ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー池袋西口路地ー

摩耶「お疲れ!」

金剛「おう。」

紅「かはー……旦那ぁ、すっさまじいな!」

金剛「軽いもんさ」

独「……」

金剛「なんだ、お前まだいたのか」

独「あ、いや……腰ぬけちゃって」

摩耶「あははははっ!」

紅「わー、まーやくんが爆笑してるよ。」

金剛「おい、肩貸してやれよ」

紅「じゃぁー……がりゅーの子猫ちゃん持つかな」

摩耶「ううん、そっちは僕がやるから。重い方よろしく」

紅「だよなぁー。よし、ほら、立てよ。その辺までは連れてってやるよ」

独「す、すんません。お願いします」

金剛「……ところで、お前もソイツの仲間か?」

凍夜「えっ、いやー仲間とかでは無いな~。ちょっとした知り合いって感じかな。」

金剛「ヤるか?」

凍夜「はは、冗談じゃない。あんなの目の当たりにして挑むモノ好きはいないって。それに俺っは小市民だから喧嘩とかは全然なんだよ。」

金剛「良く動く口だな」

摩耶「小市民の割に逃げもしないし、金剛君の眼光を真正面からよく見れるよね。」

凍夜「いやいや、足ガクガクで逃げれないだけさ。」

摩耶「あっちも怪しいね。」

金剛「俺はむしろあっちの奴のが主犯格じゃないかと思ってきた。」

凍夜「おいおい、本当に誤解だぞ。証拠にほら、俺はこういうもんだ」

摩耶「金融コンサルタント魔天楼?」

金剛「結城クリストファー凍夜……ハーフか。」

凍夜「もし、ご融資が必要なら相談に乗りますのでよろしく」

金剛「闇金に世話になる気は無い」

凍夜「はっはっは。そりゃ本当にならない方がいいさ。けど、そうなると俺の商売があがったりになるから困っちゃうな」

金剛「……胡散臭いな」

摩耶「だねー。けど、魔天楼っていったら……池袋の駆け込み寺って言われてる場所じゃなかったけ?」

金剛「俺は知らないな」

摩耶「ん……ま、いっか。」

凍夜「それじゃあ、俺も行っていいか?コイツ病院連れて行きたいし。」

金剛「お優しいな」

凍夜「このままじゃスプリットタンになるだろ。それにアンタほどじゃ無い、とどめは刺さなかった。」

金剛「……」

摩耶「それ以上の加撃は格闘(たたかい)じゃないもん。金剛君は顔は怖いけど巨凶じゃないよ。」

金剛「……ってことだ」

凍夜「ははっ、そいつは敵わないな。ちなみに疑問を聞いていいかい?」

金剛「なんだ?」

凍夜「大きな君と小さな君、いったいどっちが強い?」

摩耶「もちろん僕さ。今のところはね」

金剛「もちろん摩耶だ。今のところはな」

凍夜「ほーー、その先にもいるんだよな?」

摩耶「ぶっちぎりがね。」

金剛「今のところは……のな」

凍夜「怖い怖い。そんじゃサイナラ」

悠(?)「……」

金剛「起きたらソイツに伝えとけ。どういうつもりか知らないが……その名前を語ってると後悔するぞってな」

悠(?)「…………」

凍夜「できたら自分らで言って欲しいな。ま、憶えてたら伝えとくよ。」

金剛「……帰るか」

摩耶「うん。あ、がりゅーちゃん背負ったげてね。」

金剛「俺がか……」

摩耶「役得だよ~♪」
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