ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー三日月ー

凍夜「へぇ、社さんはストビーのコラムニストさんなんだ。俺もよく読んでますよ」

社「はは、それはどうも。毎月編集長にいびられながらやってますよ。」

凍夜「もし、困ったことがあったらご融資させてもらいますよ。」

拳二「それでむしり取るんだろ」

凍夜「そんなことはしませんよ。ただ、しっかりと返済はしてもらいますよ。絶対にね」

拳二「気ぃつけろよ。裏じゃ俺みたなのよりエゲツない返済要求してくるかもしれねぇぞ」

凍夜「うちはマシな方ですよ。今時は銀行ですら酷いやり口なんですから。」

拳二「だけど向こうは正式な権利を持っての回収だからなギリギリのところまで許される。こっちはいちいち気を張らないといけねぇ」

社「それって?」

拳二「例えばそうだな。回収の時、相手が扉開けたら、開けっぱなしにしとかなきゃならねぇ」

社「なんでです?」

凍夜「迂闊にドア閉めちゃうとね。監禁罪って騒がれることがあるのさ」

社「ドア閉めただけで?!」

拳二「どうにか逃げよう逃げようとするからな」

社「はぁ……それは困りますね。」

凍夜「まー、暴利な利子がついてたら逃げたくもなると思うけど」

拳二「かっかっか。そりゃそうだな。」

社「(笑えない…)」

拳二「だが、うちから借りていく奴はうちでしか借りられないほど追い込まれてる。嫌でも借りるさ、そして延々と取り立て地獄だ」

社「……」

恵瑠「こわっ……けど、それって凄く責められません?」

拳二「そうだな。生きがいいのはたまに喰いついてきたりするが……そのときはこっちも遠慮なく手だすからな」

社「それしたら完全にうったえられるでしょう」

拳二「だから、加減はしない。限界ギリギリまで痛めつける。半端にやるからだめなんだ。本気で追い込んでやれば逆らわなくなる。」

凍夜「そのうち捕まりますよ」

拳二「そうなんだよ。やめろってるのに下の奴でひとりいうこと聞かずにやっちゃう奴が居て困る」

恵瑠「私借金だけはしないようにします。」

凛「そうね。それが大事よ。どうしてもって時は計画的にね。」

社「え、えーと、結城さんの方はどうです?」

凍夜「ん?んーふふ。まぁ、うちは普通ですよ。」

社「よかったら、お話聞かせてもらえませんか?」

凍夜「お客さんのことは話せないよ?」

社「プライバシーにかかわることはオフしますから」

凍夜「よわっちゃったなぁ」

凛「いいんじゃないですか。」

凍夜「凛さんにいわれると弱っちゃうな~。」

社「あ、じやあいいんですね?」

凍夜「まぁ、それじゃあ、いつでも店に来てください。話せる範囲でならお話しますよ。」

社「それは良かった。今度ぜひお邪魔させてもらいます」

拳二「じゃあ、今日は飲み明かすか」

社「え、い、いや、俺このあとがまだあるんで」

拳二「そうか。でも、俺はオフだ。かっかっかっ。」
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