ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー陵桜学園高等部教室ー

独「……」

ツンツン…ツンツン…
雫「動かないのです」

伏見「姫島さん、シャープペンの先で刺すのはやめたげなよ。普通に痛いと思うし」

雫「分かったのです。逆側でやるね。」

伏見「……」

釘夜「冗談(?)は置いといて朝からピクリとも動かないけど大丈夫か?」

独「……今まで生きてきた人生の中で一番疲れた」

白嶺「そんなハードなことしたの?」

独「ずっと走らされた」

「「「走っただけ?」」」

独「ステレオっていうか全方位から走っただけとかいうなよ……全力疾走でだぞ…」

京「びっくりしたぞ。まさか途中で倒れて動かなくなるなんて思わなかった。」

釘夜「しかも途中リタイアかよ」

伏見「倒れたって……そのあとどうしたんだい? 」

京「己が運んだ。」

独「おぶってくれてありがとうな」

京「全然平気だ。むしろ、いい鍛錬になったぞ。」

白嶺「リタイアしただけでなく、おんぶって……」

雫「それでーがりゅーちゃんの背中のごかんそーは?」

独「軟らかく、いい香りでした」

白嶺「呆れたわ…」

独「不可抗力だ。正直楽しんだことは一切否定しないけど」

伏見「いまだに君のキャラを把握できないんだが。」

釘夜「オープンむっつりだよ。いまいち喜んでるのかどうかは分かりにくいけどそういう部分はしっかり男だよ」

京「独は男だろ?」

白嶺「うん。いや、そういう意味でとはまた別なんだけど。」

京「?」

雫「ポソポソ(ねーねーヨミヨミちゃん)」

白嶺「(……なに?)」

雫「ポソポソ(がりゅーちゃんて赤ちゃんの作り方とかしってるのかなー)」

白嶺「……さぁ」

釘夜「っていうか、お前明日から続けれるのか?」

独「……」

白嶺「やめといたら?」

独「うーん……それ無理っぽい」

伏見「おや、意外にやる気なんだね。」

独「いあー……そーじゃなくてぇー…」

京「神姫姉にいわれたんだ。明日の朝も参加しないとぶん殴るって」

独「うん。多分あのひと本気だし。今日だって走ってるあいだに背中五、六回蹴られたし」

白嶺「初対面の人よね?」

独「記憶力の無い俺でもあんな美人は一度見たら忘れない。」

釘夜「そんな美人なのか?」

独「なんかあんな人を真近でみたらグラビアとかそんなもんだなって感じになる。」

京「神姫姉は美人だぞしかも強い。」

雫「けど、蹴りいれてくるですか?」

独「あれは真性のSだな。無言で蹴ってきたのはほんまもんだった。」

釘夜「お前……変な扉あけてないか?」

独「無い無い」

伏見「そこはすぐに否定したね。」

独「俺はどっちかっていうと美人より可愛い子とかの方が好みだし。」

雫「えへへ。照れるよ~。」

白嶺「ちょっと、姫島さん係」

伏見「いやいや、そんな係じゃないから」
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