ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー神姫のマンションー

ピンポーン

神姫「はい?あら……おじ様とお父さん」

道玄「突然すまんな」

雲水「がははっ。ようす。」

神姫「別に構わないわ。どうぞ」

道玄「邪魔をする」

神姫「おじ様、その箱は?」

雲水「あぁ、小鳥遊のお嬢さんに貰ったものなんだが、それをもってきたんだ」

神姫「小鳥遊のお嬢さん?……もしかして梔さん」

道玄「ああ、儂らの家に野菜などを送ってくれていてな。神は最近帰らんから持ってきたのだ」

神姫「あら、帰らないだなんて。娘は私以外にもいるでしょ。それとも、さびしいの?」

道玄「ぬかせい。っと……いいたいが儂はともかく妹たちは少々寂しがっているぞ。」

神姫「それは……少し反省しておくわ」

道玄「神は電話もよこさんからなぁ。」

雲水「がはははっ。便りがないのは元気な証拠じゃねーか。それにここから実家などたかが知れた距離。会いたければこうして顔を出しにくりゃあいい」

道玄「車で片道二時間だがな」

雲水「なら、走れば三十分だろ」

神姫「私がいうことじゃないけどおじ様、普通は走るのスピードと車のスピードで比較して走る方が速いってことは無いのよ」

雲水「俺は遅いほうだぜ?なぁ、道玄」

道玄「ノーコメントだ」

神姫「あら、こっちの箱は蜜柑、こっちには野菜類ね。それにお米と……なにこれ肉の塊?」

雲水「溶けちゃいないだろ?」

神姫「これを担いで来たのに驚きだわ」

雲水「がはははっ。」

道玄「おかげで儂は楽できたがな。」

神姫「でも、これ……冷蔵庫に入るかしら」

雲水「今は冬だ。最悪ベランダにでもほうりだしときゃいい。それに肉は腐りかけも熟成されてうめぇぜ」

神姫「おじ様……今の時期はノロウィルスとか流行ってるんですからね」

道玄「気にするな雲水の場合、菌の方が避ける」

雲水「がはははっ。俺の家系は病気知らずだからなっ!」

京「神姫姐ただいまー」

神姫「お帰り。」

道玄「おかえり」

雲水「おう、お疲れ!」

京「あっ、どーげんと雲水おじさん。ただいま。こんにちは!」

雲水「がははっ。相変わらず元気いっぱいだな小僧」

神姫「おじ様、何度もいいますけどがりゅーは女の子です」

雲水「がははっ。分かってんだがなどうも小僧っていっちまうんだよ」

京「別に己は気にしないぞ!」

神姫「少しは気にしなさい」

道玄「はははっ。なぁに女はこれくらいの器量がないとな」

神姫「この場合は器量といっていいのかしらね」

雲水「どうだ。毎日充実してっか?」

京「うん。友達も増えたし、勉強も頑張ってるぞ。」

雲水「ほほおー。それはいいな」

京「でも、己バカだから分からないことも多いんだ」

雲水「なぁに、頭がちぃーと悪かったって一番でーじなのはな、此処だ此処。心をしっかりもっときゃいいんだよ」

京「おおっ!なるほどっ!」

神姫「間違ってはないんだけどねぇ……そっちはもうカンストしてる気がするんだけど」

雲水「がははっ。よし、それじゃあ。おっさんが少し闘って(遊んで)やっか表でな」

京「いいのか!」

雲水「おうよ!」

神姫「どっかひと気のない広いところでにしときなさいよ」

道玄「なにをいう。神も行くぞ」

神姫「はぁ……」
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