ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー陵桜学園高等部教室ー

独「……」

雫「今日も動かないのです。」

伏見「二日続けてこれだと明日には学校も来なくなるんじゃないかな?」

京「大丈夫だ。己が送り届けるから」

白嶺「強制連行みたいな感じね。」

伏見「それにしても、大丈夫なのかい?急激な環境の変化に彼はグロッキー状態なんじゃないのかい…?」

釘夜「案外大丈夫だとおもうぞ。」

独「……」

白嶺「大丈夫そうには見えないけど?」

釘夜「弱ってはいるけど……大丈夫だよ。ヘタレの体力なしのバカだけどとにかく生命力とかは高いし。独の唯一の取り柄だ。今まで病気っていう病気になったこと無い。ちなみにソイツ小中と皆勤賞な」

京「凄いな独!」

独「……」

釘夜「ダメだな、褒めたのにも反応しない。」

白嶺「今のさっき大丈夫っていったばかりよね?」

雫「よいしょ。」

伏見「姫島さん、それは?」

雫「お供え物のおにぎり。」

伏見「彼はお地蔵さんとかではないよ」

雫「冗談ですよ。これは私のお昼ごはんです……よ?あれ、おにぎりさんは?」

独「むぐむぐ……シンプルな塩むすび。」

白嶺「もしかしてお腹すいてただけ?」

独「朝飯は入らなかったけど今ごろお腹すいてきてな。」

雫「ガーン……私のごはん…。」

伏見「自業自得だと思うけど」

京「独、お腹すいてるのか」

独「握り飯ひとつじゃちょっと物足りないな。かといって何か買ってくるほど金も無し」

白嶺「私たち遠まわしにたかられてる?」

釘夜「ガムならやる」

伏見「のど飴でよければ」

雫「可哀想なのでとっておきのニッキ水あげますよ」

独「口の中がスースースーだよ。一日中スースーし続けそうだよ」

京「なら、己の昼ごはんわけてやる。」

独「いや、それは悪いよ。」

京「いっぱいあるから遠慮しなくていい」

独「なら遠慮なく」

伏見「切り替え速いね。」

独「背に腹は代えられないし据え膳食わねば高楊枝だ。」

白嶺「正しくは据え膳区食わぬは武士のはじね。」

伏見「しかも武士は食わねど高楊枝とブレンドして間違う人なんて初めて見たよ」

釘夜「もしかしたら、狙ってボケたのかもしれないからやめてやれよ。」

独「素で間違えたよ。だから冷静に解析したりフォロー入れるのやめてください。痛いです心がブロークンです。」

京「持ってきたぞ」

独「おー……?これは?」

白嶺「水筒みたいね」

京「トン汁だ。」

独「水筒いっぱいのとん汁?」

京「そうだ。もう一本あるぞ」

白嶺「がりゅー……ご飯とかは?」

京「無いぞ。足りなかったら買って食べてくれと神姫姉にいわれてる」

白嶺「大雑把なのかマメなのか解らない人ね」

独「ズズズ……美人なひとだ。っていうか、美味い」

釘夜「食ってるしな。」
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