ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】
ー池袋界隈:裏路地ー
寅「待て!コラ!」
帽子の男「……」
寅「待てや、このッ!」
ヒュンっ!
スッ…
帽子の男「……」
寅「チッ!」
帽子の男「……!?」
紅「おっと、待てよ」
寅「気がつかなかった?大分前からそいつが居なかったことに」
紅「ここは俺たちの街だ。後ろから追いまわすだけしかできないと思うなよ」
帽子の男「……たかだか挟み撃ちしただけで調子に乗るな馬鹿」
ジャラリッ!
ジャラリッ!
寅「っ?!」
紅「うおっ?!」
追い詰めたはずの男はやたら長い袖を振るうと金属の擦れる音ともに何かが紅、寅を目掛けて飛んできた。
しかし、片や喧嘩トップファイター、片や蒼天塔の現役闘士。紅は即座に背中からバットを抜くと飛んできたモノを打ち飛ばし。寅は蹴り弾き飛ばした。
帽子の男「ひゅっ……!」
奇襲攻撃を制された男だがそれに驚いた様子なく短く息を吐いて寅の方に詰め寄った。
ズルリと長い袖からのび出てきた手には鈍く光るトンカチが握られていた。
遠心力に任せた横振りのそれをワンステップで後ろに下がって寅は避けた。ガツンっと壁にめり込む。偽物ではなく本物の鈍器らしい。
寅「ちっ…けど、遅ぇっ!」
一歩後ろに下がるも地面を蹴って反動で前に踏み込んで左ストレートを男の腹に叩きこんだ……っが、手に伝わって来た感触は鉄の塊り。比喩などではなく実際に腹に何かを仕込んでいたのだろう。
さすがの寅も顔が歪んだ。男はその隙を逃さない。膝を突きあげ寅を蹴り飛ばすが逆の肘を振り降ろししっかりとガードする。
帽子の男「チッ」
紅「そっちばっかりで楽しむなよっ!」
帽子の男の背後から紅は縦にバットを振った。振り向きざまに腕をあげてそれを受け止める。
ガキンっと明らかに金属と金属がぶつかる音がした。
寅「コイツ……いったいどれだけ中に仕込み入れてやがるんだ。」
少なくとも最初に投げてきたもの、ハンマー1本、腹に鉄板、そして腕に何か……。
紅「腹と、腕が駄目なら……足だ!」
寅「面だ!」
紅は下段、寅は上段へ攻撃を仕掛ける。
帽子の男「悪いけど逃げるわ。じゃあな」
ふたりの攻撃は空を切った。敵の声は上空から降ってくる。
紅「どこだ!?」
寅「上だ!」
帽子の男はどうやったのかビルのはるか高みで立っていた。
帽子の男「今夜は楽しめた。これはそのお礼だ。じゃ、バイバイ」
顔は見えないが笑っているのだろう、大きく袖を振るうとキラキラとした物が降ってくる。一瞬、何かと目をこらした寅と紅は慌てて左右に逃げた。自分たちが立っていた場所に無数の刃物やさっき振り回していたハンマー、鉄球、果ては割れたガラスなどが降って来たのだ。
紅「くっそ、ふざけやがって……おーい、トラチー平気か?」
寅「あぁ、かすりもしてはいないが……ムカつくな」
紅「まったくだ…。しかし、なんだこれ、これだけのモンを持ってたのか?」
寅「しらねーよ。それより、どうやってこのビル飛び上がったのかの方が気になる。」
紅「はぁ……それにしても、まんまと逃げられた、か」
寅「待て!コラ!」
帽子の男「……」
寅「待てや、このッ!」
ヒュンっ!
スッ…
帽子の男「……」
寅「チッ!」
帽子の男「……!?」
紅「おっと、待てよ」
寅「気がつかなかった?大分前からそいつが居なかったことに」
紅「ここは俺たちの街だ。後ろから追いまわすだけしかできないと思うなよ」
帽子の男「……たかだか挟み撃ちしただけで調子に乗るな馬鹿」
ジャラリッ!
ジャラリッ!
寅「っ?!」
紅「うおっ?!」
追い詰めたはずの男はやたら長い袖を振るうと金属の擦れる音ともに何かが紅、寅を目掛けて飛んできた。
しかし、片や喧嘩トップファイター、片や蒼天塔の現役闘士。紅は即座に背中からバットを抜くと飛んできたモノを打ち飛ばし。寅は蹴り弾き飛ばした。
帽子の男「ひゅっ……!」
奇襲攻撃を制された男だがそれに驚いた様子なく短く息を吐いて寅の方に詰め寄った。
ズルリと長い袖からのび出てきた手には鈍く光るトンカチが握られていた。
遠心力に任せた横振りのそれをワンステップで後ろに下がって寅は避けた。ガツンっと壁にめり込む。偽物ではなく本物の鈍器らしい。
寅「ちっ…けど、遅ぇっ!」
一歩後ろに下がるも地面を蹴って反動で前に踏み込んで左ストレートを男の腹に叩きこんだ……っが、手に伝わって来た感触は鉄の塊り。比喩などではなく実際に腹に何かを仕込んでいたのだろう。
さすがの寅も顔が歪んだ。男はその隙を逃さない。膝を突きあげ寅を蹴り飛ばすが逆の肘を振り降ろししっかりとガードする。
帽子の男「チッ」
紅「そっちばっかりで楽しむなよっ!」
帽子の男の背後から紅は縦にバットを振った。振り向きざまに腕をあげてそれを受け止める。
ガキンっと明らかに金属と金属がぶつかる音がした。
寅「コイツ……いったいどれだけ中に仕込み入れてやがるんだ。」
少なくとも最初に投げてきたもの、ハンマー1本、腹に鉄板、そして腕に何か……。
紅「腹と、腕が駄目なら……足だ!」
寅「面だ!」
紅は下段、寅は上段へ攻撃を仕掛ける。
帽子の男「悪いけど逃げるわ。じゃあな」
ふたりの攻撃は空を切った。敵の声は上空から降ってくる。
紅「どこだ!?」
寅「上だ!」
帽子の男はどうやったのかビルのはるか高みで立っていた。
帽子の男「今夜は楽しめた。これはそのお礼だ。じゃ、バイバイ」
顔は見えないが笑っているのだろう、大きく袖を振るうとキラキラとした物が降ってくる。一瞬、何かと目をこらした寅と紅は慌てて左右に逃げた。自分たちが立っていた場所に無数の刃物やさっき振り回していたハンマー、鉄球、果ては割れたガラスなどが降って来たのだ。
紅「くっそ、ふざけやがって……おーい、トラチー平気か?」
寅「あぁ、かすりもしてはいないが……ムカつくな」
紅「まったくだ…。しかし、なんだこれ、これだけのモンを持ってたのか?」
寅「しらねーよ。それより、どうやってこのビル飛び上がったのかの方が気になる。」
紅「はぁ……それにしても、まんまと逃げられた、か」