ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー教室ー

「きりーつ、礼」

「「「ありがとうございましたー」」」

妙見「はい、午後からの授業も頑張ってください」

独「はあぁぁ……」

白嶺「昼ごはん前に溜息なんてどれだけお腹すいてたの」

独「そうじゃないって……解ってるだろ」

白嶺「毎休み時間、誰かに呼びだされてること?」

独「そういうこと……。」

白嶺「嫌ならガツンと言わないとね」

独「他人事だと思って……」

白嶺「あら、他人事だもの」

独「……」

京「詠子、お昼食べよう」

白嶺「今日はこっちなの?」

京「うん、悠お兄ちゃん来てないから。独もいっしょにどうだ?」

独「俺は……」

プルルル!

白嶺「電話なってるわよ」

独「…はい、もしもし?はぁ?三分以内に来いって……はいはい解りましたよ!行きますよ!」

白嶺「いってらっしゃい」

京「独はなにか頑張ってるんだな!」

白嶺「どうしてそう思うの?」

京「お昼休みも走ってどこかに行ってるから」

白嶺「……まぁ、そういう見方もあるわね」

雫「あっ、がりゅーちゃんいるじゃん。あたしもお昼、寄ーせてっ♪」

京「いいぞ、いっしょに食べよう」

雫「アンパン、イチゴジャムサンド、ヨーグルトにカフェオレ♪」

白嶺「それ……昼食?」

雫「そだよ?」

白嶺「……私のサラダ分けたげるから食べなさい」

雫「やったー!ちょっと量が少ないと思ってたんだよね」

白嶺「そこが問題じゃないでしょ……」





ー校舎裏の木陰ー

独「はぁはぁ……」

仲村渠「本当に三分で来たのか」

独「あ、アンタが……三分以内で来いったんだろ……吐きそう」

仲村渠「昼飯前に吐くなよ。お前、かにたま風とワンタンどっちがいい?」

独「は?」

仲村渠「だから、カップスープのワンタンかかにたま風どっちがいいか聞いてるんだよ」

独「それ……俺にくれるんすか?」

仲村渠「そうだよ。だから三分で来いって言ったんだ。どうした?」

独「いや、またがりゅーと勝負させろって言われるのかと思ってて」

仲村渠「当然それもいう」

独「……」

仲村渠「決めないなら私ワンタンな。ほら、かにたま風やるよ」

独「どうも、ついでに俺もここで弁当食いますよ」

仲村渠「なに、お前ん所って弁当つくってくれるの?いいなー」

独「いや、酷い時は飯詰めただけってパターンもありますから」

仲村渠「それでも持たせるんだから親の愛だろ」

独「ナカムラは?」

仲村渠「うちは普通に自分のことは自分でしろ、なところだ」

独「厳しいんだ」

仲村渠「かもな。別に私はずっとそうだったから厳しいとは思っちゃいないし、好き勝手できるからいいと思ってるけど……卵焼き奪い!」

独「「貰い」じゃなくハッキリと「奪い」っていったな、今……」
95/100ページ
スキ