ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー天涯独の家付近ー

金剛「(さて、どーするか……コイツ、女かと思ったけど己(おれ)っていってたし……。男みたいだな。ったく、摩耶みたいなのタイプかよ。)」

京「……」

独「がりゅー……。」

京「大丈夫だ。己が護るから。」

独「馬鹿!前見ろ!!」

金剛「ふんっ!!」

ドゴッ!!
京「むっ…?!」

亮「げっ……モロだ。」

摩耶「ポソポソ(いや。大丈夫。)」

くるるる……タンっ!

京「臥劉流・螺廻流(らかいながし)よって無傷」

金剛「ほう……回転で打撃衝撃を分散したのか。面白い!」

京「次で仕留める!!」

金剛「良いだろう。お前の勇敢さと敬意に称して全力で打ってこい受けてやる。」

京「……」

金剛「どうした?怖気づいたか?」

京「不思議だ。」

金剛「なに?」

京「お前は何だか悪いやつな気がしない。」

金剛「……ふん。」

京「だけど、己は負けないぞ。」




紅「どんな感じ?」

摩耶「金剛君が珍しくノリに乗ってる。」

亮「一撃勝負か……漢(おとこ)だな。」

摩耶「多分、金剛君はがりゅーちゃんのこと男の子と思ってるみたいだしね。」

卯天「え、気がついてるんじゃないんですか?」

摩耶「ううん。気がついてたら絶対パンチなんてしないもん。金剛君は女子供に手を出すタイプじゃないし。だから、僕や卯天君ともかなりやりづらがってるんだよ」

卯天「初めて知りました。」

摩耶「金剛君、見た目以外は甘口だから。」

亮「でも、すでに一発目弾いたよな?」

紅「あれもどーいうことだ?確かがりゅーの子猫ちゃんの螺拳は防御貫通+気の打撃だろ。」

摩耶「ゴリ伏せたならぬゴリ受けたって所だろうね」

卯天「できたら、解りやすくご教授お願いします」

摩耶「金剛君の全身は見てわかるように筋肉の鎧でできている。普通の打撃ならまずダメージは通らない。そのために急所とかを狙うんだけど……まぁ、それは置いといて僕の剄を打ち込んだり、鈴猫さんの八極拳はその肉を奥を打ち抜くものと思ってくれたらいいんだけど……。」

紅「その辺りはよくわかってないけど、わかってる。聞きたいのは旦那がなぜガード出来たかだ。」

摩耶「……筋肉で受けたんだよ。」

亮「は?」

摩耶「筋肉の移動が出来るのは皆知ってるよね?力瘤といっしょ。腕に筋肉の瘤を作る要領で、螺拳を打たれた腹筋一点に筋肉の瘤を集中した。結果……気も打撃も跳ね返した。」

「「「……」」」

摩耶「力技ってねゴリ押しって思えるけど、「力」の「技」なんだよね。僕が「技」の「術」を鍛えるように、金剛君は「力」の「技」を鍛えた。今の金剛君は桁が違うよ。個の肉体という武器だけで盾と矛を揃えた。金城鉄壁なんて生易しく無い。要塞万象だよ。」

亮「笑え……ないな。」

摩耶「金剛君と柏さんのタッグっていうのが最悪で最高の組み合わせだったのかもね。」
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