主人公の名前
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冷蔵庫の中身を確認してから買い物に出かけようと思い、自室から出て一階へ続く階段を降りアジトと言う名のリビングへ顔を出す。静まったリビングにはカタカタという音が響いていた。目立つ金髪頭のメローネはソファに座り何かをいじっているようで、気になってしまった海莉は、そーっと彼に近づいてそれをのぞいてみた。何やら彼はパソコンのようなものをいじっていた。彼女に気がついたメローネは、下を向いていた頭をあげて、垂れていた髪を耳にかける。本当に、綺麗で羨ましい髪だ。
「なに?気になる?」
「うん。何してるのかなーって思って」
「仕事さ。次の任務に備えてね」
「あー…、邪魔してごめんなさい」
「いや?そんな事はない。好きなだけ見るといい」
座りなよ、そう彼に促され言葉に甘え海莉はメローネの隣に少しだけ空間を空けて腰を下ろした。よく見ると、彼が今使っているパソコンには顔のようなものがあって、少し不気味なデザイン。自分が知っているパソコンのキーボードとは並びが違っていた。もしかしなくても、これは。
「……メローネ、それってあなたのスタンドだったり、する?」
「あぁ、そうだぜ。ベイビィ・フェイスっていうんだ」
「へぇー…形もいろいろあるんだねぇ…」
スタンド能力は様々というのは最近分かってきたが、その形も人によって変わっているらしい。ホルマジオのリトル・フィート、それからイルーゾォのマン・イン・ザ・ミラー、そして自分のスタンドも人の形をしていた。ゆえに基本的にそういったものだと勝手に思っていたが、実はそんな事もないようだ。だがよくよく考えると自分のスタンドは人型ではあるが、どことなく子どもの女の子のような姿をしていた。人型の中でもやはり個体差はいくらかあるのかもしれない。
メローネが淡々と作業する姿を見ても、一体彼が何をやっているのかはさっぱり分からない海莉だったが、それでも見るのをやめなかった。ただ単に興味があったからだ。彼が行なっている事が一体どう仕事に繋がるのかを。本当なら直接メローネに聞けばいいのだが、流石に仕事中の彼に口を挟む事など出来ない。だからこうして黙って見るのだ。
「海莉は、良い母親にはなれないな…」
「…は?」
突然呟いた言葉に、思わず疑問を零してしまった。母親にはなれない、彼の放った言葉が理解できずにいる。
「俺のスタンドは、母親に息子を産ませる事ができるんだ。その母親と俺の教育次第で性格とか諸々の能力が決まるんだがな…」
「……はぁ、」
ベイビィ・フェイスの簡単な説明をざっと受けたが、パソコンというファーストインプレッションからかけ離れた能力であり、理解するまで時間がかかった。いいベイビィを産ませる為にはある程度素行の悪い人だったり、お酒やタバコ、場合によっては麻薬などやっている女性が良いようだ。残念ながらというか、当たり前だが海莉は薬はもちろん、お酒やタバコも好んでおらず、性格も決して野蛮ではない。つまり先程彼が言いたかった事は暗殺として役立ちそうなベイビィを産むには、海莉は無理だと言いたいのだろう。
「ま、君の健康状態だけならディ・モールトベネだな」
「嬉しいような嬉しくないような…」
「大丈夫だ。どっちにしろ君を母親にする気は最初からない。ベイビィは生まれると母親を殺してしまう」
「そう、なんだ…」
なら余計に母親になれなくて良かったよ、と心の中でぽつりと思った。
メローネは再び手を動かし始める。パソコンの側に置いていた恐らく次のターゲットの詳細が記載されているであろう資料を見ながら、器用にキーボードを操作して作業を進めるのを海莉は黙って隣で見る。それが30分ほど続いた。漸くひと段落着いたメローネは大きく伸びをする。そんなメローネに海莉はエスプレッソを差し出し、お疲れ様と一言声をかける。
「グラッツェ海莉。意外と気がきくね」
「意外とって何、意外とって」
「ところで、さっきベイビィの話をして思ったんだが…俺と君の間に生まれる子どもは一体どんな子だろうな」
「…………それってスタンドの話?」
「違う、人間の子どもの話」
これはまたとんでもない話題が出たものだ。えぇ…と悩む海莉をどこか楽しそうに見ているメローネ。
「…とりあえず顔のパーツとかは全部あなたに似た方がいいんじゃないかな。それから髪も。綺麗な金髪で…それなら女の子と男の子どっちも可愛いよ、きっと、うん」
「成る程、でもそれだと君の要素は?」
「無くていい。強いて言うなら性格とかでいいよ」
本当に生むわけじゃあないのだから、真面目に考えても馬鹿みたいだと気づいた海莉はどうでも良さげに適当に答えてから、先程淹れたエスプレッソを口にする。彼女の適当な答えに不満を覚えたメローネは子どものように拗ねた表情を浮かべた。
「…手っ取り早く、試してみようか?」
「……えぇ?どうやって?スタンドで?出来るの?」
「はっ!まさか」
ジリジリと確実に距離を詰めてくるメローネに対し、何らかの危険を察知した海莉も同じように彼から距離を取るように後ろに後退していく。
「試す方法はあるだろう。俺と君の、ココでな」
「…、」
伸びてきた彼の腕は、ぬるっと海莉の子宮ギリギリのお腹のあたりを触る。その何とも言えない手つきにぞわりと鳥肌が一瞬でたち、海莉は叫ぶなどの言葉よりも体が勝手に反応し、思い切り後ろへ後退した。だが2人はソファの上。後退した先には何も無くただ床へとそのまま落下してしまった。勢い良く転げ落ちた為、ドカッと大きな音がアジトに響き、たまたま一階へ降りてきていたイルーゾォが何事だという表情で顔を出した。
「……何やってんだよお前ら」
「イイイイルーゾォさん!!」
落ちた衝撃で頭を軽く打ったが、その痛みを忘れる程今の出来事は海莉にとっては物凄く非常事態であった。すぐ様イルーゾォの背中へとまわり身を潜めメローネに対して警戒態勢をとる。
「お、おい!!何なんだよマジで…」
「メメ、メローネが…!!私のお腹を…!!」
「触っただけだろう?」
「触った事が問題なの!!バカ!!」
「お前…腹触られただけで一々騒ぐなよ」
アホらしい、と一言付け加えてイルーゾォはキッチンへと向かっていった。隠れられる壁が去って行ってしまったので、メローネからこちら側は当たり前だが丸見えである。特に悪びれる様子なく平然とした表情でソファに座って、ひらひらと手を振るメローネに海莉は睨みつけた。確かにお腹を触られただけ、この文字列を見ればそんな事か、という気持ちになるのはよく分かるがでも彼の触り方がなんというか物凄くエロいというか、手慣れた感じがしたし、何よりもその時のメローネの顔がとても扇情的で冗談には思えなかった。
「ほら、もう何もしないからこっちに座りなよ」
「絶対にイヤ!!!」
ぽんぽんと、まるで子どもに言うようにソファを叩く。ニヤニヤと笑う彼は海莉をからかって楽しんでいるのだろう。
顔がとても綺麗でとっても整っていて、爽やかそうなかっこいいイケメン。そんな一番最初に抱いたメローネの印象は最近になって崩れ始めていて、彼は実はそんな印象とかけ離れた人なのではないかと感じていた。
メローネが一体どんな人なのか、本性を知るのはあと少しという事をもちろん今の海莉に分かるはずもなく、ジリジリと近づいてくるメローネからまたイルーゾォの背中を盾にして海莉は逃げるのであった。
「なに?気になる?」
「うん。何してるのかなーって思って」
「仕事さ。次の任務に備えてね」
「あー…、邪魔してごめんなさい」
「いや?そんな事はない。好きなだけ見るといい」
座りなよ、そう彼に促され言葉に甘え海莉はメローネの隣に少しだけ空間を空けて腰を下ろした。よく見ると、彼が今使っているパソコンには顔のようなものがあって、少し不気味なデザイン。自分が知っているパソコンのキーボードとは並びが違っていた。もしかしなくても、これは。
「……メローネ、それってあなたのスタンドだったり、する?」
「あぁ、そうだぜ。ベイビィ・フェイスっていうんだ」
「へぇー…形もいろいろあるんだねぇ…」
スタンド能力は様々というのは最近分かってきたが、その形も人によって変わっているらしい。ホルマジオのリトル・フィート、それからイルーゾォのマン・イン・ザ・ミラー、そして自分のスタンドも人の形をしていた。ゆえに基本的にそういったものだと勝手に思っていたが、実はそんな事もないようだ。だがよくよく考えると自分のスタンドは人型ではあるが、どことなく子どもの女の子のような姿をしていた。人型の中でもやはり個体差はいくらかあるのかもしれない。
メローネが淡々と作業する姿を見ても、一体彼が何をやっているのかはさっぱり分からない海莉だったが、それでも見るのをやめなかった。ただ単に興味があったからだ。彼が行なっている事が一体どう仕事に繋がるのかを。本当なら直接メローネに聞けばいいのだが、流石に仕事中の彼に口を挟む事など出来ない。だからこうして黙って見るのだ。
「海莉は、良い母親にはなれないな…」
「…は?」
突然呟いた言葉に、思わず疑問を零してしまった。母親にはなれない、彼の放った言葉が理解できずにいる。
「俺のスタンドは、母親に息子を産ませる事ができるんだ。その母親と俺の教育次第で性格とか諸々の能力が決まるんだがな…」
「……はぁ、」
ベイビィ・フェイスの簡単な説明をざっと受けたが、パソコンというファーストインプレッションからかけ離れた能力であり、理解するまで時間がかかった。いいベイビィを産ませる為にはある程度素行の悪い人だったり、お酒やタバコ、場合によっては麻薬などやっている女性が良いようだ。残念ながらというか、当たり前だが海莉は薬はもちろん、お酒やタバコも好んでおらず、性格も決して野蛮ではない。つまり先程彼が言いたかった事は暗殺として役立ちそうなベイビィを産むには、海莉は無理だと言いたいのだろう。
「ま、君の健康状態だけならディ・モールトベネだな」
「嬉しいような嬉しくないような…」
「大丈夫だ。どっちにしろ君を母親にする気は最初からない。ベイビィは生まれると母親を殺してしまう」
「そう、なんだ…」
なら余計に母親になれなくて良かったよ、と心の中でぽつりと思った。
メローネは再び手を動かし始める。パソコンの側に置いていた恐らく次のターゲットの詳細が記載されているであろう資料を見ながら、器用にキーボードを操作して作業を進めるのを海莉は黙って隣で見る。それが30分ほど続いた。漸くひと段落着いたメローネは大きく伸びをする。そんなメローネに海莉はエスプレッソを差し出し、お疲れ様と一言声をかける。
「グラッツェ海莉。意外と気がきくね」
「意外とって何、意外とって」
「ところで、さっきベイビィの話をして思ったんだが…俺と君の間に生まれる子どもは一体どんな子だろうな」
「…………それってスタンドの話?」
「違う、人間の子どもの話」
これはまたとんでもない話題が出たものだ。えぇ…と悩む海莉をどこか楽しそうに見ているメローネ。
「…とりあえず顔のパーツとかは全部あなたに似た方がいいんじゃないかな。それから髪も。綺麗な金髪で…それなら女の子と男の子どっちも可愛いよ、きっと、うん」
「成る程、でもそれだと君の要素は?」
「無くていい。強いて言うなら性格とかでいいよ」
本当に生むわけじゃあないのだから、真面目に考えても馬鹿みたいだと気づいた海莉はどうでも良さげに適当に答えてから、先程淹れたエスプレッソを口にする。彼女の適当な答えに不満を覚えたメローネは子どものように拗ねた表情を浮かべた。
「…手っ取り早く、試してみようか?」
「……えぇ?どうやって?スタンドで?出来るの?」
「はっ!まさか」
ジリジリと確実に距離を詰めてくるメローネに対し、何らかの危険を察知した海莉も同じように彼から距離を取るように後ろに後退していく。
「試す方法はあるだろう。俺と君の、ココでな」
「…、」
伸びてきた彼の腕は、ぬるっと海莉の子宮ギリギリのお腹のあたりを触る。その何とも言えない手つきにぞわりと鳥肌が一瞬でたち、海莉は叫ぶなどの言葉よりも体が勝手に反応し、思い切り後ろへ後退した。だが2人はソファの上。後退した先には何も無くただ床へとそのまま落下してしまった。勢い良く転げ落ちた為、ドカッと大きな音がアジトに響き、たまたま一階へ降りてきていたイルーゾォが何事だという表情で顔を出した。
「……何やってんだよお前ら」
「イイイイルーゾォさん!!」
落ちた衝撃で頭を軽く打ったが、その痛みを忘れる程今の出来事は海莉にとっては物凄く非常事態であった。すぐ様イルーゾォの背中へとまわり身を潜めメローネに対して警戒態勢をとる。
「お、おい!!何なんだよマジで…」
「メメ、メローネが…!!私のお腹を…!!」
「触っただけだろう?」
「触った事が問題なの!!バカ!!」
「お前…腹触られただけで一々騒ぐなよ」
アホらしい、と一言付け加えてイルーゾォはキッチンへと向かっていった。隠れられる壁が去って行ってしまったので、メローネからこちら側は当たり前だが丸見えである。特に悪びれる様子なく平然とした表情でソファに座って、ひらひらと手を振るメローネに海莉は睨みつけた。確かにお腹を触られただけ、この文字列を見ればそんな事か、という気持ちになるのはよく分かるがでも彼の触り方がなんというか物凄くエロいというか、手慣れた感じがしたし、何よりもその時のメローネの顔がとても扇情的で冗談には思えなかった。
「ほら、もう何もしないからこっちに座りなよ」
「絶対にイヤ!!!」
ぽんぽんと、まるで子どもに言うようにソファを叩く。ニヤニヤと笑う彼は海莉をからかって楽しんでいるのだろう。
顔がとても綺麗でとっても整っていて、爽やかそうなかっこいいイケメン。そんな一番最初に抱いたメローネの印象は最近になって崩れ始めていて、彼は実はそんな印象とかけ離れた人なのではないかと感じていた。
メローネが一体どんな人なのか、本性を知るのはあと少しという事をもちろん今の海莉に分かるはずもなく、ジリジリと近づいてくるメローネからまたイルーゾォの背中を盾にして海莉は逃げるのであった。