ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー池袋:摩天楼ー

拳二「最近調子はどうよ」

凍夜「びっくりした……。どーしたんスか」

拳二「近くを通りかかったから、様子見に来たんだよ。っても、パチンコの帰りだけどな」

凍夜「はぁ。まぁ、どうぞ。」

拳二「……」

凍夜「どーうかしました?」

拳二「所々綺麗なのに所々散らかってるのはなんでだ?」

凍夜「あー、はは。いや、うちの従業員の子が使う場所は綺麗で、俺の使う場所はアレな状況なんです。時間があったりしたら掃除してくれるんですけどね」

拳二「どんな奴だったかな。俺ぁ、あったことあったか?」

凍夜「どうでしたっけね。まぁ、お茶でもどうぞ」

拳二「茶より灰皿もらえっか」

凍夜「はいはい。」

拳二「ふー……」

凍夜「拳二さんの方こそ調子はいかがです?」

拳二「良くはねぇな。どこもかしこも規制掛かって厄介だ」

凍夜「なんなら、お貸ししましょうか?」

拳二「馬鹿か極道が金貸しに借りれるか」

凍夜「いやいや、組としてじゃなく個人的にですよ。ご融資いかがです?」

拳二「結構だよ。それよか、お前こそ不良債権リストこっちにまわさねぇか?」

凍夜「やめておきますよ。」

拳二「うちと手を組めばそれなりに美味い汁は吸えると思うぜ。」

凍夜「俺には俺になりの営業方針がありますから。」

拳二「チッ。頑固な奴だ」

凍夜「あはは。うちなんかより大手の場所と手を組んだ方がいいですよ。」

拳二「まぁいい。今日は俺ぁオフだし。仕事の話はやめだ」

凍夜「ああ、オフだったんスか」

拳二「でなきゃうろうろしてねぇよ。」

凍夜「えー……」

拳二「んだよ。」

凍夜「俺も集金で街走り回ってますけど、けっこう拳二さんのこと見ますよ」

拳二「バッカ、俺ぁも集金でうろうろしてんだよ」

凍夜「ピンク通り(風俗街)に?」

拳二「それはアレだ。毒抜きだよ」

凍夜「あぁ、毒が溜まりますからねぇ」

拳二「そーそー。毒はぬかねぇとな。かっかっか」

凍夜「あはは」

拳二「ちょっと、屋上行くか?ぁ?」

凍夜「いや、遠慮しときます」

拳二「っていうか、客こねぇな」

凍夜「毎日客が来るような仕事でもないですって」

拳二「じゃあ、飲みに行くか」

凍夜「えぇ……いきなりですねぇ」

拳二「いや、それ目的で来たんだよ。」

凍夜「なら、なんで世間話に持ち込んだんですか」

拳二「落ち着いて一服したかったかにきまってんだろ。」

凍夜「まぁ……いいスけど。」

拳二「ついでこの荷物置いてって良いか?っていうか、菓子ばっかだから適当に処分してくれ」

凍夜「構いませんよ。茶菓子代わりに使わせてもらいます。」
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