ー新伝ー伝説を継ぐもの【3】

ー池袋界隈:秘密基地(工事現場)ー

独「馬鹿って……じゃあ、保健所行きか?」

「残酷なこと言うよね。もしかして鬼畜?」

独「初対面のヤツにここまで言われるとは思わなかった」

「初対面だから勢いでつい言っちゃったってパターンもあるさ。ねぇ?」

猫『にゃー』

黒猫『なぁーご』

独「……んで、食うンでも保健所でもないとしたら飼うのか?」

「違うって、このコらには仕事を紹介するの」

独「……は?」

「キャットテイルってお店に連れていくのさ、猫カフェで猫ちゃんが働いてるの」

独「……」

「理解してない顔だね」

独「ああ、してない」

「頭悪いなぁ…。」

独「……」

「つまりね、猫カフェってことは猫がいないとダメでしょ?そこでこうやって野良猫を捕まえて連れてくとそのお店でこのコたちが働けるの。ご飯も寝どこも手に入るし、予防接種も受けれる。……一部は去勢も」

猫『に゛ゃ?!』

黒猫『み゛っ?!』

独「へー……捕まえたらいくらか貰えるのか?」

「お店の割引券とか貰えるけど……一番の目的は伝説のハンターの記録を抜くこと」

独「……モンスターハンター?」

「キャットハンターだよ。池袋中の野良猫をなんと100匹捕まえた伝説の男。その人の捕まえた猫で二号店が出来たらしいし」

独「よっぽどの暇人か、変人な気がするけど……っで、自分は何匹捕まえたんだ」

「三匹」

独「……」

「なんだーっその目はっ!野良猫捕まえるのは難しいんだからねっ!」

独「何にも言ってないのに……まぁいい、それより用件が済んだならここから出ていってくれ。最初に言ったけど立ち入り禁止の場所なんだからな」

「あぁ、お家にお邪魔してごめんね」

独「だから住んでないっての」

「じゃ、行こうか」

独「ったく……って、おいおい、なんで俺もいっしょに行く流れになってるんだよ」

「ひとりだと猫持てないじゃん」

独「箱か何かに入れていけばいいだろ」

「箱持ってるの?」

独「……コンビニのビニール袋なら」

「ふざけんなっ!」

独「怒られたよ……。」

「アンタにも分け前あげるから手伝ってよ」

独「えー……」

「はい、出発」

独「コイツ……はぁ……」





ーキャットテイルー

「はい、着いた」

独「猫抱えて移動とか目立ちすぎだろ……」

「自分が思っている以上に人になんて見られてないから」

独「普通ならそうだけど思いっきり目立ってたよ!」

「きぃーきぃーきぃー……うるさいなぁ。オカマかよお前。」

独「なんでここまで罵声を浴びせられなきゃいけないんだ……」

「うるさいからだよ」

独「……」

猫『みゃー』
てしてし

黒猫『なーご』
ぺしぺし

独「猫に慰められた気がする…」
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