ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー天涯独の家付近ー

独「ふ~~……はっ!」

ゴン!……ブォン!ブォン!

「あれ、独君やん。なにしてはりますのん?」

独「ん?あ、福さん」

福と呼ばれた男「ちわ。」

独「なんか、久しぶりっすね」

福と呼ばれた男「せやね。っていうか、独君は……なにしてんの?」

独「え、あー……身体鍛えてる的な?」

福と呼ばれた男「へえ……。フライパン吊って鍛えるってなんや斬新なやり方やな。」

独「俺もいまいち理解はしてないです。」

福と呼ばれた男「へ?」

独「いや、なんでもないっす。福さんは……仕事帰りかなんかっすか?」

福と呼ばれた男「ちゃうちゃう。ちょっと画材が欲しなってな。知り合いに分けてもらいに行く途中や。」

独「へー。福さん、絵を描く趣味なんてあったんだ。」

福と呼ばれた男「まぁ、風景画をちょっとな。ほな、行くわ」

独「あ、どもです。」

福と呼ばれた男「邪魔してごめんな。ほな、無理しなさんなや。」

独「うっす。……よし、続けるか。」

ゴン!……ブォン!ブォン!
ゴン!……ブォン!ブォン!
ゴン!……ブォン!ブォン!
ゴン!……ブォン!ブォン!

「たしかこの辺りって……お?」

独「ふー、はー……はっ!」

ゴン!……ブォン!ブォン!

「……」

独「上手くいかないな……。」

ゴン!……ブォン!ブォン!パシッ!

「ちょっと、力みすぎだよ。」

独「え?(誰……?子供?女の子?)」

「裏当ては下腹に力を込め過ぎずに胆に力を溜めて打つのが形なの。だから、そんなに力いっぱい踏みこんだら下半身に力が流れてぶれちゃう。それに、拳を握り込みすぎてる。見てて」

ドッ!こおぉぉん!
ゴッ!こおぉぉん!
トンっ!こおぉぉん!

独「すげぇ……。まったく、振り込みたいにならない。」

「馴れてきたら。」

カッ!こおぉぉん!

独「蹴りでもできるんだ!?え、てか、君は?」

摩耶「あ、ごめん。僕は摩耶っていうんだ。君てんがいこどくくんだよね?」

独「天涯「独」です」

摩耶「あれ?悠君がいってたのとちょっと違う」

独「悠……って、小鳥遊センパイかな?」

摩耶「うん。小鳥遊悠。僕の親友、なんか良くわからないけど、君がここら辺にいるから裏当てを教えてあげてって頼まれたの。」

独「ええ!?」

摩耶「えと、なんだつけ、君が神姫さんに龍剄教えてもらおうとして条件付けられて、がりゅーちゃんが悠君に頼もうとしたけど居なくて、あとから連絡はいって、悠君から僕にバトンがきたってことらしいよ」

独「あー……途中はしょってるけど、なるほど」

摩耶「へー」

独「なにか?」

摩耶「いや、今の「あー」って悠君の口癖に似てたから」

独「へー、そうなんだ。」

摩耶「雰囲気が似てるっていうのかな?」

独「はー……」
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