ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー三日月ー

凛「いらっしゃいませ。」

拳二「二名だがいけるかい?」

凛「大丈夫ですよ。あら……」

凍夜「やぁ、凛さん。久しぶりだね」

拳二「あん?お前、ここしってたのか?」

凍夜「はは、まぁ知ってますよ。なんせ、ここの店の支度金はうちで貸しましたからね。ねぇ、凛さん」

凛「はい。その節はお世話になりました。」

拳二「なんでぇ、そういうことか。って、ことはアンタも妙な条件出された口か」

凍夜「妙なって酷いな。お金を貸すに当たっての信頼調査ですよ」

凛「初めはビックリしましたけどね。」

拳二「てめぇ、変な事させてねぇだろうな。」

凍夜「してませんて。ねぇ。」

凛「はい。お金を貸してもらう条件は料理に愛情をこめて作ることと、ここを開いたら一番最初に招待してくれっていう事でした。」

拳二「なんでぇ、そんなことかよ。」

凍夜「大事なことっすよ。それに、出来て一番最初のお客でワンツーマンで凛さんと会話を楽しみながら料理に舌包みを打てたなんて贅沢でしょ」

拳二「うーむ、確かにそりゃいいな。そうだ。今度、貸し切って俺ぁもやってもらおうかな?かっかっかっ」

凛「もう、瓦谷さんたら御上手なんですから。こちらに、どうぞ。」

拳二「うーむ、軽く流されちまったぜ」

凍夜「あはは。あ、隣失礼するよ。」

社「あ、はい、どうぞ。」

拳二「なんか、オススメあるかい?」

凛「カレイの塩焼きとサワラの照り焼きとかいかがです?」

拳二「魚か!いいねぇ。それと日本酒、冷で二つづつ頼まぁ」

凛「はい。かしこまりました。恵瑠ちゃん、お酒お願いね。」

恵瑠「はーい。あ、塩焼きも私しますよ」

凍夜「おやや、君って……アイドルの子じゃなかった?」

恵瑠「あ、はーい♪カエルちゃんです♪」

拳二「お前けっこうなんでも知ってるなぁ。」

凍夜「可愛い子の顔は見たら忘れませんからね」

恵瑠「あはは、ありがとうございます♪」

凍夜「ここで働いてるのは初めて知ったなぁ」

凛「いい娘ですよ。覚えもいいし手先も器用で」

恵瑠「も~、凛さん、褒めすぎですぅ。」

社「カエルちゃんは最近綺麗になっていくよね。恋でもしてるのかな。だとしたらスクープだ」

恵瑠「もー、そんなんじゃないですよーだ。」

拳二「あれ、アンタ確か、編集長の……」

社「どうも。っというか編集長では無いんですけどね。」

凍夜「知り合いで?」

拳二「ツレの知り合いだ」

社「悠君の知り合いですだからそうなりますか。あ……私、森下社っていって雑誌のライターしてます。これ、名刺です」

凍夜「社さんね。どうも。俺は結城・クリストファー・凍夜。池袋で魔天楼って金貸ししてます。ご相談があったらどうぞ。名刺です」

社「魔天楼……?もしかして、池袋の駆け込み寺の?」

凍夜「ええ、まー、そう呼ばれてたりもしますね。あはは」

社「(これは少し記事になるかもしれない)」

拳二「嬢ちゃんはちぃっと胸にボリュームがたりてねぇなぁ」

恵瑠「あーん、凛さーん!セクハラされますぅ!!」

凛「おイタはだめですよ?」
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