ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー天涯独の家付近ー

独「ふあぁぁ~……なんとか起きれた……寝むっ…」

ダダダダダダダ!

京「独!おはよう!」

独「お、おはよ…」

京「どうした?」

独「いや……全力疾走で走るのか?もっとこう一定のペースでとか」

「がりゅーはそれがベストペースなだけよ。普通そんなオーバーペースで走らなくていいもの」

独「(うわっ……チャリに乗ったすっごい美人)」

京「おお。紹介する。九頭竜神姫。己の従姉の神姫姉だ。」

神姫「はじめまして。」

独「あ、どうも。天涯独です」

神姫「天涯ね。よろしく。さっそくだけど……身長高いわ。なにか運動してた?」

独「小中高と帰宅部です。とくに習い事もしてません。」

神姫「……」

独「なんかすいません」

神姫「いちいち謝らなくていいからしゃきっとしなさい」

独「はぁ…」

神姫「それでどのくらいなの?」

独「なにがです?」

神姫「喧嘩歴。少しは身体鍛えてるんでしょ?」

独「いえ、全然。かつあげされることは頻繁にありましたけど。」

神姫「なっさけな……あのねぇ、なんでその体格でかつあげされてんのよ」

京「かつあげ?」

独「脅されて金とか奪われること」

京「なんだって!」

独「なので人並み程度に体力がついたらいいなと思ってます」

神姫「あーイライラする。悠とは違う意味でイライラするタイプだわ」

京「神姫姉、落ち着いて」

神姫「天涯!いや、名前なんか呼ばないわ。アンタ!」

独「は、はい!?」

神姫「全力疾走しろ」

独「は、はい?」

神姫「いいから走れ!!」

独「は、はいいぃぃ!!」

京「おー!やる気だな!よーし、己も負けないぞ!」

神姫「ペース崩したら蹴るわよ!」

独「えぇぇ?!ちょ、冗談っすよね?!」

ピッ……チュン!!

神姫「スピード緩めるな…」

独「な、なんか撃たれた!!」

京「神姫姉は龍剄気孔の達人だから怒らせないほうがいいぞ。上からドンっとか真横からスパンとかされるから」

独「どうなる?それどうなってる状況?!」

京「己はくらったことないけど悠お兄ちゃんがいってた。頭に鉄の板叩きつけられる感じがするって」

独「死ぬから!それ死ぬから!」

神姫「ガタガタ騒ぐな!走りなさい!!」

独「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!俺吐きそうです」

神姫「吐き切ったらすっきりするんじゃない?」

独「(怖えぇぇ!このひと本気だ?!)」

京「朝から走るのたのしいな!」

独「地獄だよ!」

神姫「まだまだ温いわよ」
38/100ページ
スキ