ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ーとある書道教室ー

響「文字には不思議な力があります。時には心を落ちかせ、時には決心を着ける、気持ちを文字として表現し書くことが大事なのです。上手い下手ではありません。さぁ、どんどん書きましょう……。」

道玄「……」

雲水「……」

猿渡「……」

天馬「……」

鳳「……」

天地「……」

琥珀「……」

夜見「……」

響「ふぅ……アナタ方、一同が顔を揃えてやって来られると教室がせまく感じてなりませんね。」

道玄「心を落ち着けるには、字を書くのがいいと言ったばかりだろ」

響「九頭竜殿の域に達してなお、心が揺れるのなればそれはもはや事が大き過ぎるのですよ……なんと書きましたか?」

道玄「……」

【画竜点睛】

響「貴方らしいですね。」

雲水「儂はこういうのはどーも苦手だがな」

【鬼神】

響「豪快なれど百目鬼殿は繊細な字をお書きになるじゃないですか」

猿渡「天馬はかたいなぁ。オイラみたいにもっとラフい事かけよ」

【酒池肉林】

天馬「お前ほど色ボケていないだけだ」

【忍耐】

鳳「私のはどうかしら?」

【フェニックス】

響「型に囚われなくていいものだと思いますよ」

鳳「あら、嬉しい」

響「そちらはどうです」

天地「習字等いつ以来か」

【天地神明】

響「夏喜殿、この場合は書道ですよ」

琥珀「できた」

【常住戦陣】

響「どらもお二人らしい……冬花殿はいかがですかな?」

夜見「……」

【生涯現役】

響「ほう、素晴らしい心構えですね。」

夜見「……」

雲水「さぁて、堅苦しいのも終わったし飲みにでも行こうぜよ」

響「早速ですか……というより、そっちが本命だったのでは?」

雲水「がっははは!」

響「そういえば……秋月殿と駒狸殿は?」

天地「今は秋宵月に改名してて当主はちいこい嬢ちゃんだ。書のほうも腕は有るが主夫業が忙しいとさ」

猿渡「仙バァは鍼療所があるから手が離せないそうだ。まぁ、仙バァは中立だからな」

響「ふむ、いろいろと移り変わっているようですね」

雲水「お前さんはずいぶんと早くこっちの道に退いたからな」

響「ふふっ、私は書道が合っていただけのことですよ」

道玄「ふんっ、どうだかな。」

響「そう睨まないでいただきたい。」

道玄「睨んでない」

響「おっと、失礼。」

雲水「がはははっ。道玄の目つきの悪さは日本一だから、しゃーねーしゃーねー」
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