ｰ池袋:和龍軒ｰ

紅「わりゅうすぺしゃる四つ大盛りで」

千夜「あいよ」

ボンバー「って、俺らにはメニューを開かせる間も与えない系か!?」

紅「あははは」

ボンバー「笑ってやがる」

宗次「あれ、お前表記変わった?」

ボンバー「表記って何!?」

弩躬「まぁ、ここのメニューは何食っても美味いし「わりゅうすぺしゃる」は絶品だ」

ボンバー「俺の疑問とかは完無視か」

紅「それで、アンタが売った奴について教えてくれるか?」

宗次「ああ、わかった。」

ボンバー「……」

弩躬「お前のポジションが分かった気がする」

ボンバー「うるせぇよ!」

宗次「俺が作ってたのは「ロケットウィンチ」。リュックみたいに背負って必要に応じてアンカーを射出して高いところに登ったり、逆に下ったりする。用途としては登山とか高所作業……ここまでは前もいったよな?」

紅「ああ、聞いた。」

宗次「でだ、売った奴についてだけど……仲介屋みたいなもんだから、そいつは犯人じゃないと思う。」

紅「んん?」

弩躬「つまり、その仲介屋から買っていったヤツが犯人か」

宗次「そういうこと」

紅「なんだかドンドン遠くなってくるな」

弩躬「千里の道も一歩から、遠回りに見えてこうやって一個一個当たっていくのが正解なんだよ」

紅「そーかねぇ……。」

宗次「なにか?」

紅「いや、実はお前が真犯人でした……なんて、落ちがまってるんじゃないかと疑ってる」

ボンバー「おいっ!まだ疑ってんのかよ!」
ドン!

千夜「おいっ!」
ゴンッ!

ボンバー「!?」

千夜「テーブルを叩くな、店の中で暴れるな、許容できない範囲で騒ぐな、もう一度同じことで注意させたら引きずり出して全身に靴底の痣を作ってやるからな。わかったか?」

ボンバー「は、はい……すいません…」

千夜「チッ……わりゅうすぺしゃる大盛りお待たせしました。」

紅「おお、来た来た」

弩躬「ま、食いながら話そう。ここは俺が奢るから」

宗次「ごちになります」

ボンバー「いやいや、なんなんだよ。あの兄ちゃん!めっちゃ怖かったんだけど……」

紅「千夜ちゃんはアレだズゾゾ……。東口のランカーだ、ズゾゾ……。」

弩躬「しかも、ひとケタ台ズゾゾ」

宗次「そりゃすごい。ズゾゾ……うわ、なにこれ美味っ!めちゃ美味だっ!ズゾゾ!」

ボンバー「えええぇぇ……」

宗次「強くてこんな美味いラーメンが作れるとか……神だな。いや、ラーメン神か!ずぞぞっ!」

紅「千夜ちゃん、ラーメン神だってさー!」

千夜「うるせーよボケっ!」

弩躬「ラーメン神ご機嫌斜めだな」

紅「千夜ちゃんはツンだからな」

宗次「デレは?」

紅「見たことない」

弩躬「ツンオンリー、ツンリーだな」

紅「～～!」

宗次「……笑いすぎじゃない?」

弩躬「コイツ、笑いの沸点低くて笑い上戸だから簡単に笑うんだよ。引きつけ起こすレベルで」

宗次「面白いな」

弩躬「だろ」