主人公の名前
6
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
食べ終えた食器を片付けてから自室に戻ろうと階段にある手すりを掴むと、物凄く冷たくて当たり前だが一階のアジトよりも空気がとても冷たい。いつもの事といっていたが、いつもこんな事が起きるなんてそれはそれでどうかしている。一体メローネはどのようにしてギアッチョを怒らせてしまったのか。出会ったばかりの海莉には想像もつかなかった。なんとなく、2人は仲が良いものだと思っていたが、それはどうやら検討違いのようで。自室もやはり少しだけ寒かったので海莉はブランケットを取り出して身を包み、日本から持ってきていたお気に入りの漫画を読みだした。
「これ続きはやく読みたいなぁ。でもこっちに売ってるわけないし…」
それは日本に帰ってからのお楽しみにしておこう、などと1人の時間を楽しんでいると勢いよく扉が開いた。ノックもなしに開けたその人物とは先ほどイルーゾォが、暫く関わらない方がいいと言っていたギアッチョであった。海莉は驚いて思わずうわと声が出てしまう。不機嫌極まりないその顔は言われた通り今は関わりたくはないと思ってしまうほどであった。
「………なん、でしょうか?」
「…腹減ったんだがよぉ…飯用意しろ…」
恐る恐る彼に要件を聞けば、とても低い声で答える。イラついて食事する気にもならなかったようだが、今はどうやら機嫌の方は少し落ち着いたみたいだ。それにしたって、彼が纏っているオーラはとてもどす黒く近寄りがたい。直接目に見えずとも分かってしまうくらいにだ。
「分かりました、今用意します!」
早く行動しないと凍らされるのではないかと思った海莉は直ぐに立ち上がり読んでいた漫画を棚に戻した。するとギアッチョは彼女が今まさに戻したであろう物を見て、それ…と声をかけた。
「お前それ、漫画か!?」
「そうですけど…ギアッチョさん漫画好きなんですか?」
「あぁ。日本の漫画はおもしれぇから、翻訳された奴買ってんだけどよ…」
興味津々に棚に整理された漫画を眺めていく。先程までどす黒いオーラを纏っていたはずのギアッチョは海莉の漫画を見つけた途端、その禍々しいオーラは消え少年のような輝かしい目になり、とても楽しそうだ。海莉としては機嫌が直ったようで安心していた。
ギアッチョは1冊手にとってパラパラとページをめくっていく。
「くそ、やっぱ日本語か。読めねぇなァ」
「日本語覚えてみます?」
「あーーー、難しいって聞くからやめとく」
おすすめのタイトルはあるかと聞かれたので、個人的な意見を交えつつ独断と偏見で彼が好きそうな作品をピックアップしていく。なんとなくだが、ギアッチョは主人公とその仲間が日々成長し強くなっていくという超王道的な話が好きそうだ。その後もお互いがどんなものを読んでいるのか、どこが面白いかなど自分でも驚く程に会話が盛り上がっていた。やはり好きなものを他人と共有できるのはとても嬉しい。
「ふーん。次本屋行った時探してみるか…つっても多いわけじゃあねぇからなァ」
「私も一緒に行っていいですか?どんなのがあるのか見てみたいです!!」
「…か、勝手にしろ!」
彼の事を少しだけ怖いと思っていたが、やはりちゃんと話すとそんな事はなくて。ギアッチョという人間の一部分を知ることができたのは今日の収穫だろう。またこういう話が出来ればいいなと思っていると、どこからかお腹の音が聞こえた。どこからかなんて、分かりきってはいるのだが。
「そろそろ一階に戻りましょうか!」
「…あぁ、悪りぃ」
あまりの興奮で空腹でさえも忘れていたようだ。海莉とギアッチョは共に一階へと降りていった。アジトのソファにはイルーゾォとホルマジオが座っていてテレビを見ている。2人が座るソファの向かい側にもう一つソファがあるのだが、そこには毛布を頭から被り包まってガタガタと震えているメローネの姿があった。どうやらギアッチョに凍らされたメローネは自室、つまりイルーゾォの部屋でもある場所に放置されていたそうだ。それに気づいたイルーゾォが激怒しながらも一階へ運んだらしい。
「メローネ、大丈夫…?ご飯まだだよね?食べられる?」
「……………」
寒さのあまり顔に生気が感じられない。一体何が原因なのかは知らないが、ギアッチョを怒らせたのは彼であるため自業自得である。が、やはり心配なので海莉はメローネに声をかけると、包まった毛布から手というか腕が飛び出してきた。その腕は海莉の手首をがっしり掴み気づけば海莉はメローネに抱きつかれていた。
「は、は、はぁぁぁ放してバカ!!メローネ!!!」
「寒いんだよぉ!!!頼む少しだけだから!!君のその無駄に高い体温で俺を温めろ!!」
「やだやだ放して!!スープ、暖かいスープ作るから!!」
冷え切ったその身体に抱きつかれればもちろん海莉だって寒いわけだが、彼女は正直それどころじゃあなかった。顔の良いイタリア男性にそんな事をされれば誰だって恥ずかしいのだ。寧ろ体温は恥ずかしさで上がっていくのではないかとさえ思う。そして、しびれを切らした男がメローネへと怒りを爆発させた。
「さっさとそいつを放せメローネ!!!じゃねぇと俺が飯食えねぇだろうが!!また凍らされてぇのか、あぁ!?」
「くっ…それは勘弁したいぜ。頼む海莉、作ってくれ」
「……本当に頼む気ある?」
言いながらも彼の腕は海莉を放そうとはしなかった。そんな彼にギアッチョは凍らすまではしなかったが鉄拳がひとつメローネの頭上へとお見舞いされた。漸く解放された海莉はお腹を空かせたギアッチョと、寒さで凍え死にそうな哀れなメローネ為にキッチンへと向かう。先ほど作った食事を電子レンジへと入れて温まるのを待つ間、適当にスープを作ろうと鍋を取り出したのだが、キッチンの入り口でギアッチョが立っていた。
「どうしました?」
「…さん付けやめろ。ギアッチョでいい。あと丁寧に喋ろうとすんな!あのクソアホみたいに喋る感じでいいからな!!それだけだ!!」
言いたいことだけ言って、ギアッチョは出ていった。つまり彼が言いたいのは、気軽に話せという意味だろう。正直嬉しい申し出だった。歳が同じの彼と友人のような関係を気づけたらと一方的に思っていたので、その一歩を踏み出せた気がする。自然と頬が緩む中、再び海莉をは調理を進めた。出来上がった食事をテーブルへと運びにいけば、再びギアッチョはメローネに怒りをぶつけ怒鳴っている。喧嘩するほどなんとやらとはよく聞くが、その言葉通りのような気がしてほんの少し笑いがこぼれた。
「これ続きはやく読みたいなぁ。でもこっちに売ってるわけないし…」
それは日本に帰ってからのお楽しみにしておこう、などと1人の時間を楽しんでいると勢いよく扉が開いた。ノックもなしに開けたその人物とは先ほどイルーゾォが、暫く関わらない方がいいと言っていたギアッチョであった。海莉は驚いて思わずうわと声が出てしまう。不機嫌極まりないその顔は言われた通り今は関わりたくはないと思ってしまうほどであった。
「………なん、でしょうか?」
「…腹減ったんだがよぉ…飯用意しろ…」
恐る恐る彼に要件を聞けば、とても低い声で答える。イラついて食事する気にもならなかったようだが、今はどうやら機嫌の方は少し落ち着いたみたいだ。それにしたって、彼が纏っているオーラはとてもどす黒く近寄りがたい。直接目に見えずとも分かってしまうくらいにだ。
「分かりました、今用意します!」
早く行動しないと凍らされるのではないかと思った海莉は直ぐに立ち上がり読んでいた漫画を棚に戻した。するとギアッチョは彼女が今まさに戻したであろう物を見て、それ…と声をかけた。
「お前それ、漫画か!?」
「そうですけど…ギアッチョさん漫画好きなんですか?」
「あぁ。日本の漫画はおもしれぇから、翻訳された奴買ってんだけどよ…」
興味津々に棚に整理された漫画を眺めていく。先程までどす黒いオーラを纏っていたはずのギアッチョは海莉の漫画を見つけた途端、その禍々しいオーラは消え少年のような輝かしい目になり、とても楽しそうだ。海莉としては機嫌が直ったようで安心していた。
ギアッチョは1冊手にとってパラパラとページをめくっていく。
「くそ、やっぱ日本語か。読めねぇなァ」
「日本語覚えてみます?」
「あーーー、難しいって聞くからやめとく」
おすすめのタイトルはあるかと聞かれたので、個人的な意見を交えつつ独断と偏見で彼が好きそうな作品をピックアップしていく。なんとなくだが、ギアッチョは主人公とその仲間が日々成長し強くなっていくという超王道的な話が好きそうだ。その後もお互いがどんなものを読んでいるのか、どこが面白いかなど自分でも驚く程に会話が盛り上がっていた。やはり好きなものを他人と共有できるのはとても嬉しい。
「ふーん。次本屋行った時探してみるか…つっても多いわけじゃあねぇからなァ」
「私も一緒に行っていいですか?どんなのがあるのか見てみたいです!!」
「…か、勝手にしろ!」
彼の事を少しだけ怖いと思っていたが、やはりちゃんと話すとそんな事はなくて。ギアッチョという人間の一部分を知ることができたのは今日の収穫だろう。またこういう話が出来ればいいなと思っていると、どこからかお腹の音が聞こえた。どこからかなんて、分かりきってはいるのだが。
「そろそろ一階に戻りましょうか!」
「…あぁ、悪りぃ」
あまりの興奮で空腹でさえも忘れていたようだ。海莉とギアッチョは共に一階へと降りていった。アジトのソファにはイルーゾォとホルマジオが座っていてテレビを見ている。2人が座るソファの向かい側にもう一つソファがあるのだが、そこには毛布を頭から被り包まってガタガタと震えているメローネの姿があった。どうやらギアッチョに凍らされたメローネは自室、つまりイルーゾォの部屋でもある場所に放置されていたそうだ。それに気づいたイルーゾォが激怒しながらも一階へ運んだらしい。
「メローネ、大丈夫…?ご飯まだだよね?食べられる?」
「……………」
寒さのあまり顔に生気が感じられない。一体何が原因なのかは知らないが、ギアッチョを怒らせたのは彼であるため自業自得である。が、やはり心配なので海莉はメローネに声をかけると、包まった毛布から手というか腕が飛び出してきた。その腕は海莉の手首をがっしり掴み気づけば海莉はメローネに抱きつかれていた。
「は、は、はぁぁぁ放してバカ!!メローネ!!!」
「寒いんだよぉ!!!頼む少しだけだから!!君のその無駄に高い体温で俺を温めろ!!」
「やだやだ放して!!スープ、暖かいスープ作るから!!」
冷え切ったその身体に抱きつかれればもちろん海莉だって寒いわけだが、彼女は正直それどころじゃあなかった。顔の良いイタリア男性にそんな事をされれば誰だって恥ずかしいのだ。寧ろ体温は恥ずかしさで上がっていくのではないかとさえ思う。そして、しびれを切らした男がメローネへと怒りを爆発させた。
「さっさとそいつを放せメローネ!!!じゃねぇと俺が飯食えねぇだろうが!!また凍らされてぇのか、あぁ!?」
「くっ…それは勘弁したいぜ。頼む海莉、作ってくれ」
「……本当に頼む気ある?」
言いながらも彼の腕は海莉を放そうとはしなかった。そんな彼にギアッチョは凍らすまではしなかったが鉄拳がひとつメローネの頭上へとお見舞いされた。漸く解放された海莉はお腹を空かせたギアッチョと、寒さで凍え死にそうな哀れなメローネ為にキッチンへと向かう。先ほど作った食事を電子レンジへと入れて温まるのを待つ間、適当にスープを作ろうと鍋を取り出したのだが、キッチンの入り口でギアッチョが立っていた。
「どうしました?」
「…さん付けやめろ。ギアッチョでいい。あと丁寧に喋ろうとすんな!あのクソアホみたいに喋る感じでいいからな!!それだけだ!!」
言いたいことだけ言って、ギアッチョは出ていった。つまり彼が言いたいのは、気軽に話せという意味だろう。正直嬉しい申し出だった。歳が同じの彼と友人のような関係を気づけたらと一方的に思っていたので、その一歩を踏み出せた気がする。自然と頬が緩む中、再び海莉をは調理を進めた。出来上がった食事をテーブルへと運びにいけば、再びギアッチョはメローネに怒りをぶつけ怒鳴っている。喧嘩するほどなんとやらとはよく聞くが、その言葉通りのような気がしてほんの少し笑いがこぼれた。