ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー池袋西口公園ー

柏「……音(気配)を消して近づくな。」

光臣「申し訳ありません。目を閉じておられたのでご休憩中かと」

柏「アホが。音消して近づかれた方が反応しちまうだろ。」

光臣「申し訳ありません。御配慮が届きませんでした。」

柏「まぁいい。仕事だ。切り替えろ。」

光臣「はっ。」

柏「OK。これ(資料)だ目を通せ」

光臣「…………久々ですね。楽園種(エデン)」

柏「ここ(東京)に個人で来るとは思わないが……。」

光臣「雇い主が居るのでは?」

柏「普通に考えたらそうだな……。」

光臣「狙いはいったい……。柏様でしょうか」

柏「無いな。俺はここしばらくは大事には関与していない。まぁ、恨み辛みを発散しに来たのなら別だがな。」

光臣「……」

柏「俺を愚かだと思うか?」

光臣「いえ。たとえそうであったとしても所詮烏合の集、燻ぶるなら根絶やすだけです」

柏「頼もしい限りだ。さぁ、いくぞ。まずは臭いを辿って(情報集めて)追い込むぞ。」

光臣「御意。」

氷室「(おや、あそこに居るのは柏さんと……どなたでしょうか。なにか「ご機嫌」なご様子ですね)」






ー新宿:歌舞伎町娼館メサイヤー

柏「来るか?」

光臣「いえ、表で待機しています。」

柏「ビッグママ居るか?」

リアナ「ボウヤじゃないか、どうしたんだい。うちの娘達がおイタをしたかい?」

クーリッジファミリー幹部
娼館『メサイア』店主
ビッグママ・リアナ

柏「いや、ちょっとネタが欲しいだけだ。」

リアナ「ま、お上がりな。ほら、貴方も上がりな、みっちゃん。」

光臣「……ペコリ。」

リアナ「相変わらず大きいね。モテるだろ」

光臣「いえ。」

柏「ソイツは何にも興味がないからな。嫁すら抱いてるかどうかわからん」

光臣「……」

リアナ「ぴしゃりとクールな方が女はよってくるもんさ。お茶でいいかい?」

柏「ああ。」

光臣「どうも」

リアナ「私はこの日本茶が最初はのめなかったよ。渋くてね。けど三十年も飲み続けたら今じゃ茶道もなかなかだよ」

柏「ふふ、ビッグママが茶道か一度飲んでみたいもんだな」

リアナ「アッハッハ。私が着れるキモノでもくれたらいくらでも淹れたげるよ」

柏「考えておこう。それでネタなんだが……エデンが現れた。」

リアナ「おや、またかい。今度は何処に飛ぶんだいイギリス(私の故郷)に行くなら土産を……」

柏「場所は東京だ。」

リアナ「ああ……。」

柏「驚かないんだな」

リアナ「まぁね。私も驚くことのが少なくなったよ。このところ無差別な闇討ちが池袋と新宿で起こってるらしい多分それね。」

柏「闇討ち……?」

リアナ「妙な話だよね。戦争を起こすようなもんじゃ無くて被害者は全員ガキらしいよ。今回のはエデンじゃないかもね。分かってることはメールしとくよ」

柏「助かる。金は振り込んどく」

リアナ「ま、なんにしても全部終わったらまた顔を出しとくれ。」

柏「分かった。行くぞ」

光臣「御意」
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