ｰ池袋界隈ｰ

漆原「くそ……早く出ろ」

ぷるる……がちゃ

瑠璃『はい?』

漆原「瑠璃!今どこに居る!!」

瑠璃『なんなんですかいきなり』

漆原「いいからどこに居る!!」

瑠璃『事務所よ。』

漆原「どこのだっ!!」

瑠璃『どこのって……新しい事務所ですよ。』

漆原「すぐ行く。そこを動くな!いいな!」

瑠璃『ちょっ……』




ｰ王の事務所ｰ

漆原「瑠璃っ!!」

瑠璃「はぁ……ドタバタドタバタなんなの?」

漆原「無事のようだな」

瑠璃「だからさっきから何なのよ。」

漆原「なんでもいい今すぐ……」

虎城「どうかしましたか?」

漆原「フーチェン……なぜ、此処に居る?」

瑠璃「いろいろと荷物を運ぶのに人手がいるって話しをしたら。手伝いに来たの。そうよね?」

虎城「はい、その通りです。私の部下たちに手伝わせました。」

部下A「……」

部下B「……」

部下C「……」

漆原「なんだそいつらは。貴様の下に部下がいるなんて聞いていないぞ」

虎城「あぁ、失礼しました。何分、皆さまお忙しい様子だったので報告をしているヒマが無かったのですよ」

漆原「……」

虎城「ところで王殿は?」

漆原「さぁ……な。」

虎城「ふむ。……そう、ですか。漆原殿」

漆原「なんだ」

虎城「何を警戒しているのです?」

漆原「なんのことだ?」

虎城「嘘をつくのが下手なお人ですね。ですが……ちょうど良い餌が揃いました。」

漆原「本性を現したか!」

虎城「なんだ……バレてたのか。やれ」

部下s「「「ハッ!!」」」





ｰ池袋界隈ｰ

王「んー、満腹満幅だわん」

ジュリエッタ「ですなぁ。ところで首領。ひとつ……いえ、いくつかお聞きしてよろしいですか?」

王「なーにぃ?」

ジュリエッタ「いったいどこから考えておられたのですか?」

王「なーにをん?」

ジュリエッタ「虎城殿がやってきたのは半月前……いったいいつから疑っていたのです?」

王「んー別にぃ、フーちゃんが来てから殺し屋に狙われ出した。怪しいってふつー気がつくでしょ。」

ジュリエッタ「ですが、手元に置いておいた。その結果命を狙われ続けるにも関わらず……。ですが、それを理由に雇い主と疑いをもった振りをして邪魔な薬売人を処分し、頭を潰され混乱状態のルートを警察に売り虎城の情報だけでなく貸しも作った……いったい貴方はどこまで、いや、いつからこういう風に利用できると考えていたのです?」

王「んーふふー。いつからかにゃー。」

ジュリエッタ「おぉぉぉ、残酷で美しい素敵ですぞぉォォ。」

王「さてさて、それじゃあ帰ろっか」

ジュリエッタ「御意!」