ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー池袋界隈:秘密基地(工事現場)ー

独「ふぅー……ふっ!」
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!

仲村渠「ジュルルルルッ……つまらん」

独「ふっ……はぁ、なんで着いて来たわけ?」

仲村渠「ジュルル……聞くだけでなく推理してみて」

独「暇だから」

仲村渠「四分の一正解」

独「あとの四分の三は?」

仲村渠「私とのお茶を早々に切り上げる程の用事が何なのか気になったのとミラクルって何なのかが気になったのとここでまた猫を捕獲できないかなって思ったの」

独「あぁ、総合して暇なんだな」

仲村渠「うっせぇ!」

独「お前歳いくつだよ…。ほぼ初対面に容赦も遠慮もなさすぎだろ」

仲村渠「十七」

独「年上かよ…」

仲村渠「え、ウソを……年下なの?」

独「俺は高一だからな」

仲村渠「ははーん、なら敬語使え、敬語」

独「水を得た魚の如くに調子に乗らないでほしい」

仲村渠「うひひ。パシリゲットだぜ」

独「俺のことじゃないよなソレ」

仲村渠「お前のことだぞコレ」

独「あんまりだっ!」
ダムッ!

仲村渠「っというか、さっきからなんでサンドバック殴ってんの?それになんで充実してんの?私ベッドとテレビ欲しい」

独「さらっと欲望混ぜてんじゃねーっすよ」

仲村渠「ボクサーなの?」

独「ボクサーではない」

仲村渠「だよね。動きがトロいし」

独「トロ……」

仲村渠「なんていうか全体的にヒョロい?」

独「……」

仲村渠「あっ、怒った?怒ったの?」

独「別に……。本当のことなんだろうから」

仲村渠「ほほー、不貞腐れてるのか人の苦言を聞けるタイプなのか殊勝な態度だね」

独「そらどうも……でも、そういうこと言うからにはナカムラ……さんは」

仲村渠「ナカムラでいいよ気持ち悪い」

独「……ナカムラはボクシングの経験があるんだよな?」

仲村渠「ないよ。」

独「……」

仲村渠「打撃は無いけど柔はある。」

独「柔……柔術?」

仲村渠「柔道だよ」

独「ああそう」

仲村渠「あっ、なんだその目は全然信用してないってか」

独「そんなことは言ってないけど……」

仲村渠「けど、なんだ」

独「小柄じゃん」

仲村渠「ウエイトだけが全てじゃない!よーし、ちょっと来いや!」

独「嫌です」

仲村渠「なんだ、怖いのか」

独「怖いです」

仲村渠「……いや、即答って」

独「俺は強くはないけどぶん投げられた回数は多い。だから普通に柔道とかは怖い」

仲村渠「なかなか情けない発言だね」

独「自分でも重々承知してますよ」

仲村渠「仕方ないなー、パシリの面倒見るのも役目か」

独「パシリになった覚えはないですけど」

仲村渠「気にするな。私が受け身をみっちりと教えてやるよ」
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