ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー屋上ー

京「すうぅぅぅふぅぅぅ……」

仲村渠「……」

独「どうしてこんなことに……」

亮「ああいうタイプは一回でケリつけとかないとドンドンエスカレートするからこの手がいいと思ったんだよ」

独「それって経験上ですか?」

亮「あぁ、一度ボケたら突っ込むまで延々と同じボケをくりかえす奴がいる」

独「これとそれはえらく違わないっすか?!」

亮「……そうだよな、やっぱり」

独「えぇっ?!」

亮「やっぱり俺に悠の真似はできないなぁー。」

独「そんな軽くいわないでくださいよ!」

亮「でも、あの娘のことだ大丈夫だろう」

独「……だと、いいんですが」

仲村渠「(さっきの投げも手加減しなかった。けど、アイツはぴんぴんしてるってことは……独自の受け技術があるってことか?だったら、次は投げたうえで腕を折る。)」

京「……よし、いくぞっ!」

仲村渠「(向こうから来てくれるなら好都合。打って来たのを掴んで決めるっ!)」

京「臥劉螺拳!!」

仲村渠「(キタッ!お利口さんな真っ向からの直突き!取っ……)た?」

ギャリリッ!ドタッ!

独「掴んだ……仲村渠が吹っ飛んだ?」

亮「……」

独「今のは……がりゅーがやったんですか?」

亮「わかんないが……俺の推測は、臥劉の腕の回転力に掴んだあっちの女が振り回されたんじゃないかな」

独「……どういうことですか?」

亮「俺も詳しいわけじゃないが臥劉の技法は全身、あるいは打ちだす手足をあり得ないほど捻りこんで穿つらしい……。」

独「は?」

亮「まだ、終わってないぞ。」

仲村渠「っ……マジかよ。投げようとした側の私が飛ばされるとか無茶苦茶だっ……うをっ!?」
ギャリッ!

京「はぁっ!!」

仲村渠「くっ……あぶねぇ」

独「……いま、本気で顔面に叩きこもうとしてましたけど」

亮「してたな……。」

京「強いななかんだり!」

仲村渠「なかんだかりだ……ナカムラでいいよ」

京「ナカムラ……わかった。ナカムラ、いくぞっ!」

仲村渠「はは……真っ直ぐな奴だ。いいよ、私も覚悟を決めた。次は叩きつける」

京「おおっ!!」

ドッ……ギュバッ!!

仲村渠「(さっきよりも早い……!でも、掴んだっ!!)」

ギャルルッ!!

独「ダメだ、やっぱり弾き飛ぶ!!」

亮「いや……」

仲村渠「例え押し飛ばされようとも、離さなかったら道連れにできるっ!!」

京「おおっ?!」

仲村渠「自分の力で落ちろっ!」

ドッ……ダァン!!!

独「っ……うつ伏せに叩きつけた」

亮「顔面から……しかも遠心力を加えて叩きつけられたら死ぬぞ。」

仲村渠「ぐぁぁ……めちゃくちゃ身体いてぇ……けど、勝った、か」

京「……ぶはっ!」

「「「……」」」

京「今のはすごく驚いた!!よし、続きをやろう!!」

仲村渠「……は、はは。お前、鼻血出てるぞ」

京「む?」

仲村渠「まったく、私の負けだよ。お前には勝てないよがりゅー。ほら、鼻血ふけ」

京「えっ、あ、うん。ありがとうナカムラ」
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