ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー相撲部屋:前ー

風太郎「それで雁首揃えて何か用か?」

紅「鬼のおっさんに会いたいんだけど」

風太郎「じゃあ、一緒に行くか?俺も今から行くところだし」

寅「ここにいるんじゃねーのか?」

風太郎「いや、ここは違う。っていうか、なんでお前ら先生がここのタニマチしてるって知ってるんだ?」

紅「たにまち?」

風太郎「スポンサーのことだよ。ここの相撲部屋は先生がスポンサーしててときどき稽古も見てる」

寅「あのおっさん力士か何かだったのか?」

風太郎「いや、相撲見るのが趣味で今はこうしてるらしい」

響「あら、風太郎さん。ごきげんようですわ」

風太郎「嵐富士。身体はいいのか。」

響「もちろんですわ。それでは失礼します」

紅「なんだ今の見たまんまお嬢さまな子供」

風太郎「あれもここの相撲部屋に来てる奴だ。女相撲を立ちあげるのが夢とかいってたな……」

寅「あんな小さいのが相撲?」

風太郎「あれでも突貫能力は高いんだよ。でも、この前まで入院してた。」

紅「入院?」

風太郎「詳しく取らないけど、先生がいうには多分臥劉と喧嘩して負けたんだろっていってたよ。」

紅「臥劉って、がりゅーの嬢ちゃん?」

風太郎「そうそう。」

寅「その話し長いか?」

風太郎「いや、もう終わり。さぁ、行こう」




ー鳥居神社ー

紅「ここにいるのか?」

風太郎「あぁ。」

寅「なんだぁ?階段登りでもしてんのか?」

風太郎「いや、先生はそういう鍛錬は自分でやれっていうひとだし」

紅「あのおっさんの鍛錬ってどんなハードなことするんだ?」

風太郎「……んー、先生はあんまり教えてはくれないんだよな。」

寅「は?」

風太郎「【鬼状態】のことはちゃんと教えてくれたけど。あとは殴り方と蹴り方くらいかな。」

寅「どういうことだよ……」

風太郎「基礎体力は自分でどうにかしろって投げ捨てる人なんだよ。だから、腕立てしようが腹筋ばっかりしようが何も怒られない。そのかわり対戦相手だけは次々に見つけて来てくれる。」

紅「んん?」

風太郎「要するに身体は自分で鍛えて、実践相手は探してくれるんだよ。この前だって空手家のヤバい人と対戦させられたし」

寅「じゃあ、ここに雷太郎と来てるってことは……」

風太郎「そういうこと、ここには鳥居弩躬っていうやつがいてソレと対戦してるんだと思う」

紅「弩躬か、知ってる知ってる」

寅「お前、意外と顔広いんだな」

紅「俺がっていうより悠かな。その伝手で知り合いになってる感じだ」

風太郎「アイツは確かに顔広いな。ウチの先生だけでなくそのほかの人らとも知り合ってるし」

寅「たまに気持ち悪いのとも知り合いだしな」

風太郎「まぁ、本人が一番気持ち悪いしね」

寅「ははっ、言えてるぜ」

紅「酷いなぁお前ら」
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