ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】
ー屋上ー
独「……」
妙見「……」
睨みあう二人、しかしそんなピリピリした空気を気にせず独の背中でがりゅーがいった。
京「独、なんで独が怒こってるんだ?」
独「……好きなものを守りたいって気持ちがあるからかな」
京「おぉっ、そうなのか!好きなものを護りたいっていうのは己もよくわかるぞ!」
独「は、はは……」
まったく意図は伝わっていないが絶賛するがりゅーだった。
妙見「素晴らしい友情と愛情のコラボレートを見せていただけましたが……よそ見とは余裕ですね。」
笑顔を貼り付けたような顔のまま妙見は一歩前へと踏み込んだ。容易に独の懐に入り込み拳を打ちこむ。
独「グッ!なろっ!」
腹にメシメシと音を立てて拳がめり込む。しかし、威力は高くない。ならばと肉を切らせて骨を断つ如しに独は殴り払うように右の手を妙見目掛けて振った。
妙見「遅いですよ」
振り抜こうとした手を真下から弾かれてしまい、妙見は後ろに下がった。フットワークは軽い、しかし力はそれほど強くはない。
独「なんだ……こりゃ?」
ふと、弾かれた腕を見てみると痣が出来ていた。殴られたのならそれぐらい普通だろうと思うが……形が円形、そして色が濃い。大した威力ではなかったはずなのに深々と芯に痛みが出そうな痣になっている。
妙見「私の打撃はくらい続けるとあとが辛いですよ。今、悔い改めるのなら許してあげますよ。」
独「っ……」
京「己達はなにも悔いることはしていない!」
妙見「なるほど、素晴らしい威勢です、ね。しかし、ダメージを追うのは彼ですよ!」
京「よし、己が相手だ!」
両手の拳をぶつけて臨戦態勢に入るがりゅー。
独「いや、俺がやるって……」
妙見「本当によそ見ばかりですね」
敵が待ってくれるわけが無く、独の左頬に打撃がぶつかる。殴られたことより、気になったのは拳……の形だ。拳(こぶし)ではなく、掌(しょう)……いや、チョップ?奇妙な手の形で打たれている。
独「ぐっ……痛っ……」
殴られた後に走る痛みとは別の痛み……例の痣ができたのだろう。
妙見「はいっ!」
更に肩を打たれる。一発一発の痛みはないが確実に奇妙な痣はできつつあった。そしてなにより厄介なのがこの男のフットワーク、前後への移動と至近距離からの動きのキレが良すぎで捕まえられない。
独「くそっ!」
がむしゃらに拳を打ち返すが当たるはずもなく……。
妙見「このくらいで充分ですかね」
ペシン……ごく軽く平手で独の頬を打った。すると、次の瞬間走ったのは激痛。当たり前だが痣に触れると痛い。内出血を起こし、細かな神経が裂け痛みに敏感になっている部分を叩かれれば誰しも悲鳴を上げる。
独「あっ、がぁ……っっ!?」
妙見「必要なのは力ではない。技術です。さて……天涯君は反省してくれましたか?」
独「だっ……れが!反省するかよっ!」
妙見「元気がいいですね。しかし、今の君は弱点ばかりですよ」
独「くっ……」
肩、腕、腹、頬、それをかばいつつ攻撃仕掛けるのは簡単なことではない。そして、人間は一度受けた痛みに過敏になり恐怖が生まれる。さながら獣を調教する如く……。
独「……」
妙見「……」
睨みあう二人、しかしそんなピリピリした空気を気にせず独の背中でがりゅーがいった。
京「独、なんで独が怒こってるんだ?」
独「……好きなものを守りたいって気持ちがあるからかな」
京「おぉっ、そうなのか!好きなものを護りたいっていうのは己もよくわかるぞ!」
独「は、はは……」
まったく意図は伝わっていないが絶賛するがりゅーだった。
妙見「素晴らしい友情と愛情のコラボレートを見せていただけましたが……よそ見とは余裕ですね。」
笑顔を貼り付けたような顔のまま妙見は一歩前へと踏み込んだ。容易に独の懐に入り込み拳を打ちこむ。
独「グッ!なろっ!」
腹にメシメシと音を立てて拳がめり込む。しかし、威力は高くない。ならばと肉を切らせて骨を断つ如しに独は殴り払うように右の手を妙見目掛けて振った。
妙見「遅いですよ」
振り抜こうとした手を真下から弾かれてしまい、妙見は後ろに下がった。フットワークは軽い、しかし力はそれほど強くはない。
独「なんだ……こりゃ?」
ふと、弾かれた腕を見てみると痣が出来ていた。殴られたのならそれぐらい普通だろうと思うが……形が円形、そして色が濃い。大した威力ではなかったはずなのに深々と芯に痛みが出そうな痣になっている。
妙見「私の打撃はくらい続けるとあとが辛いですよ。今、悔い改めるのなら許してあげますよ。」
独「っ……」
京「己達はなにも悔いることはしていない!」
妙見「なるほど、素晴らしい威勢です、ね。しかし、ダメージを追うのは彼ですよ!」
京「よし、己が相手だ!」
両手の拳をぶつけて臨戦態勢に入るがりゅー。
独「いや、俺がやるって……」
妙見「本当によそ見ばかりですね」
敵が待ってくれるわけが無く、独の左頬に打撃がぶつかる。殴られたことより、気になったのは拳……の形だ。拳(こぶし)ではなく、掌(しょう)……いや、チョップ?奇妙な手の形で打たれている。
独「ぐっ……痛っ……」
殴られた後に走る痛みとは別の痛み……例の痣ができたのだろう。
妙見「はいっ!」
更に肩を打たれる。一発一発の痛みはないが確実に奇妙な痣はできつつあった。そしてなにより厄介なのがこの男のフットワーク、前後への移動と至近距離からの動きのキレが良すぎで捕まえられない。
独「くそっ!」
がむしゃらに拳を打ち返すが当たるはずもなく……。
妙見「このくらいで充分ですかね」
ペシン……ごく軽く平手で独の頬を打った。すると、次の瞬間走ったのは激痛。当たり前だが痣に触れると痛い。内出血を起こし、細かな神経が裂け痛みに敏感になっている部分を叩かれれば誰しも悲鳴を上げる。
独「あっ、がぁ……っっ!?」
妙見「必要なのは力ではない。技術です。さて……天涯君は反省してくれましたか?」
独「だっ……れが!反省するかよっ!」
妙見「元気がいいですね。しかし、今の君は弱点ばかりですよ」
独「くっ……」
肩、腕、腹、頬、それをかばいつつ攻撃仕掛けるのは簡単なことではない。そして、人間は一度受けた痛みに過敏になり恐怖が生まれる。さながら獣を調教する如く……。