ー新伝ー伝説を継ぐもの

ーとある事務所ー

悠(?)「(アレから五日か……。怪我も具合が良くなってきたし、そろそろ事務所に顔出しとかないとな)どもっ。」

小鳥「あ、たかな……!?ど……どーしたンですか」

悠(?)「いや、ちょっとね……。」

小鳥「だ、大丈夫なんですか?」

悠(?)「みんなのかおをみたらげんきがでるさ」

小鳥「なにか喋り辛そう……。」

悠(?)「べっ……」

小鳥「舌に……ぬ、縫いあと?」

悠(?)「はは、しゅじゅちゅしたんだよ。ききとりにくかったらごめんね」

小鳥「いったいなにが……?警察に通報とかは?」

悠(?)「いや、だいじょぶ。ちょっと、ほんとうにささいなミスだ」

小鳥「……みんなが見たら、驚きますよ。絶対に」

悠(?)「これでもだいぶよくなったんだけどね」

コンコン……

小鳥「あ、はい?」

ガチャ……

禅「……」

悠(?)「あっ……」

小鳥「えと、何かご用でしょうか?」

禅「は……い。後ろの……ひとに…少し」

悠(?)「まさか、たずねてきてくれるとは……ことりさん、わるいけどおくのへやにコーヒーを二つとたっぷりのしゅがーを」

小鳥「え、あ……は、はいっ。」





ー別室ー

禅「アポ……無しで……ご無礼を……」

悠(?)「いや、こっちこそぜんにはイロイロとせわをかけてる。」

小鳥「(どういう関係なのかしら……?)」

悠(?)「っ……」

小鳥「あっ、滲みますか?冷たいのに変えて……」

悠(?)「い、いや、コホン。んんっ、大丈夫です。それより、もし誰か来たら、ちょっとこっちには来ないようにいってください。」

小鳥「あ、はい、わかりました。」

悠(?)「ありがとう」

小鳥「では、失礼します。」

禅「……」

悠(?)「すまなかったね。」

禅「いえ……。」

悠(?)「コーヒーより紅茶かジュースのほうが良かったかな?」

禅「問題……無い……です。」

悠(?)「こうして君と直接話すのはいつ以来かな。」

禅「そろそろ……やめに……しま……せんか?」

悠(?)「……」

禅「俺には……こんな……ことを……する……意味が……分かり……ません。」

悠(?)「……」

禅「ズズッ……。」

悠(?)「止めるとかじゃない。俺は俺だ。」

禅「負け……て……います」

悠(?)「負けてない」

禅「地獄を……みます……よ?」

悠(?)「ほう。どうやって?」

禅「今に……わかり……ます。」

悠(?)「なに?」

禅「俺の……携帯……番号を……憶え……てますか?」

悠(?)「携帯からメール、チャットルームの鍵まで」

禅「本当に……困ったら……連絡を……ください……」

悠(?)「それは……どういう意味でだ?」

禅「俺は……味方……では…ありません……が……友人と……しては……まだ…縁がある……つもりです」
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