ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー天涯独の家付近ー

独「じゃあ、俺と小鳥遊先輩って仲良くなれそう?」

摩耶「うーん。どうかなー、悠君は基本的に誰とでも時間をかければ仲良くなれるタイプなんだけど。自分と似てると磁石と同じでポーンって反発しちゃうんだよね。」

独「そこまで似てる?」

摩耶「雰囲気だけね。あと、その前髪は似てるかな」

独「へぇー。あ、あのさ、素朴な疑問なんだけど君って男だよな?」

摩耶「うん。男だよ。よく間違えられるけど」

独「あ、ごめん。気にしてたかな?」

摩耶「いいよー。馴れてるしついでに言えば僕、大学生で独君より年上だよ♪」

独「あー、そうなん……だって?」

摩耶「面白い繋げ方するね。独君より、年上。」

独「マジすか?」

摩耶「マジでーす♪」

独「な、えー……っと…なんか、イロイロゴメンナサイ……」

摩耶「ま、そんなことはいいとして……。悠君からお願いされたわけだし。君に短期間で裏当てを習得してもらう。」

独「あ、はい。」

摩耶「大丈夫。一か月も有ればなんとか形にはなるよ。」

独「二日で」

摩耶「ん?」

独「二日」

摩耶「……はい?」

独「すいません。あと二日で覚えないとダメなんです」

摩耶「……」

独「正確にいうともうちょっとで一日と数十時間になります」

摩耶「そっかー。」

独「そうなんですよー。」

摩耶「あはは」

独「あはは」

摩耶「じゃあ、お疲れさまでーす」

独「ちょ、ちょ、ちょっと!待って!待ってください!! 」

摩耶「いやー。僕もね、ある程度の難題には立ち向かうつもりだったけど。それはフェルマーの最終定理くらい無理だよ。」

独「ふぇ、フェルマン?」

摩耶「ボケる余裕があるのは良い度胸だね」

独「余裕なんてないっすよ~」

摩耶「でもねー。一日と数十時間はいくらなんでも無理だよ。」

独「やっぱり無理ですよね…」

摩耶「……諦めるの早く無い?」

独「でも、無理なんですよね。」

摩耶「………………」

独「どうしました?」

摩耶「ちょっと、立って」

独「はい?」

摩耶「足はここ。っで、腰にロープを巻きまして……」

独「あ、あの?」

摩耶「っで、ここの柱に縛りつけまして」

独「もしもーし……」

摩耶「どう?動ける?」

独「いえ、右手しか動かないっす。」

摩耶「じゃあ。フライパンに裏当てしてみて」

独「……ハッ!」

ゴォン……ブォン!!カッン!!

摩耶「おー……痛そう」

独「うぐぐっ……あ、あの振り子って帰って来たのが顔面に当たるんですけど」

摩耶「裏当てが出来るようになったら。振り子らないよ。さっ、出来るまでやり続けて。でないと解いてあげないから」

独「なん……だと…」
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