ｰ蒼天塔:控室Aｰ

医者「ふーむ……見事にくりぬかれていますな。」

十一「何も問題ないですよ。」

医者「いや、問題はしかないのだが…」

十一「私の世界(ばしょ)に戻っただけです。これが正しいのですよ」

医者「まぁ、今さら治すこともできんわけだし、目玉の方はどうする?」

十一「……防腐加工しておいてもらえますか?」

医者「そのくらいならできる。金は頂くがな」

十一「いい値を払いますよ。それと……入ってきたらいかがかな?」

寅「…気づいてたのか」

十一「はは、当然です」

寅「残念だったな。」

十一「ふふっ、清々しい気分ですよ。」

医者「じゃ、私は失礼するよ」

十一「えぇ、助かりました。」

寅「どうするんだこれから?」

十一「今までと変わりはしないさ。ここなら相手には困らないし……ただ、しばらくは休暇に入るつもりでもいる」

寅「そうか……なんにしても続けていく気なら、そう遠くない未来にアンタと闘えるわけだ」

十一「ふふっ、楽しみにしているよ。ところで……黒き鬼は?」

寅「あー……何か胃の中が空っぽになったから飯食いに行くって言ってたぜ。アンタも来るか?」

十一「……いや、やめておこう」

寅「冗談だ。それじゃあな」

十一「少年」

寅「あん?」

十一「強き者をありがとう」

寅「……あぁ。」




ｰ池袋:居酒屋ｰ

雲水「ごくっごくっごくっごくっ……ぷはーー!いきかえるぜぇっ!」

寅「ピッチャーグラスを飲み干しやがった…」

雷太郎「お疲れ様です」

風太郎「お疲れ様です」

雲水「がはははっ。なかなか楽しめたぜ!」

拳二「こっちもおかげで大勝ちだ。いくらでも飲み食いしてくれや。俺ぁからの祝杯だ」

寅「アンタ……いったいいくら賭けたんだよ」

拳二「かっかっか、秘密だ」

愛「ウニ丼」

店員「ウニ丼ですね。畏まりました～」

寅「……質問を変えるが、そのもガキは?」

拳二「……」

寅「……」

拳二「す、すたんど?」

寅「意味が分かってないのに無理矢理ボケんなよ」

雷太郎「まさか」

風太郎「おっさんの」

雷＆風太郎「「子供?」」

拳二「ちげぇ!」

雲水「なんだぁ、ちげぇのか。子供はいいぞぉ。さっさと結婚して子供はバンバン作れ作れ。」

寅「鬼のおっさんは子供好きなのか?その面で」

雲水「がはははっ。顔は関係ねーだろ。でもまぁ好きッちゃ好きだぜ。親子ケンカもできるしなぁ!」

寅「それはメインに置くもんじゃないだろ…」

拳二「ガキなぁ。俺ぁまだいいかなぁ」

雷太郎「それ以前に」

風太郎「アンタは」

雷太郎「女が」

風太郎「できないだろ」

拳二「うるせーぞ!」

愛「ウニ丼うめぇ!瓦谷、おかわりしていい?おかわり」

拳二「お前痛風に何ぞ……」