ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー池袋界隈ー

羅漢「むっ?」

拳二「おっ?」

雲水「あっ?」

羅漢「コイツはなんだな。雁首揃うってぇのか?」

拳二「しらねぇ」

雲水「ヤクザもんはともかくアンタと会うとはな」

羅漢「アンタも十分ヤクザもんだろう」

雲水「がはははっ。見た目で判断すんなって習わなかったかよ」

羅漢「覚えがねぇな」

拳二「俺ぁもねぇわ」

雲水「どいつもこいつも……」

羅漢「まぁどうでもいいや。ここで有ったのも何かの縁だ」

雲水「やるか?」

羅漢「呑みにでも……まぁ、やってもいいがよぉ!」

拳二「どういう会話だよ」

雲水「こういう会話だろ」

羅漢「もうすぐ肉体言語なやりとりに変わるけどな」

拳二「ふーっ、警察署が近いのに良くやるぜ」

雲水「お前さん、見た目の割にまともだな」

拳二「おい、おっさん。そりゃどういう意味だ」

雲水「お前もおっさんだろ」

羅漢「だな」

拳二「誰がおっさんだ!俺ぁはまだ二十代だ!」

雲水「……あ?」

羅漢「……あ?」

拳二「オイコラ、なんだその面は……なにデカイ図体して一歩引いてんだお前らよぉ」

雲水「いや、なぁ?」

羅漢「俺らとそんなに歳かわらねぇんだろ?今のはサブいギャグなんだろ?」

拳二「意味が分からねぇよ!免許見せてやろうかゴラァ!!」

雲水「見せろ!」

羅漢「話しはそれからだな!」

拳二「なんでそんなに喰い気味なんだよ!あぁ、見せてやるよ!そんなに見てぇなら見せてやるよっ!オラっ!」

雲水「……」

羅漢「……」

拳二「黙るなよ。ひとの免許の見て黙るなよ。なんでそんなに愕然とした顔してんだよゴラァ!!」

雲水「最近のヤクザは年齢さしょうもするのか……」

羅漢「この免許自体が偽造品なんじゃねーのか?」

拳二「コイツら……」

柏「おい、そこのゴツイ奴ら」

拳二「あ?なんだ柏じゃねーか。今日は妙な奴らによく合う日だな」

柏「こっちのセリフだボケ。こんな往来で何してやがる。通報があったぞコラ」

雲水「通報?なにか事件か?」

羅漢「このへんも物騒になってきたなぁ。」

拳二「まったくだぜ」

柏「お前らが雁首揃えてるから通報があったっってんだよボケ!」

拳二「別に何にもしてねぇぞ。免許見せてただけだ」

柏「免許だと?」

雲水「これ、偽造免許だぜ」

拳二「ホンモンだよ!」

柏「本物っぽいが……」

羅漢「生年月日見てみろ」

柏「…………逮捕だな」

拳二「訴えるぞボケッ!!」
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