ー新伝ー伝説を継ぐもの

ー陵桜学園高等部図書室ー

独「うわっ…!」
ズデン!?

釘夜「おいおい…デカイ図体で転けるなよ。」

独「心配とかじゃなく苦言かよ…。」

釘夜「なにも無いところで蹴躓くとか、そんなドジっ子いらないぞ。ほら」

独「なんかにつまづいたんだよ。」

釘夜「なにもないぞ」

独「…れ」

釘夜「れ?」

独「霊道があって…それに…足がかかった。」

釘夜「……」

独「ごめん。嘘だ」

釘夜「わかってるよ!いいから、早く本返していこうぜ。」

独「あぁ、そうだな。って……図書委員いないな。」

釘夜「元あった場所に置いといたらいいんじゃないか?」

独「覚えてると思う?」

釘夜「……聞いた俺が間違ってるのかな」

伏見「あの…」

独「ん?」

伏見「良かったら返却しておこうか?」

釘夜「えと、図書委員?」

伏見「いや、けど、図書委員よりここの事は詳しいつもりだね。」

独「そうなんだ。じゃあ、この本返しといてくれるかな」

伏見「いいよ。」

独「じゃあ、釘夜帰るか」
釘夜「もうなにも忘れてること無いだろうな…」

独「多分な。」

伏見「……ふぅ、やっと静かになった。それで、姫島さんは、なんで急に隠れたんですか?」

雫「だ、だって、霊道があるってさっきあの転けた人がいってたじゃない。」

伏見「……そのあと、嘘っていってたよね。」

雫「……えへへ。はい、チーズ」
パシャ

伏見「……いきなり写真撮って誤魔化すのはどうなんですか。というか、許可無しに撮るのもダメですよ」

雫「現像したら持ってくるね。」

伏見「あぁ、通じてない…」

雫「それでさ、それでさ、次の休みにハイキングにいくつもりなんだけど、どこがオススメ?」

伏見「マイペースな人だなぁ。まぁ良いですけど…。そうですね……たまには街歩きなんかはどうです?」

雫「街歩き?」

伏見「自然を楽しむのもいいけど、街歩きも楽しいよ。今なら吉祥寺なんかはどうかな。」

雫「なにがあるの?」

伏見「吉祥寺駅を中心とした一キロエリア内に、ショッピングスポットはあるし、自然たっぷりの井の頭公園、神社仏閣、活気ある商店街にギャラリーなんかのアートスポットもあるよ」

雫「アートスポットかぁ~」

雫「井の頭自然文化園なら動物園と水生物園もあるから写真を撮るならいいんじゃないかな。オススメはゲージ内にニホンリスを放し飼いにして間近に観察できる「リスの小径」かな。他にも国内最高齢のアジア像とかもいるよ。」

雫「いいね、いいね。よぉし、今週は吉祥寺巡りにいってくるね。ありがと、ゆずくん。じゃあね~」

伏見「いえいえ。それにしてもストリートビートに載ってる街歩きのコラムは助かるなぁ。」
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