ｰ池袋:烏帽子工場ｰ

弩躬「すいませーん」

ガシャン!ガシャン!

紅「おー、スッゲー音」

ガシャン!ガシャン!

弩躬「すいませぇぇぇーん!」

ガシャン!ガシャン!

従業員「はい?えーと、どちらさまでしょうか?」

弩躬「ここの鳥居のものです。」

ガシャン!ガシャン!

従業員「あぁ、鳥居さんところの!これは失礼しました。すぐに社長を呼んできますね。」

弩躬「どうもー」

ガシャン!ガシャン!

紅「すっげーVIP待遇じゃん」

弩躬「お得意様だからな」

ガシャン!ガシャン!

紅｢なんかムカつくわ｣

弩躬「そんなバカな……」

ガシャン!ガシャン!

「やー、弩躬君。」

弩躬「あっ、宗さん」

ガシャン!ガシャン!

宗「ここではなんだ、あっちの部屋に行こう」

弩躬「ういっす」

紅「どもっす」

ガシャン!ガシャン!



ｰ烏帽子工場:応接室ｰ

宗「いやー、すまないな。こんな場所しかなくて」

弩躬「いえいえ、十分ですよ。」

宗「そちらさんは初めての顔だな。俺がここの社長、烏帽子宗(えぼしそう)だ。おまえさんは?」

紅「俺はくれな……いや、赤木っていうもんです」

宗「ふむ……なかなか良いガタイだな。タッパもあるし……よし、いいぞ。雇ってやる。」

紅「は?」

宗「ん?」

弩躬「宗さん?なんのことだ?」

宗「あん?働き口が見つからなくて、弩躬君のコネでウチで働きたくて来たんじゃないのか?」

紅「違う違う。俺学生だし」

宗「なぁーんた、そっかあ。あっはっはっ。勘違いして悪かったな。」

紅「いや、いいっすけどね」

宗「それじゃあなんだ?いつもの注文かい?」

弩躬「いや、それも違う。宗次は居るか?」

宗「宗次?あのバカがなんかしちまったか?」

弩躬「そうかもしれない。」

宗「マジか……」

紅「確定ってわけでもないけどね。それを調べるために話し聞かせてもらいに来たんだ」

宗「そういうことなら何でも聞いてくれ。」

弩躬「最近連絡取った?」

宗「全然」

紅「顔を合わせたりとかは?」

宗「全然」

弩躬「何か怪しい気配とかは?」

宗「まったく分からん」

紅「……」

弩躬「……えーと……携帯の番号とか分かるかな?あと今住んでるところの住所とか」

宗「ああ、それなら……えーと……母ちゃん!おーい、母ちゃん。ちょっと来てくれー」

紅「……情報は薄そうだな」

弩躬「はは……だな」