ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー池袋西口公園近くー

独「はぁー……平和だなぁ」

釘夜「おいおい、気抜けすぎじゃないか?」

独「いいじゃないか。つかの間の休みを満喫してても」

釘夜「そういってサボってると覚えたもの忘れちまうぞ」

独「自転車の乗り方と同じで一度身についたら忘れないそうだ。」

釘夜「へぇ」

独「それでも、サボってたら筋肉の衰えで解るから酷かったら殴るっていわれてる」

釘夜「全然ダメじゃないか」

独「だから、サボってはないって…。」

『あー、あー、皆様、そろそろ〆切りです。エントリーはよろしいでしょうか』

独「ん?」

釘夜「なんだ?なぁ、なんの〆切りなんだ?」

「かくれんぼスタンプラリーだよ」

独「なにそれ。」

「Sウルフ主催のゲームだ。参加者は特定の場所に隠れた奴を探す。全員見つかるまでのタイムを競って一位の奴は豪華特典だってさ」

独「こんな人数参加してるのか?」

「いや、大半は賭けの方だったり見学者だよ」

釘夜「なぁ、俺たちも参加してみないか?」

独「えー……。」

釘夜「面白そうじゃないか」

独「危なくないか?」

「警察に嗅ぎつかれなかったらな」

独「うーわー……。」

「かくれんぼは10人組で探すから二人だとキツイぞ。アンタらならあっちで別のやってるぜ。」

釘夜「どんなのだ?」

「簡単な腕相撲だ」

独「腕相撲?二人で?」

「行ってきてみたら解るよ」

釘夜「行ってみようぜ。暇なんだし」

独「はぁ……」




ー池袋西口公園・パイプベンチ近くー

『さぁ、押しあい腕相撲。もう一本勝負ないか?勝者には参加費と賞金総取りだ』

釘夜「おー、やってるな」

独「どういうルールなんだ?」

紅「ん、ああ、簡単なルールだよ。あそこにサングラスの兄ちゃんがいるだろ」

本郷「……」

釘夜「ああ。」

紅「二対一でいいから腕相撲に勝つだけ。参加費は二人で一回五千円。ひとりなら二千五百円だ。それで勝てば溜まった参加費と賞金を総取り。」

独「二対一で?」

釘夜「余裕じゃん」

紅「そーそー、余裕、余裕♪」

独「いやいや、なんか怪しいぞ」

紅「はっはっは、怪しくないさ。ただ今のところ賞金が二十五万だ。」

釘夜「どういう意味だ?」

紅「賞金の額は参加費の総額……今のところ総合五十人抜きしてるってことだよ」

釘夜「ごじゅ…?!」

独「マジで…?」

紅「マジで。ちなみに連戦でいってるし人も変えてないズルなしだ。あの兄ちゃん超人なんだよ」

独「おいおい、釘夜、これは無理だって」

釘夜「いやでも……疲れてきてるんじゃないか?」

本郷「……ふっ。」

釘夜「ほら、息がでてるし」

紅「……(あれしか喋らないだけなんだけどな。っていうか、俺もビックリしてるし)やるならそろそろラストだし行った方がいいぞ」

独「……やるのか?」

釘夜「ふふふ。やろうぜ」
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