ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー廊下ー

仲村渠「お前、普通に歩いてるけど痛くないの?」

京「すこしヒリヒリしてるけど平気だ」

仲村渠「私の渾身の投げがヒリヒリ程度か……パネェわ」

京「ぱねぇ?」

仲村渠「半端ない。略してパネェだ」

独「……最近の女子って引っ掴みあって殴り合って仲良くなるんすね」

亮「少年漫画でも最近は少ない展開だけどな」

独「少女マンガだとありますか?」

亮「もっとないだろ……多分だけど」

独「ですよねぇ」

亮「まぁ、大事にならなくて良かったよ」

独「がりゅーが踏み込んだあとが凹んでましたけどね。」

亮「あれくらいならバレないって、多分」

独「だといいですけど」

亮「さて、俺は帰るわ」

独「ういっす、お疲れっした」

亮「いいけど、置いていかれてるぞ?」

独「ええっ!おーい、待てよ!」

亮「……がりゅーには勝てないだろうな俺。はぁ、精進しよ」




独「待……あれ?」

妙見「……」

独「(妙見だ。窓の外凝視して何見てるんだ?)」

~~

男子生徒「なぁ、いいだろ」

女子生徒「えぇー、人きちゃうよー」

男子生徒「大丈夫だって、なっ?」

女子生徒「もー、マー君のえっちー」

~~

独「(うーわ、なんだあれ……放課後だからって校内で何してるっ……)」

妙見「……」
ビュッ!

独「(えっ?)」

ガキャン!

「ワッ!何だ!」

「きゃー、何か飛んできたっ!!」

妙見「……」
スッ……

独「(いま……妙見の奴がやった、のか?)」

京「独」

独「わっっ!?」

仲村渠「なにしてるんだよ?」

独「ちょ、いゃ……ハッ!」

京「なんだ、誰かいるのか?」

仲村渠「誰もいないじゃんか」

独「居ない……?」

仲村渠「なんだ、誰かいたのか?」

独「……いや、なんでもない」

京「そうか。なら、帰ろう。ナカムラがクレープ食べに行くそうだ」

独「あ、あぁ……」

仲村渠「お前のせいで時間食ったから奢りな」

独「なんでだよっ!」

仲村渠「がりゅーに奢っていいところ見せてやれよ」

京「いいのか?」

独「……いいぞ」

仲村渠「ちょろいな」



妙見「……天涯独、か」
99/100ページ
スキ