主人公の名前
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続いてやってきたのはオシャレなバールだった。店員に席を案内されて腰を掛ける。そう言えば朝ごはんちゃんと食べてなかったからお腹がすいていたので、とりあえず軽食と飲み物を2人分注文した。
注文したものが届くまで当たり前だが時間がかかる訳なのだが、待っている間がどうにもそわそわして落ち着かない。というよりも気まずいのが正解だろう。何せプロシュートとは対面してまだ1日も経っていないのだから。だからこそ、先程の出来事も何で何でと疑問に思う事しか出来ないのだ。それから単純に、顔のいいイケメンというのも理由ではある。
どうしたものかと話題を考えていると、なんだか周りがざわざわしている事に気がついた。主に女性がそうで、彼女たちの視線を辿った先は目の前に座る男。あぁなるほどと1人納得し、改めて彼を見ると本当に綺麗な顔をしている。まじまじと凝視していると、彼と目があってしまった。
「あ?どうした?」
「あー…いえ…何でもないです」
「………、」
怪訝な顔で見てくるプロシュートを誤魔化すように引きつってはいるが笑ってみせると、軽く鼻で笑われてしまった。人の顔を凝視してしまった自分も失礼だが鼻で笑うのも大概では、と口をやや尖らせ心の中で反論していると彼の方から声をかけた。
「俺は、余程ブッ飛んだことじゃあない限り大概のことはリーダーの意思を尊重している。だが正直お前の件については俺にとってはブッ飛んだ内容だ」
「…でしょうね」
「家政婦を雇う、などと言われた日はマジに驚いたぜ、まったくもってどうかしてる」
偶然にも拉致られて突然ギャングのアジトへ連れてかれて家政婦を頼みたいと言われた海莉本人も、確かになぁと彼の意見に同意ではある。プロシュートは言葉を続けた。
「だが俺たちはお前をただの家政婦とは思ってねぇ」
「……え、」
「お前のスタンド能力だ。その力はかなり利用価値がある。俺たちの仕事の上で役に立つと思ったからリーダーはお前を家政婦という名目で側に置く事にした」
「…はぁ、別にいいですけど」
と、海莉が言うと彼の目がほんの少しだけ見開いた気がした。
「…利用されるんだぞ、俺たちに」
「私の力なんて闘い向きじゃあないので役に立たないなーなんて思ってましたけど、皆さんの役に立つならその力を使う事に躊躇はしませんよ?」
そもそもこの力、スタンドを使う人が他にもいる事を知れたのも嬉しかったのが本音である。メローネ曰くあそこにいる人たち殆どがそうだとか。海莉は頼まれれば力を使う自体躊躇いはもともと無かった。寧ろ家事以外で役に立てる事があると分かって良かったとさえ思っていた。
一方プロシュートはため息を吐いていた。ギャングに馴染みがないから怖いけど、怖くないってさ。面白いよな、とメローネから聞いていた言葉を思い出す。本当に彼女は自分の置かれた立場というのが分かっていないようだ。今日プロシュートが彼女を連れ出した理由とは、部屋が質素で気になったのも半分あるが、もし何らかの目的があってここへ来たのならばそれを見抜くためであった。しかし彼女はプロシュートを殺そうとしたり逃げようとしたりする事はなく、今目の前でようやく来た食事を嬉しそうに頬張っている。プロシュートは疑っていたのだ、彼女を。ただの女がギャングの家政婦になる事を受け入れるなんてあまりにブッ飛んでいたから。たが海莉は本当にギャングを知らず、自分の置かれている立場を理解していない能天気で馬鹿な女。
「いや、馬鹿は俺か…」
よく考えてみろ。こんな女が殺気もたてずに俺たちを殺せるわけもない。もし出来たとしたら家政婦ではなく、暗殺として勧誘したい所だ。一体何をそこまで警戒していたんだろう。
「何か言いました?」
「お前を馬鹿と言ったんだ」
「失礼ですね!」
馬鹿は時に愛嬌にもなるんですよ、と言いながら海莉は口を尖らせる。冗談だ、冗談。なんて言いながらその口元はしっかりと笑っていたので絶対に馬鹿にしてるなとも思った。しかし彼の笑った顔が今日接した中であまり想像もつかないくらい無邪気なものだったので、少しだけ、ほんの少しだけ胸が高鳴ってしまったのは内緒である。イケメンとは生きているだけで心臓に悪い。
食事を済ませてバールを出れば、今度こそプロシュートの足はアジトへと向かっていた。イタリアは治安はあまり良くないが、景色は最高にいい。日本とはまったく違った街並みで歩くだけでも凄く楽しかった。
「今日買ったドレッサー、届いたらちゃんと置けよ」
「分かってますよ!せっかく買っていただいたし、欲しいとは思っていたので…」
「今度は服だな。俺がもう少しまともな服を選んでやる」
「服にもケチつけますか!?」
自分の服のセンスが悪いだなんて思った事がないし、寧ろ服は好きだったのでそこそこセンスはあると思っていたが。このイケメンに指摘されると実はそうでも無かったんじゃあないかとさえ思ってしまう。何故なら彼は、顔の良さはもちろんだが身につけている服やアクセサリーなども高級感が漂っていたから。そういったものにも気を使う人なのは直ぐに分かる。
「部屋を交換してもらって、ドレッサーまで買ってもらって、その上服もだなんて…いいです、服は自分で買います!!」
「女に金を払わせる男がいるか?言っただろう、甘え上手になれってな。俺がそうすると言ってるんだから素直に喜べ」
「じゃあせめてお礼くらいさせてくださいよ…」
先ほどのバールでも気がついたら会計が済まされていた。せめてものお礼に食事代くらいは払おうと思ったのに、良くも悪くも隙がないこの男。色々と世話を焼いてくれるのは嬉しいのだが、流石に日本人としては申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「礼、か……」
プロシュートは海莉の先を歩いていたが、何か思いついたかのようにくるりと彼女へと向きを変えて近づいてくる。何だ何だと警戒心のかけらもない彼女を見て笑いつつ、プロシュートの腕は確実に海莉の腰を抱いてそのまま顔を彼女の耳元へと近づけた。
「礼なら体で払ってもらってもいい」
「……………」
突然のことに頭が追いつかない海莉。それでも顔はだんだんと紅潮していくのが嫌でもわかった。何を言ってるんだ、何をするんだと言わんばかりに彼女はプロシュートを睨んでみたがもちろんその顔には覇気がなく、リンゴのように真っ赤。今までの女には無いような反応が返ってきたのが彼にとっては面白くてまた無邪気に笑うのだった。
注文したものが届くまで当たり前だが時間がかかる訳なのだが、待っている間がどうにもそわそわして落ち着かない。というよりも気まずいのが正解だろう。何せプロシュートとは対面してまだ1日も経っていないのだから。だからこそ、先程の出来事も何で何でと疑問に思う事しか出来ないのだ。それから単純に、顔のいいイケメンというのも理由ではある。
どうしたものかと話題を考えていると、なんだか周りがざわざわしている事に気がついた。主に女性がそうで、彼女たちの視線を辿った先は目の前に座る男。あぁなるほどと1人納得し、改めて彼を見ると本当に綺麗な顔をしている。まじまじと凝視していると、彼と目があってしまった。
「あ?どうした?」
「あー…いえ…何でもないです」
「………、」
怪訝な顔で見てくるプロシュートを誤魔化すように引きつってはいるが笑ってみせると、軽く鼻で笑われてしまった。人の顔を凝視してしまった自分も失礼だが鼻で笑うのも大概では、と口をやや尖らせ心の中で反論していると彼の方から声をかけた。
「俺は、余程ブッ飛んだことじゃあない限り大概のことはリーダーの意思を尊重している。だが正直お前の件については俺にとってはブッ飛んだ内容だ」
「…でしょうね」
「家政婦を雇う、などと言われた日はマジに驚いたぜ、まったくもってどうかしてる」
偶然にも拉致られて突然ギャングのアジトへ連れてかれて家政婦を頼みたいと言われた海莉本人も、確かになぁと彼の意見に同意ではある。プロシュートは言葉を続けた。
「だが俺たちはお前をただの家政婦とは思ってねぇ」
「……え、」
「お前のスタンド能力だ。その力はかなり利用価値がある。俺たちの仕事の上で役に立つと思ったからリーダーはお前を家政婦という名目で側に置く事にした」
「…はぁ、別にいいですけど」
と、海莉が言うと彼の目がほんの少しだけ見開いた気がした。
「…利用されるんだぞ、俺たちに」
「私の力なんて闘い向きじゃあないので役に立たないなーなんて思ってましたけど、皆さんの役に立つならその力を使う事に躊躇はしませんよ?」
そもそもこの力、スタンドを使う人が他にもいる事を知れたのも嬉しかったのが本音である。メローネ曰くあそこにいる人たち殆どがそうだとか。海莉は頼まれれば力を使う自体躊躇いはもともと無かった。寧ろ家事以外で役に立てる事があると分かって良かったとさえ思っていた。
一方プロシュートはため息を吐いていた。ギャングに馴染みがないから怖いけど、怖くないってさ。面白いよな、とメローネから聞いていた言葉を思い出す。本当に彼女は自分の置かれた立場というのが分かっていないようだ。今日プロシュートが彼女を連れ出した理由とは、部屋が質素で気になったのも半分あるが、もし何らかの目的があってここへ来たのならばそれを見抜くためであった。しかし彼女はプロシュートを殺そうとしたり逃げようとしたりする事はなく、今目の前でようやく来た食事を嬉しそうに頬張っている。プロシュートは疑っていたのだ、彼女を。ただの女がギャングの家政婦になる事を受け入れるなんてあまりにブッ飛んでいたから。たが海莉は本当にギャングを知らず、自分の置かれている立場を理解していない能天気で馬鹿な女。
「いや、馬鹿は俺か…」
よく考えてみろ。こんな女が殺気もたてずに俺たちを殺せるわけもない。もし出来たとしたら家政婦ではなく、暗殺として勧誘したい所だ。一体何をそこまで警戒していたんだろう。
「何か言いました?」
「お前を馬鹿と言ったんだ」
「失礼ですね!」
馬鹿は時に愛嬌にもなるんですよ、と言いながら海莉は口を尖らせる。冗談だ、冗談。なんて言いながらその口元はしっかりと笑っていたので絶対に馬鹿にしてるなとも思った。しかし彼の笑った顔が今日接した中であまり想像もつかないくらい無邪気なものだったので、少しだけ、ほんの少しだけ胸が高鳴ってしまったのは内緒である。イケメンとは生きているだけで心臓に悪い。
食事を済ませてバールを出れば、今度こそプロシュートの足はアジトへと向かっていた。イタリアは治安はあまり良くないが、景色は最高にいい。日本とはまったく違った街並みで歩くだけでも凄く楽しかった。
「今日買ったドレッサー、届いたらちゃんと置けよ」
「分かってますよ!せっかく買っていただいたし、欲しいとは思っていたので…」
「今度は服だな。俺がもう少しまともな服を選んでやる」
「服にもケチつけますか!?」
自分の服のセンスが悪いだなんて思った事がないし、寧ろ服は好きだったのでそこそこセンスはあると思っていたが。このイケメンに指摘されると実はそうでも無かったんじゃあないかとさえ思ってしまう。何故なら彼は、顔の良さはもちろんだが身につけている服やアクセサリーなども高級感が漂っていたから。そういったものにも気を使う人なのは直ぐに分かる。
「部屋を交換してもらって、ドレッサーまで買ってもらって、その上服もだなんて…いいです、服は自分で買います!!」
「女に金を払わせる男がいるか?言っただろう、甘え上手になれってな。俺がそうすると言ってるんだから素直に喜べ」
「じゃあせめてお礼くらいさせてくださいよ…」
先ほどのバールでも気がついたら会計が済まされていた。せめてものお礼に食事代くらいは払おうと思ったのに、良くも悪くも隙がないこの男。色々と世話を焼いてくれるのは嬉しいのだが、流石に日本人としては申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「礼、か……」
プロシュートは海莉の先を歩いていたが、何か思いついたかのようにくるりと彼女へと向きを変えて近づいてくる。何だ何だと警戒心のかけらもない彼女を見て笑いつつ、プロシュートの腕は確実に海莉の腰を抱いてそのまま顔を彼女の耳元へと近づけた。
「礼なら体で払ってもらってもいい」
「……………」
突然のことに頭が追いつかない海莉。それでも顔はだんだんと紅潮していくのが嫌でもわかった。何を言ってるんだ、何をするんだと言わんばかりに彼女はプロシュートを睨んでみたがもちろんその顔には覇気がなく、リンゴのように真っ赤。今までの女には無いような反応が返ってきたのが彼にとっては面白くてまた無邪気に笑うのだった。