ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー三日月ー

拳二「まいどぉ」

凛「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」

拳二「おうよ」

ドカッ!

窈「……わっざわざ俺のとなり座るか?」

拳二「お前ら何かよくいっしょに居るな」

凍夜「ははっ、ですかね」

窈「いや、俺は無視か」

拳二「できてんのか?」

凍夜「返済ついでに軽く呑まないかって流れですって」

拳二「なんだそっか」

窈「なんでちょっと残念そうなんだよ」

拳二「いや、そうだったら話しのネタにでもなるかとおもってよぉ」

窈「ならねぇよ。」

拳二「あっ、こっちビールと刺身のいいところ」

凛「はーい、少々お待ちください。」

ろりりり……ろりりり……
窈「おっと、電話だ……。」

凍夜「変わった着音だな」

窈「はい、もしもし?えっ……?」

凛「どうぞ、お先にビールと突き出しです」

拳二「おう、どうもどうも。うい、乾杯」

凍夜「乾杯」

窈「いや、いきなりそんなこといわれても……はいとYESは同じだよ?!舌噛んで死ねってどういうこと……ちょっ!」

凍夜「随分とアクティブな内容の会話だなぁ」

拳二「俺ぁも悠と話してるとああいう電話してるぜぇ」

窈「その悠からの電話だったよ」

恵瑠「なんて内容ですか?」

窈「はい、そこ食い付かない」

恵瑠「ぶー……にこっ、お刺身お待たせしました。」

拳二「かっかっか、ちゃんと笑顔作れるのがすげぇな」

凍夜「ははっ、確かに。それで彼から急用?」

窈「急用でもって変な用かな」

拳二「お前のことか?」

窈「……は?」

凍夜「多分「用」と「窈」をかけてんじゃない?」

窈「あぁ、めんどくさっ!」

拳二「かっかっか、めんどくさがんなよォ」

バチン!
窈「痛ってぇっ?!」

凍夜「わぁ、痛そう…。」

拳二「かっかっか」

窈「あ、アンタ……自分の手のでかさと分厚さ考えてやれよ……ぉぉっ……。」

凍夜「それで、なんだったの?変な用って?あっ、聞いちゃまずい?」

窈「っ……いいや、別にただ明日面接受けさせてほしい女の子が居るから見てくれって話し……」

拳二「アイドル候補ってか」

窈「んー……なんかアーティスト?目指してるからめんどう見てやってくれとかいわれたよ」

凍夜「ふーん、そういうのもプロデュースしてるの?」

窈「管轄外って訳でもない感じかな……それでもアーティスト一本で育てたことはないけど」

拳二「ってこたぁ、新しいあーちすとが明日からできんのか?」

窈「面接するだけであって必ず成功するなんて保証はないよ。」

凍夜「それでその子の名前は?」

窈「三味線弾きの椿って娘らしい……」

拳二「三味線たぁまた古風だな」

凍夜「確かにいまどき珍しいね」

窈「物珍しさだけじゃどうにもならないけどね……ま、でも悠の頼みだし一応は面接するけどね。」

凍夜「そうそうしっかり働いて借金返済してもらわないと、ね」
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