バイトは続けたいその気持ちを伝える海莉の頭をリゾットはぽんと頭を撫でた。
「…話は最後まで聞け。外部で仕事をする以上人との接触をゼロにするには無理だ、それは俺たちだって分かっている。海莉の人柄を考えると尚更な」
「…リゾットさん、」
「とにかくお前が無事でよかった。それは俺たち全員が思っている」
微かに口角をあげて笑うリゾット。他のメンバー全員もよかったなという表情で彼女を見ていた。本来ならやめろと言われてもおかしくはないはずだったのに。自分は思っている以上に彼らに愛されているのかもしれない…なんてほんのちょっとだけ自惚れてもいいだろうか。
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お風呂も済ませて、髪をタオルで拭き少し濡れた髪のまま海莉はベッドへと寝転がった。そこでふと、最近こうしてベッドの上に寝転がった時に誰かに何かを言われたような、そんな少し曖昧な記憶を辿るが思い出せない。もしかしたらあのトラブルの最中にそんな事があったのかなぁなんてぼんやり考えていると、部屋の扉が開いた。
「あれ、プロシュートさん」
「髪はちゃんと乾かしてから寝ろよ」
「今からやろうと思ったんですぅ!」
プロシュートはつかつかと部屋に入るなり、海莉を見つめてから腕を掴み自身の目の前に立たせた。何をされるのか分からない彼女はただただ驚くしかなかった。
「後ろ向け」
「は、はい!!」
海莉はくるりと後ろを向いて、一体何をされるのかドキドキと心臓を鳴らしていると、首筋あたりに何かヒヤッとした物が当てられ、思わず肩が上がった。すると自身の鎖骨あたりには、小さな花びらが重なりあってできた薄いピンクの花と、その下にはホワイトパールのビーズが飾られているとても可愛らしいネックレスがあった。プロシュートはそれが着け終えると、お互いが向かい合うようこっちを向けと言った。
「……似合ってる」
「……何でこんな、突然…」
「お前、一緒に出かけた日までは覚えてるって言ってよな?その日買ってたんだよ。アジトに戻ったらサプライズであげようと思ったんだが、他の男の所に行くわで参ったぜ」
「ご、ごめんなさい!」
「いや…謝るのは俺は方だ。本来なら気づけたはずだ、お前の様子が変だって事に」
でも気づけなかった。正直彼女にとって自分は結構大きな存在になっていると思っていた。自分だけでなく他のメンバーもそうだが。しかしあの時、俺やましてやメンバーの事でなくあの男の方を意識して服や靴やらを選んでいたのかと思うと、とても平常ではいられなかった。今思えば、子どもみたいに嫉妬していたのかもしれない。
「良いんです、結果こうして戻れましたから!!それとこれ、凄く可愛いです、ありがとうございます。大切にします!!」
「………海莉よぉ」
プロシュートはふと思い出す。
「イルーゾォの事彼氏だとか言ったらしいな」
「あー…あの時は咄嗟の言い訳でポロっと…」
「分かっている、理由は分かっている。が…」
プロシュートは海莉に近づくと彼女も少しずつ後ろへ後退していく。しかし直ぐ後ろにはベッドがあり逃げられずそこへ座り込んだ。
「次からはアイツじゃあなくて俺だと言え」
「いやいや無理ですよ!!プロシュートさんの名前をつかうなんて恐れ多いというか…!今度は彼氏とは言わず誤魔化せる別の何かを…」
ちらっとプロシュートの顔を見ると、彼は楽しそうに笑っていた。あぁ、これは絶対にからかって遊んでいる。そう感じた海莉は口をへの字にして拗ねながら痛くない程度に彼の頬をつねった。
「私をからかって遊ぶのやめて下さいー!」
「からかってねぇよ。俺はいつもマジだ」
「絶対嘘だ」
「……拗ね方がガキだな」
「どうせプロシュートさんにとっては子どもですよ…」
「…海莉」
そっぽを向いて拗ねていたら名前を呼ばれたので彼女は素直に顔をそちらに向ける。すると彼はニヤリと笑って、いつも綺麗で美しいその顔がたしかに彼女へと近づいていった。海莉の唇ギリギリにプロシュートの唇が触れていた。そして、わざとらしく音を立てて離れていく。彼女の時がぴたりと止まった。
「スタンド能力とは言え、あの時俺を振った罰だ。それからそのネックレスは俺とのデート以外は絶対につけるなよ」
「………………、」
プロシュートはさらにネックレスに口付けてから、彼女の部屋を後にした。
自分が今何をされたのか、さっぱり状況が理解できない海莉だったが、それでも唇が離れた時のあの生々しい音が耳から離れず思い出すたびに胸は音を立てていた。今暑いと思ってしまうのは、風呂上がりだからと、気温のせいだからと自らに言い聞かせる。
しばらく海莉の部屋から謎の奇声が聞こえきたらしい。