ー新伝ー伝説を継ぐもの【4】

ー教室ー

独「……」

白嶺「浮かない顔してどうしたの?」

独「今日から居残りでな」

白嶺「あぁ、そういえば赤点だったわね。」

独「ストレートに言うなよ」

白嶺「でも、再テストだけで済むんだからいいじゃない」

独「別に居残りとかは……いいんだよ」

白嶺「他に何か問題があるの?」

独「……妙見について何かしってるか?」

白嶺「妙見先生?担任ってこと」

独「それは俺も知ってるよ。知ってなかったらおかしいだろ」

白嶺「洒落よ」

独「……」

白嶺「それで妙見先生がなにか気になるの?」

独「いや、あの人って……人気あるよな」

白嶺「そうね。物分かりはいいし、男女ともに人気があって珍しい先生よね。ときどき「愛」を語って私は引く時あるけど」

独「愛……か」

白嶺「そもそも変わった人よね。恋愛ごとに厳しくいう教師は多いのに、逆に恋愛事を進める教師なんて」

独「進めてるはずなのにな……」

白嶺「ねっ、なにか知ってるの?」

独「知らないから困ってるんだよ」

白嶺「……」

独「……」

白嶺「前から思ってたけど天涯は決定的に情報不足な部分があるわよ?」

独「それは……反省してる」

白嶺「まぁいいけど、それじゃ知恵熱出さないようにね」

独「はいはい、どーも」

京「詠子帰ろう!」

白嶺「ええ、帰りましょう……あれ、がりゅー追試は?」

京「ついし?」

白嶺「テストで……赤点とらなかった?」

京「あぁ、先生から勉強しておくようにいわれたぞ。神姫姉にも教えてもらうけど詠子もまた教えてくれ。」

白嶺「それはいいんだけど……?」

京「どうかしたか?」

白嶺「ううん、いいわ。何でもない。」

独「……俺一人か」

妙見「すまない、待たせたみたいだね」

独「あっ、いえ。」

妙見「テストの追試だけど……まぁ、点数は気にせずもう一度やってみてくれるかな。一通りできたらそれでいいから」

独「いいんすか?」

妙見「あぁ、ただし秘密だぞ?」

独「はい」

妙見「秘密は守らないとダメだからね」

独「は、はい?」

妙見「余計なことも口走らないように、ね?」

独「っ……」

妙見「いや、別に深い意味はないんだけどね。さぁ、テストしようか」

独「……」

妙見「どうかしたのかな?手が止まっているよ」

独「……」

妙見「ふふふっ」
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