ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー鳥居神社ー

弩躬「その話しあい、俺も参加いいか?」

雲水「おっ、戻ってきたか」

弩躬「っていうか、雲水さん。乱入とかしないでくださいよね……」

鳳「敵前逃亡はダメよ?矢は一度放たれたら帰る道はないのだから」

弩躬「無茶言わんで下さいよ…。それにこれは敵前逃亡じゃないですって」

鳳「じゃあ、何かしら」

弩躬「んー、自然災害?竜巻とか雷とか、そういうのからは逃げるとは言わないっしょ?」

雲水「がはははっ。自然災害と並べられるたぁオレも鼻が高いぜ。」

紅「あながち間違ってないな」

寅「確かに…」

弩躬「だいたいですよ?雲水さんと闘るなら闘るでソレ用に準備もしますけど、今回の当初の目的は雷太郎と……」

鳳「いつもいつも万全の体勢で何事にも当たれると思っていてはダメ、よ?ふふふふっ」

弩躬「……」

鳳「いつかは鳥居宗家に立つのだからしっかりね」

弩躬「はい、精進します」

紅「ボソっ(綺麗な顔して超怖いな)」

弩躬「ボソっ(怖さでいうならいい加減でも笑ってる雲水さんより、うちの先生のがホント怖いんだよ。)」

鳳「怖いくらいじゃないとやっていけないのよ」

紅「き、聞こえてた」

弩躬「地獄耳なんだよ…」

雲水「それで、お前らは結局何しに来た」

寅「盲目の格闘家と暗器使いの話をしに来た」

雲水「盲目の話しから聞こうか」

寅「蒼天塔は知ってるか?」

雲水「あんなデカイ建物をしらねぇヤツのが少ないだろ」

寅「なら裏のほうは?」

雲水「反則ありの闘技場のことか」

寅「あぁ、それの武器組に物部十一っていう奴がいる。そいつがとびっきりの対戦相手を探してる」

雲水「武器でとびっきりならお前だろ鳥居の」

鳳「あら、私じゃなくとも猿渡殿、天馬殿もいらっしゃるのに」

寅「いや、武器組といってるのはダミー。本当は空手家らしい。」

雲水「よっしゃ、オレが出てやる」

紅「そこで鬼のおっちゃ…って、即答?!」

雲水「なんだぁ。オレを呼びに来たんじゃねーのか?」

寅「そうだが……いいのか?」

雲水「今は暇だから構わんぞ。」

風太郎「先生、雷の鍛錬は……」

雲水「別にしてやるよ。昼間に」

寅「アンタは暴れっぱなしで生きてるのか」

雲水「がははははっ!」

弩躬「それは置いといて暗器使いっていうのは?」

紅「あぁ、そっちは俺が追ってる男なんだけど。なんか凄いんだよ一瞬にしてビルの上まで飛んだり無数にナイフ飛ばしてきたり」

弩躬「……先生」

鳳「あら、宗ちゃんみたいね」

紅「宗……ちゃん?」

鳳「烏帽子宗次(えぼしそうそうじ)っていってウチとは遠縁だけど親戚にあたってね。科学とと武の融合、科学武術っていうのを広めていくって言っていたわ」

紅「……一瞬でビルの上に飛び上がれるトリックの正体に目星は?」

弩躬「ええとー」

鳳凰「小型のウィンチじゃないかしら。リュックのように背負って器具を発射してどこかに引っ掛けるあとはスイッチひとつでワイヤーが巻き上がって一瞬で高い所にも飛び上がれる」

紅「……」

弩躬「たぶん、俺もそう思う……。」
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