ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー池袋西口四番街ー

凍夜「それじゃあ、確かに御預かりしました。」

店長「はい。いやぁ~すいませんねぇ。わざわざ集金に来ていただいて」

凍夜「いいの、いいの。これも仕事のうちだからね。」

店長「本人が直接来られる所が真面目ですよね。」

凍夜「はは。うち従業員がひとりしかいないからね。」

店長「あれ、そうなんですか」

凍夜「零細企業なんてそんなもんだよ。そっちはどう?お店繁盛してる?」

店長「今じゃ規制に規制だらけですからね。繁盛なんてことはないですよ。」

凍夜「だよね。」

店長「不景気を吹き飛ばすような事でもあったら、うちの女の子も大喜びなんですけど……あ、凍夜さん、よかったら遊んで行きませんか?」

凍夜「え、あはは。そうしたいのは山々なんだけどねぇー。あと三件ほど集金に行かないといけないんだよね」

店長「そうですか。じゃあ、また、寄ってください。サービスしますよ」

凍夜「そりゃ、どうも。じゃあ、失礼させてもらうよ」

店長「お疲れ様です」









ー池袋東口びっくりガード近くコンビニー

初老の店員「いらっしゃいませー。あ、凍夜さん」

凍夜「ん?えーと……?」

初老の店員「覚えてませんかね。昔、お世話になったんですけど。」

凍夜「…………あ、思い出した!借金で首が回らなくなってたんだよね。」

初老の店員「恥ずかしい限りです。でも、おかげさまで借金も無事返済し終わりましたよ。」

凍夜「それは良かった。」

初老の男「あのときは変な条件だされて驚きましたけど今となっては、アレのおかげだと感謝してますよ。」

凍夜「そいっあ、よかった。また、こまったら来なよ。相談には乗るからさ。」

初老の店員「恐縮です。あ……相談……。」

凍夜「なんかあるのか?」

初老の店員「あ、いや、これは……金の相談じゃなくて、まるで別件の話なんですけどね。」

凍夜「まぁ、話してみなよ。聞くだけならタダだし。」

初老の店員「はは、えーと、実は最近うちの店のゴミをあらされましてね。」

凍夜「烏とか野良イヌ?」

初老の店員「いや、どうもひとみたいなんです」

凍夜「コンビニのゴミあさりに?」

初老の店員「ほら、この近くって浮浪者の溜まり場があるでしょ。どうもあそこの連中だと思うんですよ。警察にいうほどのものでもないけど……やつぱり困るんですよね」

凍夜「なるほどねぇ……。」

初老の店員「まぁ、これ以上ひどくなるようなら店長も通報するっていってましたから。」

凍夜「ふぅん。まぁ、変な事にはならないようにね。」

初老の店員「あ、すいません。引きとめちゃって」

凍夜「構わないよ。こっちこそ、仕事の手を止めさせてさせて悪かったね。変わりいっちゃあけだけど缶ビールひと箱出してもらえる」

初老の店員「いやいや、そんなことしてもらわなくても」

凍夜「なぁに、どうせ買うつもりだったんだ。」

初老の店員「……わかりました。じゃう、ちょっと裏から取って来るんで、少し待っててください」

凍夜「はいはい」
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