ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー池袋:BARルナティックー

拳二「ふーーっ、そんでどうよ?麗奈さん。今度食事でもうまいイタ飯屋があんだがよぉ」

月原麗奈(つきはられいな)、年齢不明。泣きボクロが色っぽい。ここのバーの女マスター。

麗奈「あら?冗談じゃなくて?」

拳二「おいおい、何で冗談なんて言うんだよ」

麗奈「だってねぇ?」

拳二「……」

愛「何か……甘いカクテルをひとつもらおうか」




ー池袋:街中ー

拳二「何で付いてくるかなーお前はよぉ」

愛「ヒマだった」

拳二「あのよぉ俺ぁマジで麗奈さん狙ってんだ。邪魔しねーでくれっか?あぁ?」

愛「麗奈は楽しそうだったよ」

拳二「そりゃガキは普通来ねぇからな」

組員A「あ、アニキおつかれス」

拳二「おう」

組員B「マナちゃん今度事務所来たらまたゲームしような」

愛「ん」

拳二「……」

キャバ嬢A「あら瓦谷さん帰りですか?」

拳二「あぁお前らは出勤か」

キャバ嬢B「あー、マナちゃんだー」
わしゃわしゃ

キャバ嬢C「かわいいー」
ぎゅー

キャバ嬢A「ほっぺプニプニ-」

拳二「……なんか……お前ぇ人気あんな」

愛「どうした?元気出せよ」

拳二「まぁいいや。俺ぁ、ちーとまだ寄るところあっから先帰ってろ」

愛「わかった、じゃあ」





ー池袋:一ノ瀬組系列キャバクラー

拳二「最近マナのヤツ。この界隈の顔になって来てねーか?」

キャバ嬢D「だっていつも瓦谷さんと一緒にいるから」

キャバ嬢E「目立ちますよー」

拳二「別に一緒に痛くねぇよ。それに最近といえばどうした?ちょっと前までは営業電話バンバンかけてきやがったくせに、いや、お前だけじゃねぇんだよ。最近おかしいんだよ女関係」

キャバ嬢D「だって」

キャバ嬢E「ねー」

拳二「あぁん?なんでぇ?」

キャバ嬢D「噂になってますよ」

キャバ嬢E「瓦谷さんは娘との時間を大切にしたいから「女遊びを一切断った」って」

拳二「……な……なんだってーー!?」

キャバ嬢E「あんな遊び人だった瓦谷さんがねぇ」

キャバ嬢D「やっぱり娘の力って偉大ですねぇ」

キャバ嬢E「ねぇデパートで愛ちゃんに百万くらい使ったって本当ですか?」

キャバ嬢D「うそー溺愛~~」




ー拳二のマンションー

拳二「(そうだったのか…)」

愛「おっ、瓦谷おかえり。」

拳二「(全部……コイツのせいだったのか……)」

愛「ねえご飯はー?」

拳二「(コイツの……)」

愛「ご飯、ご飯~♪」

拳二「ほらよ」

テーブルのうえに置かれたのはサバの水煮缶にフォークをブッ刺したもの。

愛「何コレ!!」

拳二「それくっとけ、俺ぁ寝る!」

愛「……ムシャムシャでも美味いな」

拳二「(決めた……決めたぜ俺ぁ!!あの小娘にかまってられっか!!俺ぁ、これから遊ぶぜ!!)」
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