ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー三日月ー

凍夜「それでは、ことしもお疲れ様でした。来年もよろしくです」

拳二「おうよ。」

窈「なんか、俺まで呼んでもらってどうもです」

凛「忘年会ですか?」

凍夜「まぁ、そんなところですね」

拳二「俺ぁこの後まだ用事あっけどな」

凍夜「多忙ですねぇ。」

窈「ところでひとつきいてもいいですか?」

拳二「なんでぇ」

窈「後ろの子は?」

愛「女将ウニを頼む」

拳二「……」

凍夜「注文の仕方が海原雄山みたいですけど」

拳二「おまえ、他に食いたいもんねーのかよ」

愛「なんでも注文していいって言った」

拳二「いったけどよぉ」

窈「いや、どゆこと?あの幼女だれなんすか?ちょっと、マジで怒りますよ」

拳二「なんでだよ」

凍夜「でも、知り合いなんでしょ?」

拳二「居候だ居候」

窈「なん……だと?」

拳二「分けあってウチに住まわせてる」

愛「瓦谷の家に住んでる。」

凍夜「呼び捨てとは大物だね」

拳二「バカなだけだ」

愛「誰が馬鹿だ」

凛「ウニって……そのまま出したらいいのかしら?」

拳二「適当でいいから、このガキの舌は味の区別なんてできやしねーし」

愛「そんなことない」

拳二「前に実験しただろ。お前の舌は最強レベルの駄舌だ」

凍夜「どんな実験したんスか?」

拳二「安いウニと高いウニを喰わせたんだけどどっちがどっちか結局当てられなかった」

凍夜「ははは、なかなか酷いですね」

窈「ウニが好きなの?」

愛「好き」

窈「すいません、ウニのいいところ有るだけ持ってきてあげて」

拳二「何を勝手に……っていうか、いつのまにそっちの席に移動した」

窈「気にしないでください」

凛「それじゃあ、ウニ大盛りのウニ丼でいいかしら」

愛「わーい」

拳二「いや、テキトーでいいからホント」

窈「大丈夫、俺が払いますから」

拳二「あー……なら助かる。正直そいつが来てからウチの家計は火の車だ」

凍夜「……もしかしてごく最近、キャバクラにシャンパンタワーとかデリバリしたりしました?」

拳二「その時の記憶は曖昧だがやったなぁ。なんでしってる?」

凍夜「いやぁ、はは。ちょっと噂に聞いてたんで」

愛「キャバクラ楽しかった。また行きたい」

窈「子供をどこに連れていってるんだアンタ!」

拳二「なんかわかんねーうちにそうなってたんだよ!」

凛「あんまり変な遊びを覚えさせちゃいけませんよ?」

拳二「あんな遊びは俺ぁもしたことなかったよ……。」

愛「まぁ、気にすんな」

拳二「おめぇは気にしろ!!」
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