ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー天涯独の家付近(夜)ー

独「……既に三日たったのに……一向に前進しない…。」

京「独、あきらめちゃダメだ。パンチ力は上がってるぞ。」

独「日に何十回も殴ってたらな……。はぁ。」

京「独……。落ち込んでるのか?」

独「ちょっとな。」

京「えと……己はどーしたら、独を元気できる?」

独「いや、がりゅーがどうこうする問題じゃないし……。こんな夜まで付き合ってくれてるしな。」

京「そうか。でも、己じゃ力になれてない。」

独「うーん……あ、そうだ。」

京「なんだ?」

独「髪下した姿みせてくれたら元気出るかも」

京「髪をおろすのか?」

独「そーそー。」

京「そんなことでいいなら。」
しゅるる……ぱさっ…

独「おー。」

京「こんなことで元気になるのか?」

独「なるなる。」

京「ふーん…?」

独「あ、でもこれ、九頭竜さんには内緒にしておいてくれ。」

京「なんでだ?」

独「おねがいだから。」

京「うん。わかった。」

独「ほっ……。」

京「じゃあ、もうちょっと頑張ろう。己いっしょにやるから」

独「おう。」

京「はぁぁ!破!」
こっ!こぉぉぉん!
ふぁさ……

独「……(おー、髪が靡いてる)」
こっ!こぉぉぉん!

京「あれ?」

独「うん?」

京「独、今のもう一回!」

独「え、え?えーと……はっ!」
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…

京「あれ?(気のせいだったのかな)」

独「(やっべー、もしかして、がりゅーの背中見てて集中してなかったの怒ってるのかな)」

京「……」

独「……」

京「独、もっとだ!」

独「お、おう!」

すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…

京「うーん……やっぱり気のせいだったのか。」

独「はぁはぁ…。」

すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…
すっ!こん……ブン、ブン、ブン…

京「(うーん……神姫姉になにか秘訣を教えてもらったほうがいいのかな…。)」

独「き、今日はこのくらいにしとかないか……手がもう痛くてきついんだけど」

京「もうあと十本だ!」

独「お、おー……。」
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