ｰ居酒屋:三日月ｰ

窈「はぁ……」

凍夜「どしたのその顔」

窈「ちょっと打たれただけだ……」

凍夜「ははー、喧嘩しちゃった系?最近の娘はグーで殴ってくるんだねぇ」

窈「なんか勘違いしてるようだけど、悠に殴られたんだからな」

凍夜「えっ、痴話げんかの末に……じゃないの?」

窈「違うし、俺はフリーだ」

凍夜「あはは、そっか。俺はまた事務所の子にでも手を出したのかと」

窈「俺がいつそんなことしたんだっての」

凍夜「やっちゃったら普通にまずいでしょ」

窈「超まずいよ」

恵瑠「あの、お店のなか、しかもカウンターの前でまずいまずい言うのやめてくれません?」

凍夜「おっと……申し訳ない」

窈「ごめんなさい」

凛「ふふっ、お酒追加します?」

窈「俺はビールで……そっちは?」

凍夜「俺もビールでいいから瓶ビールふたつ貰える」

恵瑠「はーい。」

窈「そっちは仕事どうなんだ?」

凍夜「世間が不景気なほど千客万来かな」

窈「なら繁盛してるのか」

凍夜「そうでもないよ。たまーに踏み倒す気満々のやつとか、因縁つけに来る輩も多いし」

窈「問題ないだろ」

凍夜「問題ありますよぉ。オフィスで暴れられたら片づけるの俺なんだから」

窈「ま、片づけては帰らないだろうなっ……痛っ。あー、口の中も切れてる」

凍夜「明日には痣になるよきっとそれ」

窈「はぁ……人に遭う仕事だから顔は殴るなって言ったのに」

凍夜「はははっ」

窈「笑い事じゃねーっての」

恵瑠「なんか悪いことしたんじゃないですか?気に触ることいったとか」

窈「やってないし、いってないハズなんだけどなぁ…」

凍夜「ま、それだけで済んだんだから良かったんじゃないの?」

窈「済んだって……スパーって言ったんだぞ?明日どう誤魔化そうか……」

凍夜「ボールが飛んできてぶつかった」

窈「……それだな」

凍夜「単純ていわれない?」

窈「これでも思量深い方だ」

恵瑠「思量深い人が悠先輩に喧嘩売ったりしないとおもいまーす」

窈「喧嘩じゃなくてスパーリング、組手です」

凛「小鳥遊さんも、悠君も格闘技かなにかされているの?」

窈「えっ、あーまぁ、強さで頂点を決めるって言うのなら格闘技と同じですかね」

凍夜「しってる?喧嘩は殴りあうで格闘技は打たせずに打つって」

窈「……喧嘩だなぁ。めっちゃ殴りあったし全人類パンチと全生命カウンターパンチで」

恵瑠「なんですかそれ?」

窈「いや、気にしないでくれ……あっ、それと頼まれてたものだけど」

恵瑠「あっ、撮ってきてくれました?悠先輩の写メ!」

窈「撮ったには撮ったけど……」

凍夜「猫で顔が隠れてるのと、この真っ暗なのは?」

窈「犬の腹、撮ってる時にまえから押し倒された」

恵瑠「あらあら、本で顔だけ隠れてるわね。こっちは新聞で」

恵瑠「なんですかこれ…」

窈「彼ガード堅いうえに撮る瞬間がばれてたみたいでことごとくこういうことに」

凍夜「シティハンターみたいだな」

窈「あながち間違いでもないところがあるな」

恵瑠「してぃはんたーってなんですか?」

窈「これがジェネレーションギャップか……」