ー新伝ー伝説を継ぐもの
ーウォーキングロードー
拳二「この辺りは都内にしては緑が多くて、空き地も多い……」
悠(?)「……」
拳二「昼間はほとんど人通りが無くて、遊ぶにゃ持ってこいの場所だ。」
悠(?)「……」
拳二「しかし、悪いなぁ。仕事中にあんな芝居までうたせちまって」
悠(?)「分からないな」
拳二「あん?」
悠(?)「どうして、ここまで……?」
拳二「んー……なんていうかな、お前が見て俺ぁはなにしてるよ?」
悠(?)「……ヤクザ」
拳二「正解だ。ヤクザなんてのは、メンツが命だ。」
悠(?)「……」
拳二「つまりよぉ……ダメだろ。ただの小競り合いでもヤクザが堅気に投げられて、はいそうですか……じゃあな。」
悠(?)「つまり。言いかえると投げられてもこりない人だな」
拳二「かっかっか。そういうことだ。しっかし、例え遊びでもなんでもやられっぱなしってのは……やっぱ、我慢できんわけだ。」
悠(?)「なるほど。それで、来た訳だ。」
拳二「お?なんだ、俺ぁの用事が分かるのか?」
悠(?)「喧嘩売りに来たんだろ。」
拳二「……良く分かったな。」
悠(?)「……なんで、驚いた顔してるんだよ」
拳二「いや、喧嘩の仕掛け方が分からない素人にどうやって説明しようか考えててな」
悠(?)「……誰が素人だって?」
拳二「お前」
悠(?)「なんだと?」
拳二「ああ、素人は悪かったな。スポーツマン、今風にいうとアスリートったか?」
拳二はタバコに火を付けた。口からポッポッとスモークリングをいくつか吐きだす。
悠(?)「……いいのかなぁ」
拳二「何がだ?」
悠(?)「そうやって余裕こいててさっ!!!」
ユウは助走無しに飛び上がり、ドロップキックを仕掛けた。拳二は両腕を閉じてガードした。
腕に阻まれたが、蹴り飛ばし数てメートル後ろに着地する。
拳二「おっとっと……。」
悠(?)「あーあ、どうする?」
拳二「ん?」
そこら辺に落ちていた石を拾いユウは笑う
悠(?)「俺はああして働いてはいるが中身はゴロツキだ。こうやって、武器にもする。さて、殴ろうか?投げようか?どう使おうか?」
拳二「かっかっ……三流だな。なら、こうしよう」
懐から短ドスを抜いた。白木造りの鞘を捨てて、銀の刃をチラつかせる。
悠(?)「っ……」
それを振りかぶって投げた。ユウの足元に突き刺さる。
拳二「使えよ。」
短ドスを拾っていった。
悠(?)「なに?俺がこんなもん渡されて、はいそうですかと使うと思うか?」
拳二「無理だね。先ある未来、いとしい我が身、他人になりきる嘘の為に使える訳が無い」
悠(?)「はっ……本当に刺せないと思うか?」
拳二は歩み出す。
拳二「偽物に扱える道具じゃねぇよ」
悠(?)「ば~か!」
ユウは拳二に向かって刃を突き付けた。
拳二「ば~か」
ゴッ!!硬い物が肉を潰した音が木霊した。
ひとたび、刃物を手にしてしまったら。もはやそれを使用するしかない。他の選択肢は閉ざされ「人を刺す」初体験の動きへと追いやられる。
例えるなら斧を使用する「職人」
VS
例えるなら日本刀を手にした「素人」
日本刀といえど勝てる道理は限りなく小さく
悠(?)「っ……?!」
巨拳は顔のど真ん中を正確に捉え潰した。痛みを感じる暇も無く、ユウは意識を手放した。
その漢(おとこ)には二つの拳がある、他には何を持つ必要もない。当たり所を選ばぬ、漢の拳は頭部なら脳へ衝撃を与え揺らし、腹部なら衝撃を与え内臓を潰し、手足なら衝撃を与え骨を砕く。故にいつしかこう呼ばれていた……ダブルインパクト拳二。
その生粋の絶対強者に挑むなど、あまりにも結果の見えた勝負だった。
拳二「じゃあな、風邪引くなよ。」
拳二「この辺りは都内にしては緑が多くて、空き地も多い……」
悠(?)「……」
拳二「昼間はほとんど人通りが無くて、遊ぶにゃ持ってこいの場所だ。」
悠(?)「……」
拳二「しかし、悪いなぁ。仕事中にあんな芝居までうたせちまって」
悠(?)「分からないな」
拳二「あん?」
悠(?)「どうして、ここまで……?」
拳二「んー……なんていうかな、お前が見て俺ぁはなにしてるよ?」
悠(?)「……ヤクザ」
拳二「正解だ。ヤクザなんてのは、メンツが命だ。」
悠(?)「……」
拳二「つまりよぉ……ダメだろ。ただの小競り合いでもヤクザが堅気に投げられて、はいそうですか……じゃあな。」
悠(?)「つまり。言いかえると投げられてもこりない人だな」
拳二「かっかっか。そういうことだ。しっかし、例え遊びでもなんでもやられっぱなしってのは……やっぱ、我慢できんわけだ。」
悠(?)「なるほど。それで、来た訳だ。」
拳二「お?なんだ、俺ぁの用事が分かるのか?」
悠(?)「喧嘩売りに来たんだろ。」
拳二「……良く分かったな。」
悠(?)「……なんで、驚いた顔してるんだよ」
拳二「いや、喧嘩の仕掛け方が分からない素人にどうやって説明しようか考えててな」
悠(?)「……誰が素人だって?」
拳二「お前」
悠(?)「なんだと?」
拳二「ああ、素人は悪かったな。スポーツマン、今風にいうとアスリートったか?」
拳二はタバコに火を付けた。口からポッポッとスモークリングをいくつか吐きだす。
悠(?)「……いいのかなぁ」
拳二「何がだ?」
悠(?)「そうやって余裕こいててさっ!!!」
ユウは助走無しに飛び上がり、ドロップキックを仕掛けた。拳二は両腕を閉じてガードした。
腕に阻まれたが、蹴り飛ばし数てメートル後ろに着地する。
拳二「おっとっと……。」
悠(?)「あーあ、どうする?」
拳二「ん?」
そこら辺に落ちていた石を拾いユウは笑う
悠(?)「俺はああして働いてはいるが中身はゴロツキだ。こうやって、武器にもする。さて、殴ろうか?投げようか?どう使おうか?」
拳二「かっかっ……三流だな。なら、こうしよう」
懐から短ドスを抜いた。白木造りの鞘を捨てて、銀の刃をチラつかせる。
悠(?)「っ……」
それを振りかぶって投げた。ユウの足元に突き刺さる。
拳二「使えよ。」
短ドスを拾っていった。
悠(?)「なに?俺がこんなもん渡されて、はいそうですかと使うと思うか?」
拳二「無理だね。先ある未来、いとしい我が身、他人になりきる嘘の為に使える訳が無い」
悠(?)「はっ……本当に刺せないと思うか?」
拳二は歩み出す。
拳二「偽物に扱える道具じゃねぇよ」
悠(?)「ば~か!」
ユウは拳二に向かって刃を突き付けた。
拳二「ば~か」
ゴッ!!硬い物が肉を潰した音が木霊した。
ひとたび、刃物を手にしてしまったら。もはやそれを使用するしかない。他の選択肢は閉ざされ「人を刺す」初体験の動きへと追いやられる。
例えるなら斧を使用する「職人」
VS
例えるなら日本刀を手にした「素人」
日本刀といえど勝てる道理は限りなく小さく
悠(?)「っ……?!」
巨拳は顔のど真ん中を正確に捉え潰した。痛みを感じる暇も無く、ユウは意識を手放した。
その漢(おとこ)には二つの拳がある、他には何を持つ必要もない。当たり所を選ばぬ、漢の拳は頭部なら脳へ衝撃を与え揺らし、腹部なら衝撃を与え内臓を潰し、手足なら衝撃を与え骨を砕く。故にいつしかこう呼ばれていた……ダブルインパクト拳二。
その生粋の絶対強者に挑むなど、あまりにも結果の見えた勝負だった。
拳二「じゃあな、風邪引くなよ。」