ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー池袋界隈ー

紅「なんだかなぁ」

走「はい?」

紅「これって事件なのか?」

禅「と……いい……ます…と?」

紅「いや、だって……話し聞く限り入院したのは可哀想かもしれないけど、超自業自得じゃね?」

禅「ふむ……で…は、紅……さん……の…推理を……聞きま……しょう……か」

紅「推理も何も……アイツがいってた通り誰かと肩がぶつかった。それで喧嘩になって追いかけたはいいが路地でズッ転んで、これは千載一遇と逃げていたヤツが頭ブッ叩いた。」

走「自分も概ねソレッと同じだと思いますけど」

禅「なる……ほど…。」

紅「禅は違うのか?」

禅「引……っかか……る…ことが…二つ…」

走「引っかかること?」

禅「……」
カチカチ…

ぴろりろりん
走「ええーと、まず「ずっこけた事」です」

紅「ん?」

禅「……」
カチカチ…

ぴろりろりん
走「いくら夜で裏路地とはいえ何もないところでずっこけたりするでしょうか」

紅「うーん、よっぽどドジか抜けてたんじゃね?」

禅「……」
カチカチ…

ぴろりろりん
走「では、仮にドジだったとしましょう。では、次に気になるのは距離」

紅「距離?」

禅「……」
カチカチ……

ぴろりろりん
走「追いかけていっているっていうことは距離が空いてるわけです。そのうえで後ろでこけた人間が頭をあげるよりも早く後頭部に何かを叩き落とせるでしょうか。」

紅「ブロック片をブン投げたとか」

走「あー、でもそうなると現場に凶器が残ってるんじゃないっすか?」

紅「なるほど」

禅「とり……あえず…現場……に…いって……みますか」




ー池袋:裏路地ー

紅「見事に路地裏だな」

走「路地裏っすね」

禅「……」

紅「なに調べてるんだ?」

禅「ここ……みてください……」

紅「ん?なんだそれ……コンドームか?」

走「なにをいっとるんすか!!」

禅「コン…ドーム……では…ない……で……すが…ゴム…風船……ある…いはボール…状……の…なにか…です…ね」

紅「は?」

禅「……」
かちかち……

ぴろりろりん
走「んーと、どろどろに汚れていますが、このボールの中に何か液体が入っていたとします。それを走ってるさ中に踏み潰したら……?」

紅「滑ってズッ転ぶ……ってか?」

禅「は……い。そして……離れた……距離から……ぐしゃっと……」

紅「待て待て、つまりアレか罠を仕掛けつつ、全ては狙い通りになったてことか?」

禅「可能性……の…ひとつ……ですが……なに……せ……ロス……トナン……バー……は……暗器…使い」

紅「暗器」

走「使い……?」
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